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鉄棒が苦手になる最初のつまづきとは?上達させるために幼児期にできること
鉄棒が苦手で体育の時間が憂鬱だった…。そんな経験のあるパパやママもいるのではないでしょうか?鉄棒が上達するコツは、小さいころから遊びとして楽しみながら練習することです。今回は「はじめての鉄棒」をテーマに、前回り下りまでを目標とした練習方法をご紹介します。
鉄棒が苦手になる最初のつまづき
筆者は出産前まで小・中学校の教師をしていて、保健体育を指導していました。その経験でわかったことなのですが、体育の授業の中では、鉄棒を含む「器械運動」の人気はあまり高くありません。
鉄棒は、多くの学校の校庭に設置されているとても身近な遊具である反面、休み時間は特定の子しか遊ばないのも特徴的だと感じていました。
体育の時間で「鉄棒カード」を導入している学校も多いようですが、
鉄棒が苦手な子は簡単な技がいくつかできる程度です。
「鉄棒カード」に、ほんの数個しか色を塗れないのですから、楽しくないという子の気持ちもわかります。
鉄棒が苦手な原因
鉄棒が苦手な子は、小さい頃に鉄棒に親しむ機会がなかった子が多いのか、自分の腕で自分の体を支えることができないようです。いろんな技が成功しないもの、
自分の体を支えられないのが原因です。
また、落下してしまったときの恐怖心から上手くできないこともあります。
一見簡単そうに見える「前回り下り」でも、支えがない空間に頭から下りていくような感覚になるため、できるまでは怖がる子も多いです。
まずは鉄棒に慣れるところから
「鉄棒」と聞くと、ついつい回ることをメージしがちですが、最初は体を支える技からスタートしましょう。お子さんが小さいうちは、練習というよりも遊びという感覚で楽しんでくださいね。
パパママが子どもと遊びながら教えることができる鉄棒の技を、いくつかご紹介します。
親子遊び(鉄棒運動の前段階)
1. 鉄棒運動の一歩前の段階として、鉄棒を使わずに親子遊びの中でぶら下がったり回ったりしてみましょう。
2. まずは一緒に手をつないでのぶら下がり。手を離してしまう危険がある子は、ここからのスタートが安心です。
3. 慣れてきたら、左右に振ったりもできます。
4. お子さんの腕を引っ張って持ち上げるときには、腕が抜けてしまわないように声をかけてあげるようにしましょう。
5. 次に、向かい合って手を繋ぎ、お子さんにパパやママの体を登らせてみましょう。
6. パパやママのお腹の近くまで登れたら、お子さんに体を蹴らせてくるりと回らせて下さい。逆上がりと同じ回り方になります。
7. 着地すると、手がねじれたような体制になるので、必ず着地したのを確認してから手を離すようにしてくださいね。
サル(ぶら下り)
1. 鉄棒につかまってぶら下がります。うんていや高鉄棒などでも同じことができます。
2. 鉄棒は「順手」で握り、逆手にならないよう注意します。
3. 高い場所で行う場合には、必ず補助をしてあげましょう。
4. 最初は手を離してしまいますが、慣れてくると15秒・20秒と長くぶら下がれるようになります。
【体験談】
筆者の2歳の娘は、これができるようになってからは、公園へ行ったときに鉄棒につかまってぶら下がって遊ぶようになりました。鉄棒を遊びの選択肢として認識してくれたようです。
ミノムシ(肘を曲げてのぶら下がり)
1. 肘と膝を曲げて鉄棒にぶら下がります。
2. 顎が鉄棒の高さにくるようにして、肘が伸びきってしまわないように我慢しましょう。
3. 小さくなってぶら下がるので、低い鉄棒でも練習できます。
4. 逆上がりで腕が伸びきってしまうお子さんにも効果的な練習方法です。
ツバメ(腹部で鉄棒に乗る)
1. 鉄棒に飛び乗り、ぐっと手首を返して体を支えます。
2. 体は1本の棒のようにまっすぐになるようにしましょう。角度は斜めをキープし、顔をしっかりあげて、遠くを見るイメージで練習します。
3. 慣れてきたら、ツバメの体制から足を振って、後ろへ飛び下りてみましょう。
4. 足を振るという動作は、難易度の高い技をするときの動きにもつながります。
コウモリ(足掛けぶら下がり)
1. 両膝を鉄棒に掛けて、逆さまにぶら下がります。
2. 初めて逆さまになる場合は、慣れるまでに恐怖心を伴う場合もあります。
3. 落下が鉄棒に対する苦手意識を作ってしまう場合もあるので、慣れるまでは補助をしてあげましょう。
4. ぶら下がったときは顎を引かずに遠くを見ることがポイントです。
慣れてきたら「前回り下り」に挑戦
「前回り下り」とは
子どもが自分で体を支えることができるようになったら「前回り下り」に挑戦してみましょう。前回り下りは、ツバメの体制から上体を前に倒して回り、そのまま下りる技です。
練習には補助が必要
とても簡単な技なのですが、何もない空間に頭から回っていくので怖いと感じる子が多いかもしれません。子どもは体を前に倒すことに恐怖心があるので、練習の時は必ず大人が補助してあげてください。
斜め前からの補助を
これまでの、鉄棒に「掴まる」「支える」動作に、さらに「まわる」という動作が加わることで、うっかり手を離してしまう子もいます。斜め前で補助してあげましょう。また、手を支えるのではなく、手首を支えてあげるようにしましょう。
鉄棒が「遊び」として楽しめるうちに
苦手な子からは敬遠されがちな鉄棒。小さいころから遊びとして親しむことが大切です。「危ないから心配」「心配だからやらせない」のではなく、安全にチャレンジできるように、親子で少しずつ鉄棒の技をマスターしていきたいですね。