「世界のお金持ち」が来るはずがガラガラ…水道も電気もない、ドバイ沖にある「300の人工島」で起きている異変【2026年4月BEST】

「世界のお金持ち」が来るはずがガラガラ…水道も電気もない、ドバイ沖にある「300の人工島」で起きている異変【2026年4月BEST】

2026年4月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。政治・経済(国際)部門の第3位は――。 ▼第1位 「日本の新幹線」を売らなくてよかった…習近平が東南アジア3カ国に敷いた"完成しない高速鉄道網"の大誤算 ▼第2位 習近平が「日本に行くな」と煽った悲惨な結果…友好国・ロシアに向かった中国人客の「ぼったくり被害」、死者も ▼第3位 「世界のお金持ち」が来るはずがガラガラ…水道も電気もない、ドバイ沖にある「300の人工島」で起きている異変 中東・ドバイ沖に浮かぶ「ザ・ワールド」は、世界地図の形をした300の人工島で、富裕層向けの住宅やマンション、リゾートなどを誘致する計画だった。2003年の計画発表から23年が経つ今も、開発が完了した島はごく一部にとどまっている。海外メディアが、水道も電気もない島の今を伝えている――。

国名を名付けられたリゾート人工島

2007年3月、アイルランド人の不動産開発業者ジョン・オドーラン氏は、ドバイ沖に浮かぶ人工島を約3860万ドル(現在のレートで約59億8300万円)で手に入れた。

ドバイの人工島プロジェクト「ザ・ワールド」の約300の島々のうち、「アイルランド」と名づけられたその島に、仲間3人とともにリゾートを建てるつもりだった。

だがわずか2年後、世界金融危機のあおりを受け計画は瓦解した。オドーラン氏は、アイルランド西部の自宅で自ら命を絶った。51歳だった。残されたのは、妻と3人の子どもたち。友人たちは、「一緒にいると本当に楽しい人だった」と惜しむ。

オドーラン氏が購入した島は、約22万5000平方フィート(約2万1000平方メートル)。東京ドームの半分ほどの広さがあった。中東の英字ビジネス誌のアラビアン・ビジネスによると、住宅やリゾートマンション、レストラン、商業施設を設け、ビーチやボートも楽しめるリゾートにする計画だった。

購入時、オドーラン氏は、「このプロジェクト(ザ・ワールド)のビジョンに感服した。島々は実に壮観だ」と語った。寒風吹くアイルランドの人々が太陽の下に集い、「故郷と呼べる場所」を手にするのだ、と情熱を燃やした。

1980〜90年代にアイルランド西部で有数の競売・不動産業者として財を成したオドーラン氏。しかし、金融危機後は、傘下の運営企業2社の双方に管財人が選任されるまでに追い込まれていた。その悲劇は、ドバイ沖の人工島プロジェクトが残した最も深い傷跡の一つだ。

近年、この島々にも「復活」の兆しがあるという。だが、あえて陸地から離れたインフラのない人工島をリゾート開発するビジョンに、必ずしも共感する人々ばかりではない。

砂ばかりが広がるゴーストタウン

オドーラン氏が夢を託した「アイルランド」は、ドバイ沖に浮かぶ約300の人工島のうち、実世界のアイルランドの位置に浮かぶ小島だ。

ザ・ワールドの群島はいずれも、海岸から約5キロ沖に、上空から世界地図に見えるよう配置された。英高級紙のテレグラフによると、2008年の世界金融危機で大規模開発が頓挫し、関係者の中には破産や小切手の不渡りで収監された者もいた。2011年には、ドバイの開発会社ナキール・プロパティーズの弁護士が、プロジェクトは「昏睡状態にある」と認めている。

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