なぜ生活に役立たない「ソフトボール投げ」をさせるのか…学校で「体力テスト」が漫然と実施される意味不明

なぜ生活に役立たない「ソフトボール投げ」をさせるのか…学校で「体力テスト」が漫然と実施される意味不明

【Close-up:日本のヤバい学校】 日本の学校に多い謎ルールのひとつに、毎年のように実施される「体力テスト」がある。小学校教員の松尾英明さんは「50メートル走、反復横跳び、握力など各測定項目は何のために測るのか、また測った結果をどう活かそうとしているのか明確ではない。そのため児童・生徒の身体の成長につながっているか疑わしい部分もある」という――。

「毎年やるもの」という謎の前提

春になると、多くの小中学校で体力テストが行われる。50メートル走、反復横跳び、握力、長座体前屈など、測定項目は全国的にほぼ共通しており、毎年同じような形で実施されている。秋頃に、その結果(A~Eの5段階で総合評価、前年との比較など)が子どもたちに返却される。

画像
出典=文部科学省「新体力テスト実施要項(6歳~11歳対象)」
画像
出典=文部科学省「新体力テスト実施要項(6歳~11歳対象)」

しかし、この恒例の測定イベントは、果たして子どもの成長に結びついているのか。


子どもは結果を周囲の子と比べて「自分はダメだ」と感じたり、保護者も「運動が苦手なのかもしれない」と不安を抱いたりすることがある。発達差の大きい時期に、一律の基準で数値化・比較されることで、運動そのものへの苦手意識につながる可能性もある。

特に小中学生は、体の成長度合の個人差が大きい。各テストの結果は、例えば長座体前屈は本来柔軟性を見る種目であるはずが、単に身長によって差が生じやすい。しかし、体格差への配慮は皆無である。つまり、同級生を一律の基準で判定するのみで、各児童・生徒の運動能力を正しく評価しているかどうか疑わしい。

長期間維持されている測定の枠組み

現在実施されている体力テストは、文部科学省による「新体力テスト」として1998年に導入されたものである。導入から四半世紀以上が経過しているが、測定項目の基本的な構造は大きく変わっていない。

社会環境や子どもを取り巻く状況が大きく変化する中で、同一の枠組みが長期間維持されているという事実は、それ自体として一つの特徴といえる。

データは蓄積されているが、活用は限定的

文科省の調査においても、子どもの体力水準は長期的には回復傾向が見られるものの、地域差や生活習慣との関連が指摘されている。体力テストは全国的に実施されており、長年にわたり継続的なデータ収集が行われている。子どもの体力の傾向や変化を把握するという点では、一定の役割を果たしてきた。

一方で、現場では前述した課題・問題点のほかこうした声も聞かれる。

・測定はするが、その結果が個別の指導に十分活かされていない。
・記録は残るが、日常の運動習慣にはつながらない。
・測定と指導のあいだに、距離がある。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://style-cp.kidsna.com/advertisement

ニュースカテゴリの記事

KIDSNA STYLE 動画プロモーションバナー
【天才の育て方】#25 古里愛~夢はグラミー賞。名門バークリー音楽大学に合格した、13歳のジャズピアニスト

天才の育て方

この連載を見る
メディアにも多数出演する現役東大生や人工知能の若手プロフェッショナル、アプリ開発やゲームクリエイターなど多方面で活躍する若手や両親へ天才のルーツや親子のコミュニケーションについてインタビュー。子どもの成長を伸ばすヒントや子育ての合間に楽しめるコンテンツです。
  • 保育園・幼稚園を探すなら
  • キズナシッター
  • KIDSNAを一緒につくりませんか?