【産婦人科医師監修】妊娠中の食事、カップラーメンは食べてもよい？赤ちゃんへの影響について

妊娠初期から強く現れる味覚の変化。つわりの時期はカップラーメンばかり食べたくなったというママも珍しくはないようです。しかしカップラーメンには塩分や化学調味料、脂質などが多く含まれています。それらが赤ちゃんの発育に差支えないのか不安になる方もいるでしょう。

結論からお話すると、妊娠中の食事でカップラーメンを食べてもお腹の赤ちゃんに影響はありません。

特につわりの時は、思うように食べられなくなってしまうので、まずは食べられるものを食べるのがいいでしょう。

しかし食べ方には注意が必要です。

妊娠中にカップラーメンを食べたいと感じたら、次のことに注意して食べるようにしましょう。

野菜や卵などを加える

妊娠中の食事で大切なのが栄養バランスです。

炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの５大栄養素をバランスよく摂取することが求められます。

しかしカップラーメンには、ビタミンやミネラルといった栄養はほとんど含まれていません。

食べる時は、できる限り野菜を加え栄養成分をプラスし、極力多くの栄養が取れるように心がけてください。ほうれん草や小松菜などの野菜は、ビタミンや鉄分が摂れます。卵やわかめなどの海藻類でも、タンパク質やミネラルが摂れて栄養のバランスがよくなります。

面倒な時は、カット野菜や刻みネギ、乾燥わかめなどを購入しておくといいでしょう。

スープは全部飲まない

カップラーメンのスープには塩分が多く含まれています。濃くてうまみの強いラーメンのスープ、塩分量を知りつつも飲み干してしまっていたママもいるのでは。塩分の摂りすぎは血圧の上昇やむくみの原因になり、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を引き起こす可能性があります。スープは残すようにして塩分摂取量を控えるように注意しましょう。

食べすぎない

カップラーメンはカロリーが高く、化学調味料などの食品添加物が多く含まれています。カロリーや食品添加物の摂りすぎは、体重増加や妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群を引き起こす可能性につながってしまいます。量が足りない時は野菜でかさ増しするなど工夫をしましょう。食べる頻度も週に１回など自分でルール化できると理想的ですね。

頻繁にカップラーメンを食べたくなる妊婦さんは、週に何回くらいなら食べてよいか気になりますよね。

問題なのは、塩分です。

先述したように、スープを飲まないようにするなど、塩分摂取量をうまくコントロールできていれば制限はありません。

カップラーメンばかりだと栄養がかたよるので、栄養成分を計算してバランスよく摂取する分には問題ないと考えます。

塩分が高く脂質の高いカップラーメンですが、健康を意識しながら選ぶこともできるのです。

麺はノンフライ麺を選択

カップラーメンに使われている麺には、水分を飛ばすために油で揚げているフライ麺と、熱風によって乾燥させているノンフライ麺の2種類があります。

フライ麺は油によってカロリーが増し、製造日から時間が経つとともに油が酸化するので、たくさんの量を摂ると腹痛や下痢の原因になる可能性があります。

ノンフライ麺のカップラーメンはフライ麺の商品に比べてカロリーが低いことが多く、なかには1個で200キロカロリー以下のものもあります。

ノンフライ麺であることをパッケージに表記している商品もあるので、購入するときに確認するとよいでしょう。

カロリーや塩分の量を確認する

カップラーメンのパッケージには栄養成分が表示されています。カロリー量はエネルギーの表示、塩分量はナトリウムの表示を見ると確認できますので、少しでもカロリーや塩分の少ない商品を選びましょう。

ナトリウム量から食塩相当量を導き出す計算式は「ナトリウム量×2.54＝食塩相当量」です。ナトリウム量が2.0gの商品の場合「2.0g×2.54＝5.08g」となり、約5.1gの食塩相当量を含んでいるということになります。

厚生労働省の資料によると成人女性の食塩相当量の摂取目安は、1日あたり7.0g未満が目標量とされています。麺やかやくとスープの食塩相当量を分けて表示している商品もあるので1日の目標量を超えないように選んで、スープは飲まないなど食べ方にも注意しましょう。

食品添加物の種類を確認する

カップラーメンによく使われている食品添加物のなかには、一部発がん性があるカラメル色素や、摂りすぎるとカルシウム不足につながる恐れのあるリン酸塩などがあります。

カップラーメンのパッケージには原材料名が表示されており、確認すると食品添加物の種類が多いことがわかります。それぞれの食品添加物の量については記載されていないため、種類が少なければよいというものではありませんが、注意してみるとよいでしょう。

体への影響を考えて原材料を確認し、食品添加物について事前に知ることや知識を持っておくことも大切です。

つわりによる体調不良やメンタルの不調など、ただでさえストレスの多い妊娠期。

「リン酸塩が含まれているから」「塩分量がすごいから」とカップラーメンを我慢するのではなく、野菜を追加するなど、食べる頻度を週に1回にするなど工夫をして、少しでもストレスフリーな食事を楽しみましょう！

監修：杉山太朗（田園調布オリーブレディースクリニック）

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