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製造メーカーの生産開発部、情報システム会社の開発部で長く勤務。執筆活動としては、育児サイトやITサイトへのコラム執筆や教育関連の電子書籍4冊出版など。プライベートでは4児の父。
女の子が大きくなってくると、ピアノを習わせる家が多くなります。でも、ピアノ教室と言っても本気度の違いがかなり大きいものです。ここでは、私が2人の娘にピアノを習わせて気付いた、ピアノを始めるときに必要な心構えをお伝えします。
ピアノを習ってみたい子どもは多い
特に女の子は、ピアノを習ってみたいと思うものです。親のほうもピアノを習わせたいと考える人は多くいます。ケイコとマナブの「子どもが習っている・習わせたいお稽古ランキング」によると、ピアノは毎年3位前後にランキングされています。
子どもがやりたがるため、楽譜が読めれば他の楽器に応用が利くため、音楽は情操教育に良いため、というのが人気の理由のようです。また、ピアノを弾くと指を動かすことで脳が刺激されて賢くなるとも言われています。
やさしい教室ではあまり上達しない
私の長女の三奈は、幼稚園の終わりのころからピアノを習い始めました。ちょうど幼稚園の教室を借りて優子先生(仮名)という先生がピアノを教えていたので、そこで教わることにしました。幼稚園でやっている教室なので園児が多くいます。そのためもあってか、優子先生はとてもやさしく教えてくれます。三奈もピアノを楽しく覚えることができました。
年に一度、生徒と親たちを集めて発表会が行われます。私も聴きに行きました。この教室の生徒は、幼稚園生と何年か前に卒園した小学生たちがほとんどです。
子どもたちの演奏を聴きました。「小さい子どもだから、まあこんなものか」というのが私の感想でした。弾けてはいるのですが、何年も習っているはずの子でも、ピアノを始めて1年未満の子とあまり差がありません。ピアノを楽しく弾けているからいいのですが、ちょっと物足りない感じがしました。
厳しい教室では心も鍛えられる
私の次女の四つ美も幼稚園生になり、ピアノを習わせることにしました。四つ美の友達が別の厳子先生(仮名)のピアノ教室で習っていると聞いて四つ美はママと見に行きました。すると小さい子でもかなり上手に弾いていたのです。優子先生の教室の生徒よりもレベルが高そうです。これはよさそうだということで四つ美はそこに通うことにしました。そしてついでに三奈も厳子先生の教室に移籍したのです。
厳子先生のレッスンは優子先生のレッスンと違ってハードでした。難しいことも言われるので、ママがいっしょにレッスンを受けてノートを取ります。「次回までにこれを練習してきなさい」と言われるので、家に帰ってからノートを見ながら復習します。それでもうまくできないと厳子先生に怒られてしまいます。四つ美は何度も泣かされました。
けれども、おかげさまで三奈も四つ美も上達しました。三奈は今までの習ってたのは何だったんだ、という感じで腕を上げました。四つ美も泣かされてもめげずにがんばったので、以前の三奈よりも上手になりました。
小さいうちから厳しい教室に行くと、きちんとしつけられます。言われたことをしっかり覚える。できるまで練習を繰り返す。この習慣がついてしまえば学校の勉強にもしっかり取り組めるようになります。そして泣かされてもめげない強い心もできるのです。
ピアノのコンクールってこんな感じ
厳子先生の教室では、ピアノのコンクールに出場している子も何人かいました。四つ美も厳子先生に薦められてコンクールに出ることにしました。
毎年いくつものコンクールが開催されています。多くのコンクールでは、まず県内の大会があり優秀だった子3~6割程度が次の地方大会に進みます。さらに地方大会で優秀だった子が全国大会に進みます。
多くのコンクールでは、例えば横浜大会で落選した子が翌週に東京大会にも出て勝ち残ることができる、といった敗者復活戦のような仕組みがあります。失敗してもチャンスがあるわけですね。
四つ美は何度かコンクールに出ているうちに、全国大会に進めるレベルまで上達しました。
コンクール用に追加レッスンを受けて同じ曲をずっと練習するのは辛いことです。けれどもこれも鍛練です。そして舞台で緊張せずに演奏できる度胸もつきました。
ピアノを始めるときの3つの心構え
このような長女と次女の経験から、小さい子にピアノを始めさせようというときに気をつけておきたい心構えを3つ挙げてみます。
どこまで本気で取り組むか考えよう
やさしい先生の教室でピアノを楽しく習えればいいのか、それとも厳しい先生に鍛えてもらうのか、どこまで本気でやるのかを考えておきましょう。子どもの性格や親の教育方針でも変わってくると思います。子どもにとってベストな選択を心がけましょう。
教室の下見をしておこう
お友達が通っているから、家から近いから、という理由だけでピアノ教室を選んではいけません。予想と違って甘すぎたり厳しすぎたりすると続けられなくなってしまいます。
事前に見学や体験レッスンができるところもありますので、何ヵ所か見てから決めるといいでしょう。もし機会があれば発表会を見に行くのもいいと思います。
子どものやる気を高めよう
ピアノを楽しく習うにしても厳しく習うにしても、子どものやる気を高めておくことが大事です。やる気がなければ上達しません。ピアノが上手に弾けるようになることはこんなに素敵なことなのよ、と思わせておきましょう。美しいピアニストの動画を見せたり、実際に演奏を聴かせてみたりして、ピアニストへのあこがれを持てるようにしてあげてください。子どものやる気を高めておくことが、習い事を続けて上達するためのポイントです。
おわりに
子どもにピアノを習わせることはいいことだと思います。けれども何も考えずに安易に始めてはいけません。始める前に、この3つの心構えを思い出してよく検討してみてください。あなたのお子さんのピアノレッスンが充実することを期待しています。
ライター 四児の父・あべっかん
本職はIT系のエンジニアです。息子二人と娘二人を育てながら教育関係のブログを書いています。