生後7ヶ月の離乳食における目安量を「グラム」と「大さじ」で紹介。食べないときの対処法や進め方

生後7ヶ月の離乳食における目安量を「グラム」と「大さじ」で紹介。食べないときの対処法や進め方

保護者に聞く生後7ヶ月の離乳食中期の工夫や進め方

2019.11.03

離乳食中期の子どもを育てる保護者に聞いてみると、子どもが離乳食を食べないことが気になる方が多いようです。そんな場合は、乳食中期の目安量を知りたいこともあるかもしれません。今回の記事では、離乳食中期の目安量(グラム、大さじ)や、子どもが離乳食を食べないときの工夫について体験談を交えて紹介します。

生後7カ月の離乳食目安量をグラム・大さじで確認

離乳食中期は一回の食事でどのくらいの量を与えるとよいのでしょう。

離乳初期の頃は「大さじ」や「小さじ」で表記されていたのに、中期になると「グラム」表記になることがあり、戸惑う保護者もいるのではないでしょうか。

こども家庭庁の資料などを参考に食材別の目安量を「グラム」と「大さじ」で紹介します。目安量のため、実際に与える量は赤ちゃんの成長に応じて調節しましょう。


離乳食目安量の一覧

まずは、離乳食中期の目安量に関する一覧表を見てみましょう。

穀類

全がゆ 50~80g(大さじ3~5)

野菜・果物

20~30g(大さじ1~2)

タンパク質

(いずれか1品選んだときの目安量)

10~15g(大さじ1)

10~15g(大さじ1)

豆腐

30~40g(大さじ2~3)

卵黄1個~全卵1/3個

乳製品

50~70g

なお、一覧表に記載されている量はあくまで目安です。赤ちゃんによっては食べられないこともあるでしょう。無理強いをしないで、赤ちゃんのペースで離乳食を進めていきましょう。

以下でそれぞれ詳しくご紹介します。


穀物類

離乳食 米
Africa Studio/Shutterstock.com

おかゆやパンなどの穀物類の一回あたりの食事の目安量は、全がゆで50~80グラムほどです。大さじだと3杯~5杯強程の量になります。

白米のおかゆだけでなく、パン粥やうどんなども取り入れたり、バナナ粥や白身魚をまぜたおかゆなども作ってみると、食感や風味の変化を楽しめます。

大人用のうどんには塩分が含まれています。離乳食用のうどんを使うと塩分を抜いたり短く切るなどの処理をしないで食べさせられるようです。


野菜・果物

一回あたりの総量の目安のため、野菜類を10~20グラム与えたら、バナナなどの果物は10グラムにするなど調節しましょう。にんじんやほうれん草などの緑黄色野菜類も取り入れると栄養バランスが良くなります。またそれぞれの食感もしっかり味わえるように調理できるとよいでしょう。


タンパク質(魚・豆腐など)

タンパク質は成長発達に欠かせない栄養分であり、離乳食でも意識して取り入れる方も多いでしょう。

一覧表に記載の目安量は、タンパク質のいずれか1品の量です。たとえば、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を70グラム食べたら、一回あたりの食事に必要なタンパク質の目安量は足りていることになります。魚を一口(5グラム程)しか食べなかった場合には、チーズなど他のタンパク質で補うとよさそうです。

離乳食中期のタンパク質は、脂肪分の少ない白身魚や鶏肉などを使用しましょう。また、チーズなどの加工食品はタンパク質だけでなく塩分なども含まれますので、全体のバランスには注意しましょう。

出典:「Ⅱ離乳編」/厚生労働省
出典:「離乳食ざっくりスケジュール」/こども家庭庁
出典:「離乳食の進め方」/富士見市

離乳食中期の回数や栄養分

離乳初期から3カ月目~4か月目の離乳食中期は、食事の回数が1回から2回に増え、食べる量も少しずつ増やしていきたい時期です。この時期は、離乳食スケジュールを立てて計画的に進めることが大切です。また、個人差や月齢に応じて調節することも重要です。

この時期の離乳食は、豆腐の硬さ程度のものを舌と上あごでつぶして食べます。鉄が不足してくる時期なので、鉄を摂取できる食材を積極的に取り入れましょう。

初めて取り入れる食材は離乳食初期と同様、アレルギーなどに注意しながら離乳食用スプーンでひとさじずつあげてみましょう。

離乳食中期はまだ母乳や育児用ミルクがメインの栄養分になるので、授乳はこれまで通り行いましょう。母乳は赤ちゃんが欲しがるだけあげましょう。育児用ミルクは、メーカーによりますが1日3回程度あげましょう。

中期の離乳食事情

離乳食 
otnaydur/Shutterstock.com

離乳食中期の赤ちゃんの食事は、実際どのような様子だったのでしょうか?ママたちに聞いてみました。

20代ママ
20代ママ

初期の頃は順調でしたが、中期に入った途端、にんじんなどの野菜を食べないようになってきました。口に離乳食用スプーン入れても出してしまうようになり、どのように量を増やしていけばよいのかわかりません。娘の成長発達が気になります。

20代ママ
20代ママ

離乳食をあげてから授乳しているのですが、離乳食はあまり量を食べられないようです。母乳はたっぷり飲むので量が足りないわけではないと思いますが、もう少し離乳食を食べてほしいです。フォローアップミルクを使うべきか迷っています。

30代ママ
30代ママ

食事中すぐに飽きてしまい、他のことに興味が移っているように見えます。食べるときはたくさん食べるのですが食べムラがあり、食べないときはほとんど食べないこともあります。体重の変化が気になります。

40代ママ
40代ママ

すでに好き嫌いがあって、好きなものしか食べません。バナナやヨーグルトはよく食べますが、にんじんやほうれん草などの野菜や白身魚を食べなくなってしまいました。栄養分がちゃんととれているのか気になります。

モグモグ期と呼ばれる離乳食中期は、赤ちゃんが離乳食を食べないことを気にする保護者が多いようです。初期に食べていた食材を食べなくなったという声も聞かれました。どのように量を増やせばよいのか、目安や適量がわからないといった声も聞こえました。

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離乳食中期の進め方

離乳食中期は、思うように食事量が増えていかないことがあるかもしれません。赤ちゃんが食べないとき、保護者はどのような工夫を取り入れたのでしょうか。


食べきれる量を与える

20代ママ
20代ママ

食べこぼしがあったり、口に入れたものを吐き出すこともあるので、どのくらいの量を作って子どもに与えたらよいかわからず困っていました。パン粥などは多めに作って少なめにお皿に取り分け、足りなければおかわりとして与え、余ったら冷凍保存して子どもの食べる量に合わせました。少量のベビーフードも活用しました。

30代ママ
30代ママ

食べムラがあるため、よく食べるときとほとんど食べないことがあります。そのため少量を盛り付けて、食べ切れたらおかわりをするようにしています。また、食事が楽しく感じるよう、食べ切れたときは前向きな言葉がけをしています。

赤ちゃんに合わせて量を調節した方もいるようです。全部食べ切れたら「全部食べられたね」など、前向きな言葉がけをしているという声もありました。離乳食中期の赤ちゃんは、食べたり食べなかったりする食べムラが生じることも多くあることを頭に入れておきましょう。

「小さじ1杯分は必ず摂る」など量を厳密に決めすぎず、赤ちゃんに無理強いしないで食べきれる量を与えるとよいかもしれません。

離乳食の進み具合には個人差が大きいといわれています。アレルギーなどにも配慮して慌てないで進めていきましょう。


食材のかたさを調節する

20代ママ
20代ママ

離乳食中期になりうらごしからみじん切りに変えたところ食べなくなったので、うらごしとみじん切りを混ぜ合わせました。にんじんなどの野菜類を粗めにつぶすと食べやすいようでした。

離乳食中期になり、食材の形状やかたさが変わったことで食べなくなる子どももいるようです。離乳食中期は舌でつぶせる豆腐くらいのかたさや食感を意識して、食材の調理法やカットの仕方、かたさを調節しましょう。子どもが食べやすいと感じ、食べる量が増えるかもしれませんね。

月齢で離乳食を進めるのではなく、赤ちゃんが食べやすいかどうかで食材の硬さを調節するといいようです。野菜類のうらごしなどは手間と感じることもあるかもしれませんが、離乳食の量であれば、食材によっては茶こしとスプーンで簡単にできるものもあります。


赤ちゃんのペースに合わせる

20代ママ
20代ママ

子どもが離乳食を食べないことで、想定していた離乳食スケジュールが進まずイライラしてしまうことがありました。でも、食べないのは仕方がないと思い、子どものペースに合わせることにしました。栄養は母乳からとれていると思うと気持ちがラクになりました。

離乳食中期の赤ちゃんは離乳食より、母乳やミルクから栄養分を取り入れる割合が多いようです。まだ離乳初期から移行して間もないタイミングでもあるため、無理に食べさせようとせず、子どものペースに合わせて離乳食スケジュールを進めるとよさそうです。栄養バランスが偏らないか気になる場合はフォローアップミルクと併用する方法もあります。

離乳食後期に向けた準備と支援ガイド

離乳食中期から後期へと移行する際には、さらなる食品の種類や調理法の拡大が必要となります。ここでは、離乳食後期に向けた準備と支援のポイントを紹介します。


食材のバリエーションを増やす

20代ママ
20代ママ

中期から後期に移行する頃、娘が野菜類を食べてくれなくて困っていました。そこで、栄養が偏らないようにほうれん草をペースト状にしておかゆやパン粥に混ぜたり、細かく刻んでうどんに加えたりしてみたところ、徐々に野菜類も食べるようになりました。

離乳食後期では、より多くの食材を取り入れることで栄養バランスを整えます。白身魚に加えて赤身魚も少しずつ取り入れたり、ほうれん草やにんじんなどの野菜類を増やしたり、チーズやヨーグルトなどさまざまな乳製品を与えてみましょう。また、アレルギーに注意しながら、パンやうどんなど米以外の穀物類、絹ごし豆腐などで大豆なども取り入れましょう。


調理法の工夫

20代ママ
20代ママ

息子が食べ物をつかんで自分で食べたがるようになったので、野菜類や豆腐を小さなブロック状に切って与えてみました。最初は難しそうでしたが、すぐに上手に食べられるようになり、食事の時間が楽しくなりました。体重も少しづつ増えてきて安心しています。

離乳食後期に向けて、中期の終わりごろからは食べ物をつかんで食べさせたママもいるようです。食材をブロック状に切ったり、小さなかたまりにしたりして、歯ぐきでつぶせる程度の固さにします。これにより、食感の違いを楽しみながら、咀嚼力を育てることができます。

離乳食後期に向けて、食品だけでなく調理法のバリエーションも増やして、食事を楽しめるように工夫しましょう。


スプーンの使用を促す

20代ママ
20代ママ

娘にスプーンを持たせておかゆやヨーグルトを食べさせてみたところ、最初は上手く使えずに食べこぼしてばかりでした。でも、毎食少しずつ練習させていくうちに、だんだん上手になっていきました。自分でスプーンで食べられるようになると、食事の時間が楽しくなったみたいです。

自分で食べる意欲を育てるために、スプーンの使用を言葉がけをしてみるという声もありました。初めは大人が手を添えて支援し、徐々に一人で使えるように促していけるとよいですね。食欲と手を動かすことを結びつけると、成長発達にもつながりそうです。


ベビーフードの活用

30代ママ
30代ママ

仕事が忙しい日は、離乳食を手作りする時間がなくて悩んでいました。そんな時、ベビーフードを活用するようにしました。栄養バランスが考えられているので安心です。ただ、できるだけ手作りをメインにして、ベビーフードは補助的に使うようにしています。

忙しい日や外出時には、市販のベビーフードを利用するのも一つの方法です。離乳食にはさまざまな考え方があるので、手作りの離乳食にこだわりたい場合は、離乳食の冷凍や作りおきを活用して、補助的ベビーフードを利用するのもよいでしょう。また外出時などはベビーフードを持っていくという声も多くありました。


個人差に配慮する

30代ママ
30代ママ

上の子と比べて、下の娘は離乳食の進みが遅いように感じて心配でしたが、小児科の先生に相談したところ、体重の増加は順調だし、個人差があるから焦る必要はないと言われました。それからは、子どものペースに合わせて進めるようにしています。

離乳食の進め方には個人差があります。月齢や体重、成長発達の状況に応じて、無理のない範囲で進めていくことが大切です。野菜類やタンパク質を摂ってくれなくてもフォローアップミルクで栄養バランスが偏らないようにするなど、決まった離乳食スケジュールにしばられなくてもよいでしょう。


離乳食と授乳のバランス

20代ママ
20代ママ

離乳食の量が増えてきて、授乳の回数を減らそうか迷っていました。でも、娘はまだ母乳も欲しがるので、離乳食の後に少量の母乳を与えるようにしています。フォローアップミルクも併用して、栄養バランスを取るようにしています。

月齢に合わせて離乳初期から中期になり、これからの離乳食後期に向けて徐々に離乳食の量を増やしていきますが、授乳やミルクも重要な栄養源です。栄養バランスが気になるようであれば、フォローアップミルクを併用するのもよいでしょう。

離乳食を楽しむ環境づくりと家族の協力が、スムーズな離乳食後期への移行につながるかもしれません。離乳食スケジュールとうまくつきあいながら、赤ちゃんのペースに合わせてあせらず進めていきましょう。


支援ガイドを参照する

30代ママ
30代ママ

厚生労働省のウェブサイトで読める「授乳・離乳の支援ガイド」を参考にして進めています。離乳初期から疑問に思っていたことが解決できたり、さまざまな調査結果が載っているので、悩んでいるのは自分だけではないと安心できます。

厚生労働省による「授乳・離乳の支援ガイド」は、主に妊産婦や子どもに関わる保健医療従事者や自治体の担当者向けのガイドですが、離乳食や離乳中の保護者についての多様な考え方や調査結果が掲載されています。ベビーフードや災害時の離乳食についても知ることができるので、一度参考にしてみるのもよいかもしれません。

出典:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)/厚生労働省

個人差や適切なグラム数を理解して離乳食中期を楽しもう

赤ちゃん 食事
szefei/Shutterstock.com

今回の記事では、離乳食中期の目安量(グラム、大さじ)や、子どもが離乳食を食べないときの工夫について体験談を交えて紹介しました。

離乳食中期は豆腐の硬さ程度のものを舌と上あごでつぶして食べられるようになります。この時期は子どもが離乳食を食べないことがあり、食べる量が気になる保護者が多いようです。離乳食後期に向けて、食材や調理法などを見直してみてもいいかもしれません。

食材のかたさを子どもが食べやすいように調理したり、子どもが食べきれる量を与えるとよさそうです。離乳食の進み具合には個人差があるため、月齢による食材の目安量は参考程度に、子どものペースに合わせて慌てないで離乳食を進めていきましょう。

離乳食中期は母乳やミルクからも栄養が取り入れられるため、無理に食べさせようとしないことが大切といえます。チーズや絹ごし豆腐、ほうれん草などの野菜類やバナナなどの果物なども取り入れながら、食材を増やして食べることの楽しさを子どもに伝えられるとよいですね。

※記事内で使用している参照内容は、2019年11月1日作成、2025年2月4に更新した記事になります。

※今回の記事で紹介したものは、離乳食の一例です。新しい食材をとり入れる場合は、お子様の消化機能の発達に合わせた適切な食材・調理法を選びましょう。

2019.11.03

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