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離乳食中期の子どもを育てる保護者に聞いてみると、子どもが離乳食を食べないことが気になる方が多いようです。そんな場合は、乳食中期の目安量を知りたいこともあるかもしれません。今回の記事では、離乳食中期の目安量(グラム、大さじ)や、子どもが離乳食を食べないときの工夫について体験談を交えて紹介します。
中期の離乳食事情
離乳初期から3カ月目~4か月目の離乳食中期は、食事の回数が1回から2回に増え、食べる量も少しずつ増やしていきたい時期です。この時期は、離乳食スケジュールを立てて計画的に進めることが大切です。また、個人差や月齢に応じて調整することも重要です。
離乳食中期の子どもたちの食事の様子を聞いてみました。
20代ママ
20代ママ
離乳食をあげてから授乳をするようにしているのですが、離乳食をあまり食べません。母乳はたっぷり飲むので量が足りないわけではないと思いますが、もう少し離乳食を食べてほしいです。フォローアップミルクを使うべきか迷っています。
30代ママ
食事中すぐに飽きてしまい、他のことに興味が移っているように見えます。食べるときはたくさん食べるのですが食べムラがあり、食べないときはほとんど食べないこともあります。体重の変化が気になります。
モグモグ期と呼ばれる離乳食中期は、子どもが離乳食を食べないことを気にする保護者が多いようです。どのように量を増やせばよいのか、目安や適量がわからないといった声も聞こえました。
離乳食中期の目安量・グラム数は?
離乳食中期は一回の食事でどのくらいの量を与えるとよいのでしょうか。
離乳初期の頃は「大さじ」や「小さじ」で表記されていたのに、中期になると「グラム」表記になることがあり、戸惑う保護者もいるのではないでしょうか。
厚生労働省の資料を元に食材別の目安量を「グラム」と「大さじ」で紹介します。目安量のため、実際に与える量は子どもの成長に応じて調整しましょう。
穀物類
米やパンなどの穀物類の一回あたりの食事の目安量は、全がゆで50~80グラムほどです。大さじだと3杯~5杯強程の量になります。
白米のおかゆだけでなく、パン粥やうどんなども取り入れたり、バナナ粥や白身魚をまぜたおかゆなども作ってみると、食感や風味の変化を楽しめます。
野菜類と果物
一回あたりの総量の目安のため、野菜類を10~20グラム与えたら、バナナなどの果物は10グラムにするなど調整しましょう。ほうれん草などの緑黄色野菜類も取り入れると栄養バランスが良くなります。またそれぞれの食感もしっかり味わえるように調理できるとよいでしょう。
タンパク質
タンパク質は成長発達に欠かせない栄養素であり、離乳食でも意識して取り入れる方も多いでしょう。
タンパク質が含まれた食品の目安量は以下のとおりです。
- 白身魚 10~15グラム(大さじ1杯弱~1杯)
- 肉 10~15グラム(大さじ1杯弱~1杯)
- 絹ごし豆腐 30~40グラム(大さじ2杯~3杯弱)
- 卵 1/3個(大さじ1杯強)
- チーズ 16グラム(ブロックチーズ約1ピース分)
- 牛乳・ヨーグルト 50~70グラム(3杯強~4杯半)
たとえば、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を70グラム食べたら、一回あたりの食事に必要なタンパク質の目安量は足りていることになります。魚を一口(5グラム程)しか食べなかった場合には、チーズなど他のタンパク質で補うとよさそうです。
チーズなどの加工食品はタンパク質だけでなく塩分なども含まれますので、全体のバランスには注意しましょう
離乳食中期の進め方
離乳食中期は、思うように食事量が増えていかないことがあるかもしれません。子どもが食べないとき、保護者はどのような工夫を取り入れたのでしょうか。
食べきれる量を与える
20代ママ
食べこぼしがあったり、口に入れたものを吐き出すこともあるので、どのくらいの量を作って子どもに与えたらよいかわからず困っていました。パン粥などは多めに作って少なめにお皿に取り分け、足りなければおかわりとして与え、余ったら冷凍保存して子どもの食べる量に合わせました。少量のベビーフードも活用しました。
子どもに合わせて量を調整した方もいるようです。離乳食中期の子どもは、食べたり食べなかったりする食べムラが生じることも多くあることを頭に入れておきましょう。
「スプーン1杯分は必ず摂る」など量を厳密に決めすぎず、子どもがそのときに無理なく食べきれる量を与えるとよいかもしれません。
食材のかたさを調整する
20代ママ
離乳食中期になりうらごしからみじん切りに変えたところ食べなくなったので、うらごしとみじん切りを混ぜ合わせました。にんじんなどの野菜類を粗めにつぶすと食べやすいようでした。
離乳食中期になり、食材の形状やかたさが変わったことで食べなくなる子どももいるようです。離乳食中期は舌でつぶせる豆腐くらいのかたさや食感を意識して、食材の調理法やカットの仕方、かたさを調整しましょう。子どもが食べやすいと感じ、食べる量が増えるかもしれませんね。
野菜類のうらごしなどは手間と感じることもあるかもしれませんが、離乳食の量であれば、食材によっては茶こしとスプーンで簡単にできるものもあります。
子どものペースに合わせる
20代ママ
子どもが離乳食を食べないことで、想定していた離乳食スケジュールが進ますイライラしてしまうことがありました。でも、食べないのは仕方がないと思い、子どものペースに合わせることにしました。栄養は母乳からとれていると思うと気持ちがラクになりました。
離乳食中期の子どもは離乳食より、母乳やミルクから栄養を取り入れる割合が多いようです。まだ離乳初期から移行して間もないタイミングでもあるため、無理に食べさせようとせず、子どものペースに合わせて離乳食スケジュールを進めるとよさそうです。栄養バランスが気になる場合はフォローアップミルクと併用する方法もあります。
離乳食後期に向けた準備と支援ガイド
離乳食中期から後期へと移行する際には、さらなる食材の種類や調理法の拡大が必要となります。ここでは、離乳食後期に向けた準備と支援のポイントを紹介します。
食材のバリエーションを増やす
20代ママ
中期から後期に移行する頃、娘が野菜類を食べてくれなくて困っていました。そこで、ほうれん草をペースト状にしてパン粥に混ぜたり、細かく刻んでうどんに加えたりしてみたところ、徐々に野菜類も食べるようになりました。
離乳食後期では、より多くの食材を取り入れることで栄養バランスを整えます。白身魚に加えて赤身魚も少しずつ取り入れたり、ほうれん草やにんじんなどの野菜類を増やしたりします。また、アレルギーに注意しながら、パンやうどんなど米以外の穀物類、絹ごし豆腐などで大豆なども取り入れましょう。
調理法の工夫
20代ママ
息子が食べ物をつかんで自分で食べたがるようになったので、野菜類や豆腐を小さなブロック状に切って与えてみました。最初は難しそうでしたが、すぐに上手に食べられるようになり、食事の時間が楽しくなりました。体重も少しづつ増えてきて安心しています。
食材をブロック状に切ったり、小さなかたまりにしたりして、歯ぐきでつぶせる程度の固さにします。これにより、食感の違いを楽しみながら、咀嚼力を育てることができます。
スプーンの使用を促す
20代ママ
娘にスプーンを持たせておかゆを食べさせてみたところ、最初は上手く使えずに食べこぼしばかりでした。でも、毎食少しずつ練習させていくうちに、だんだん上手になっていきました。自分でスプーンで食べられるようになると、食事の時間が楽しくなったみたいです。
自分で食べる意欲を育てるために、スプーンの使用を促してみるという声もありました。初めは大人が手を添えて支援し、徐々に一人で使えるように促していけるとよいですね。食欲と手を動かすことを結びつけると、成長発達にもつながりそうです。
ベビーフードの活用
30代ママ
仕事が忙しい日は、離乳食を手作りする時間がなくて悩んでいました。そんな時、ベビーフードを活用するようにしました。栄養バランスが考えられているので安心です。ただ、できるだけ手作りをメインにして、ベビーフードは補助的に使うようにしています。
忙しい日や外出時には、市販のベビーフードを利用するのも一つの方法です。手作りの離乳食にこだわりたい場合は、離乳食の冷凍や作りおきを活用して、補助的ベビーフードを利用するのもよいでしょう。また外出時などはベビーフードを持っていくという声も多くありました。
個人差に配慮する
30代ママ
上の子と比べて、下の娘は離乳食の進みが遅いように感じて心配でしたが、小児科の先生に相談したところ、体重の増加は順調だし、個人差があるから焦る必要はないと言われました。それからは、子どものペースに合わせて進めるようにしています。
離乳食の進め方には個人差があります。月齢や体重、成長発達の状況に応じて、無理のない範囲で進めていくことが大切です。野菜類やタンパク質を摂ってくれなくてもフォローアップミルクで栄養バランスを整えるなど、決まった離乳食スケジュールにしばられなくてもよいでしょう。
離乳食と授乳のバランス
20代ママ
離乳食の量が増えてきて、母乳の回数を減らそうか迷っていました。でも、娘はまだ母乳も欲しがるので、離乳食の後に少量の母乳を与えるようにしています。フォローアップミルクも併用して、栄養バランスを取るようにしています。
月齢に合わせて離乳初期から中期になり、これからの離乳食後期に向けて徐々に離乳食の量を増やしていきますが、授乳やミルクも重要な栄養源です。栄養バランスが気になるようであれば、フォローアップミルクを併用するのもよいでしょう。
離乳食を楽しむ環境づくりと家族の協力が、スムーズな離乳食後期への移行につながるかもしれません。離乳食スケジュールとうまくつきあいながら、赤ちゃんのペースに合わせてあせらず進めていきましょう。
支援ガイドを参照する
30代ママ
厚生労働省のウェブサイトで読める「授乳・離乳の支援ガイド」を参考にして進めています。離乳初期から疑問に思っていたことが解決できたり、さまざまな調査結果が載っているので、悩んでいるのは自分だけではないと安心できます。
厚生労働省による「授乳・離乳の支援ガイド」は、主に妊産婦や子どもに関わる保健医療従事者や自治体の担当者向けのガイドですが、離乳食や離乳中の保護者についての多様な知見や調査結果が掲載されています。ベビーフードや災害時の離乳食についても知ることができるので、一度目を通してみるのもよいかもしれません。
個人差や適切なグラム数を理解して離乳食中期を楽しもう
離乳食中期は子どもが食べないことがあり、食べる量が気になる保護者が多いようです。
食材のかたさを子どもが食べやすいように調理したり、子どもが食べきれる量を与えるとよさそうです。食材の目安量は参考程度に、子どものペースに合わせて離乳食を与えましょう。
離乳食中期は母乳やミルクからも栄養が取り入れられるため、無理に食べさせようとしないことが大切といえます。チーズや絹ごし豆腐、ほうれん草などの野菜類やバナナなどの果物なども取り入れながら、食材を増やして食べることの楽しさを子どもに伝えられるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2019年11月1日作成、2024年8月7に更新した記事になります。
※今回の記事で紹介したものは、離乳食の一例です。新しい食材をとり入れる場合は、お子様の消化機能の発達に合わせた適当な食材・調理法を選びましょう。
初期の頃は順調でしたが、中期に入った途端、食べないようになってきました。口に入れても出してしまうようになり、どのように量を増やしていけばよいのかわかりません。娘の成長発達が気になります。