「子どもの遊び=自発的な活動」は本当か?! 『子どもの遊びを考える:「いいこと思いついた!」から見えてくること』2023年7月7日発売!
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子どもの「いいこと思いついた!」は一体何を表しているのか? 能動態でも受動態でもない「中動態」などの概念から「遊び」を考え,子どもの遊びの捉え方の新たな展望を拓く!
心理学書を中心に教育学や幼児教育・保育の専門図書を発行する株式会社北大路書房(所在地:京都市北区)は,幼児教育・保育の最新書『子どもの遊びを考える:「いいこと思いついた!」から見えてくること』を2023年07月07日(金)に発売しました。
四六判・248頁・定価2,640円(本体価格2,400円+税)・2023年7月7日発売・発行 北大路書房
・「子どもの遊び=自発的活動」は本当か?!
子どもは遊びが仕事,とよく言われるように,幼児期の子どもの発達に遊びは必要不可欠であり,子どもたちも遊ぶことで,人や世界に触れ様々な体験をすることでしょう。また,国連子どもの権利条約第31条においても「子どもの遊ぶ権利」が認められているように,遊びが子どもにとって重要であることは確かです。
子どもにとって遊びは重要ですが,道具やルールを大人がすべてを用意して与えた「受動的な遊び」は遊びとは言えないでしょう。2018年公表の「保育所保育指針解説」および「幼稚園教育要領説」では,子どもの遊びを「自発的な活動としての遊び」としており,「子どもの遊び=自発的活動」ということを前提に保育・幼児教育が考えられています。確かに子どもが楽しそうに広場を走り回ったり,自然や道具を用いて遊ぶ様子を見ていると,こどもの遊びを自発的な活動と捉えることは自然なことのように思われます。
しかし,遊びは「自発的な活動」としか言えないのでしょうか?