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コミュニケーションで家族の絆も深まる。注目のボードゲーム遊びとは
自分の手で駒を動かしたり、サイコロをふったり、カードをめくったり……楽しく手先を動かしながら頭も使うアナログゲームは、子どものさまざまな力を育んでくれます。そこで今回は、親子で遊んで学べるボードゲームをピックアップしました。
今だからこそ、アナログなボードゲームに注目!
昨今ゲームの主流になっているデジタルゲームは一人で遊ぶことがどうしても多くなりがち。だからこそ今、コミュニケーション能力を身につけることができるアナログなボードゲームが注目されています。みんなでひとつのゲームに夢中になれば、家族の絆も深まりそうです。
大人も楽しめて、子どもの学びにもつながるアナログゲームを3つご紹介します。
どうぶつしょうぎ
「どうぶつしょうぎ」は、女流棋士の北尾まどか初段によって考案されました。ベースは将棋ですが、盤面が3×4なのでルールはいたってシンプル。
2008年12月の発売以降、棋士の羽生善治さんが挑戦したり、さまざまな大会が開催されるなど、子どもだけでなく大人でも楽しめるゲームとして注目されています。
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3×4 という狭い盤面で、これだけ複雑な世界を構築しているという事実は、持ち駒制度の有効性を示すと共に、駒の動きや初期局面等のルール設定が適切に行われたことを示していると言えるだろう。
出典: 東京大学情報基盤センター 田中哲朗「どうぶつしょうぎ」の完全解析
遊び方
まず先手と後手にわかれ、「ライオン」「ぞう」「きりん」「ひよこ」の4種類の駒を置いて戦います。すべての方向に1マス進める、いちばん強い駒である「ライオン」が相手の陣地に入ったら勝ち。
それぞれの駒に進める方向がわかりやすく表示されているので、初めて将棋に触れる人でも楽しめます。
対象年齢
個人差がありますが、4歳ごろから遊べます。もっと早くからなら、ナチュラルな風合いの木でできたかわいらしい動物の駒を積み木がわりにして遊ぶこともできます。赤ちゃんの時から触れさせておいたら、将来は天才棋士になるかも......?
学びのポイント
対戦を重ねることによって相手の一手先を読み、どういう手が出てくるかを考えるので、集中力・想像力が身につきます。
マス目と駒の動きを視覚的に追うことで右脳を鍛えることができるだけでなく、組み立てや戦法など理論的なことを考えるので左脳も鍛えられます。その中で自分がどう動くかを冷静に判断する力も養われるでしょう。
おすすめポイント
大人と子どもが対等に遊べるのが「どうぶつしょうぎ」の魅力。最初のうちは大人が勝ちますが、将棋が得意じゃないママは何年かたつと負けてしまうかも。次はパパ、その次はおじいちゃん、という風に子どもはどんどん挑戦してくるでしょう。
いきなり本格的な将棋から始めるのではなく、まずは「どうぶつしょうぎ」で遊んでみませんか?
ありんこヘラクレス
ドイツ製のかわいらしい絵柄の「ありんこヘラクレス」は、ドイツのボードゲーム。プレイヤー同士で勝負を競うだけではなく、協力しあうこともできるゲームなので、家族みんなで楽しむことができそうです。
木のおもちゃならではのあたたかい風合いも魅力のひとつですね。
遊び方
「アリ塚」の資材となる枝木を集めて、みんなで「アリ塚」の完成を目指すボードゲームです。サイコロをふって、出た目に合わせた道のタイルをめくったり、アリたちを動かします。
枝木を集めるにはアリたちを途切れることなく、1本につなげる必要があります。アリクイのアントンが来る前にみんなで「アリ塚」を完成させたら勝ちです。
対象年齢
対象年齢は6歳からですが、大人と組んでのチームプレーなら4歳ごろから遊べそうです。
完全に全員で協力するルールと、協力しつつももらえるごほうびを競いあうルールの2種類があり、協力するルールならお互いに教え合えるので、年齢関係なく遊べます。
学びのポイント
協力ルールでは、プレイヤー全員のことを考えて相談しながら進めていくので、協調性が身につきます。
競争ルールでは、滅亡ぎりぎりの線をキープしつつチップをできるだけ独占できるように考えるので、まわりの状況を見ながら戦略的に立ちまわる力が必要です。大人にとってもいい頭の体操になりそうですね。
おすすめポイント
ルールがわからなくても、みんなで教え合いながらできるので、ホームパーティーなどでも盛り上がりそうです。チームワークも必要なので、きっと家族の絆を強くしてくれるでしょう。
さまざまな年齢の子どもが一緒に遊べるのもこのゲームの特徴です。
インカの黄金
2005年に日本ボードゲーム大賞入門者部門 1位を獲得した「ダイヤモンド」というボードゲームをリメイクしたのが、この「インカの黄金」です。
遺跡を探検する、お宝を集める、など、わくわくする要素がたくさん詰まっています。大人のほうがハマってしまうかもしれません......!
遊び方
プレイヤーはまず探検に進むか、探検を中断してテントに戻るかを選択します。「探検カード」をめくって「お宝」が出たら進んだ人だけでそれを山分けし、「危険」が出たらリスクを抱えながら再び進むか戻るかを選びます。
「危険」が2枚出た時点でそのターンは終了。それを繰り返してより多くのお宝をゲットした人が勝ちという、ハラハラドキドキ感が楽しいボードゲームです。
対象年齢
公式には対象年齢は8歳からとなっていますが、大人と一緒なら5歳ごろから遊べます。カードの種類が判別できれば大丈夫。集めたお宝を自分のテントに隠し持っておく、というのがこのゲームの楽しさです。
学びのポイント
タイミングを見計らって探検に進むかテントに戻るかを判断するので、分析力が必要です。お宝の分け方を考えながら遊ぶゲームなので自然に計算能力が身につきます。
「17個のお宝を4人で分けると、ひとり4個でひとつ余る!」と、子どもが自発的に計算するようになるでしょう。
おすすめポイント
キラキラしたお宝がザクザク出てきたり、遺跡に残されている古い財宝である「遺物」カードを見つけたり、ロマンがあるゲームです。考古学や歴史への興味のきっかけにつながるかもしれませんね。冒険のワクワク感がいっぱいです。
子どもといっぱい遊ぼう
家族でわいわいボードゲームに興じるのは、かけがえのない時間。子どもが小さいうちにできるだけたくさん遊んでおきましょう。みんなで本気で遊んだことはきっといい思い出になるでしょう。
ボードゲームという共通の楽しみを持つことで、家族で過ごす時間がより充実したものになったらいいですね。