出産が近づき、会陰切開をすることに怖さを感じている人は少なくないでしょう。会陰切開はどのようなときに行われ、会陰切開なしで出産する人はどのような人なのでしょうか。なるべく会陰切開をしないためにできる対策法や会陰切開は保険が適応されるのかについても併せて解説します。
会陰切開なしで出産をした人が意識していたことをご紹介します。
身体を温めると血行がよくなり、筋肉が緩みます。イスの上にカイロ置いて会陰部分を温めると会陰の伸びがよくなったり、子宮口が開きやすくなるといわれています。
家の中でも靴下を重ね履きしたり、湯たんぽの使用、身体を温める根菜類の食事を積極的にとるなど身体を冷やさないようにすることが重要です。
助産師さんからいきんでよいと指示があるまではいきみを我慢し、会陰になるべく負担をかけないことが大切です。
出産が進んでくると強くいきみたくなるかもしれませんが、陣痛に合わせていきみの強さを調整することが重要です。
会陰切開をしないで出産できるのであれば、会陰切開をしたくないと思う妊婦さんは少なくないでしょう。会陰切開をしないための対策法をご紹介します。
会陰マッサージは、会陰の伸びをよくして赤ちゃんの頭が通りやすくなります。母体や赤ちゃんの痛みや体力の低下を下げます。
また、会陰切開の裂傷を防ぐことができるかもしれません。
会陰と手指を清潔にしてからコットンにオイルを垂らし、イスや踏み台などに腰をかけて両足を開きます。
会陰部分をU字に優しくなぞりながら2~3往復させます。
次に、会陰部分を円を描くようになでます。
しかし、マッサージをしていてお腹の張りや違和感を感じたら無理して続けず、中断しましょう。
専門家も以下のように言っています。
生理用のナプキンやおりものシートにオイルつきのコットンを置くと皮膚が保湿されて潤います。
寝る前につけておくと早い人は1日で効果が表れるかもしれません。
骨盤底筋とは、骨盤の下にある筋肉で子宮や膀胱、直腸を支えている筋肉です。骨盤底筋の筋力が硬くなっていると、出産時に会陰が十分に伸びず、会陰切開をすることになったり、会陰裂傷の原因になります。
膝を立てて仰向けになり、おしりをきゅっと締めると骨盤底筋が鍛えられます。
出産が近づき、会陰切開のことを知ると痛いのではないかと怖さを感じたり、なるべく会陰切開をしないで出産を終えたいと思う人は多いかもしれません。
会陰切開をしないで出産できるように日常で身体を温めることを意識したり、会陰マッサージやオイルマスク、骨盤底筋を鍛える運動などを取り入れてみるのもよいでしょう。
出産時のいきみ方を意識することも効果的かもしれません。
しかし、会陰切開をするかしないで出産するかは、お産のときになってみないと分かりません。会陰切開は赤ちゃんの安全を考えて、お産をスムーズに進めるために必要なことです。
無理に会陰切開なしで出産しようとすると、会陰裂傷を引き起こしたり、出産後に痛みが長引く、便失禁や子宮下垂などの病気になる可能性があります。
基本的には会陰切開で保険はおりませんが、出産の状況で医療行為を伴う会陰切開には保険が適応されます。
会陰切開についての知識を持って出産に臨みましょう。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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2019年06月17日
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