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【産婦人科医監修】妊娠12週目を迎えた妊婦さんと赤ちゃんの様子。食欲やつわりについて
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠12週、妊娠初期の妊婦さんや赤ちゃんの様子を医学博士である田園調布オリーブレディースクリニック院長、産婦人科医杉山太朗先生の監修のもと解説します。ママのつわりやお腹の大きさ、気になる妊娠12週目の赤ちゃんの成長とママの食事などの注意点などについてみていきます。
妊娠12週目ってこんな時期
妊娠12週目は月数でいうと妊娠4カ月で、妊娠初期といわれています。少しずつお腹の膨らみを感じ、お腹に赤ちゃんがいることを実感できる頃かもしれません。
妊娠12週目の妊婦さんの特徴
妊娠12週目に入ると、つわりが終わる人も多く、食欲が戻ったり体調が落ち着いてくる時期でもあります。
妊娠12週目、妊娠初期の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
一般的につわりが落ち着いてくる時期です。つわりがなくなると、多くの人が食欲を取り戻し体重が増加します。
しかし、つわりには個人差があるので、妊婦さんのなかにはつわりのピークを迎える人もいます。
この時期は、ホルモンバランスが安定してきて基礎体温が下がってくるので、だるさや熱っぽさがなくなってきます。お腹の赤ちゃんが大きくなっているので、膀胱が圧迫されてトイレに行く回数が増える人もいるようです。
お腹の大きさ
妊娠12週目は、子宮の大きさがグレープフルーツ1個分くらいの大きさになる時期です。そのため、お腹のふくらみが少しわかるようになってきたり、洋服がきついと感じてくる人もいるようです。
妊娠12週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
妊娠初期である妊娠12週目の赤ちゃんの身長は、6㎝程度で大人の女性の小指ほどの大きさです。
妊娠4カ月に入る12週目ごろから、お腹の赤ちゃんの様子を確認するエコー検査が経腟エコーから腹部エコーになるケースが多いようです。これは赤ちゃんの成長により、腹部エコーのほうがお腹のなかや赤ちゃんの様子を確認しやすいためです。
このころのエコー検査では赤ちゃんが羊水を飲んで排泄する排泄行動が見られることもあります。また、赤ちゃんが呼吸の練習を始めるのも妊娠12週目です。しかし、実際には呼吸ではなく、羊水を飲み込むときに横隔膜を上下させている動きが呼吸しているように見えるようです。
身体の形
妊娠12週目くらいから赤ちゃんの身体や顔はより一層人間らしくなってきます。眉毛やまつ毛などの毛が生えはじめ、なかに髪の毛が生えてくる赤ちゃんもいます。肺や鼻、口などの器官、肝臓などの消化器官なども機能しだし、透明だった皮膚に厚みがでてきます。
妊娠12週目のうちにやっておきたいこと
妊娠初期である妊娠12週目にやっておくとよいことはどのようなことがあるのでしょうか。
健診は腹部エコーに備えた服装を
腹部エコーに切り替わるこの時期には、健診時はお腹が出しやすい、上下セパレートの服装や、ワンピースでもレギンスを履くなどしたほうが無難かもしれません。健診台もベッドになる医療機関が多いので、しわになりにくい服装がよいですね。
マタニティ下着の準備
お腹の膨らみが少し分かるようになってくる妊娠12週目は、普段の下着だとお腹が出てしまいます。お腹を冷やさないためにも、マタニティショーツを用意しておくとよいでしょう。マタニティショーツは、お腹を締めつけず、お腹の冷え対策にもなるので妊娠12週までに準備しておく人が多いようです。
歯医者に行っておく
歯の治療は何度も通院し時間がかかりますよね。お腹が大きくなってくると、仰向けになって歯の治療をするのもつらくなります。お腹の赤ちゃんにレントゲン写真の影響をなるべく与えないようにするためにも、歯の健診や治療は早めに済ませておくことが大切です。
妊娠12週目の妊婦さんが注意すること
つわりも和らぎ、妊娠生活にも慣れてくる妊娠12週目ですが、食欲が増し、妊婦さんによっては外見からも妊娠がわかる時期でもあります。
妊娠12週目に妊婦さんが気をつけることを解説します。
体重の増加からの病気
妊娠12週目は食欲が増して食事の量が増え、急激に体重が増加する傾向があります。急な体重増加は妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などを引き起こす場合もあるので注意が必要です。
感染症に気をつける
妊娠中はさまざまな感染症に気をつけなければなりません。特に妊娠初期から30週までの妊婦さんを対象に、検査が義務付けられているクラミジア感染症、生ものを食べたことにより感染するリステリア菌は妊娠の経過や胎児に影響することがわかっています。
妊婦健診内で義務付けられている、クラミジア検査はもちろんのこと、普段から下着を清潔に保ち、妊娠中は生ものを食べないようにして感染症から身を守りましょう。
食生活
つわりを抜けた妊婦さんは急激な体重増加、食べ過ぎに気をつけましょう。
カルシウムやビタミン、ミネラル、鉄分など栄養バランスのよい食事を意識することが大切です。しかし、食べ物によっては摂取上限があるので、過剰摂取にも注意しましょう。
引き続きつわりのある人は、食事で無理をする必要はありません。しかし、なかには治療が必要な妊婦さんもいます。つわりは状況に応じて我慢しすぎずかかりつけ医に相談しましょう。
転倒
お腹が少しづつ膨み、足元が見えづらくなるので、転倒には十分注意しましょう。ヒールのある靴はバランスを崩して転倒する恐れがあるので、スニーカーなど安定して歩ける靴を選ぶことが大事です。
また、階段の上り下りには手すりを使うなど転ばないように工夫しましょう。
健診後も気になることがあれば受診して
妊娠12週目前後から、原則として2週に一度だった健診が、4週に一度になります。次に赤ちゃんの様子がみられるのが4週間後だと寂しく感じるママやパパもいるかもしれません。しかし、健診の間があくのは妊娠の経過が順調な証拠です。次の健診では、ぐっと人間らしくなった赤ちゃんの様子が確認できますよ。
しかし気になることがあるのに、次の健診まで我慢する、という必要はありません。つわりが重い、お腹が張る、など何か心配なことがあれば、かかりつけ医を受診しましょう。
つわりを抜けた人は食事に気をつけて
妊娠12週目は月数にすると妊娠4ヶ月に入ったところです。妊娠初期といわれ、ママのお腹も少しずつ大きくなってくる時期です。つわりや熱っぽさなどが減ってくるのが特徴です。
つわりは個人差が大きいので、一般的につわりが落ち着いてきて食欲が出てくる時期といわれる反面、この頃にピークを迎える人もいます。しかし、だんだんと落ち着いてくるので、つわりがつらい人も焦らず、落ち着くのを待ちましょう。ただし、なかには治療が必要なつわりの症状の妊婦さんもいます。あまりにひどいときは健診でなくてもかかりつけ医に相談しましょう。
つわりを抜けた人は食欲が戻ってきて、体重が急激に増えやすくなるので、バランスのよい食事と体重管理に注意が必要です。
お腹のなかの赤ちゃんは器官や臓器もできあがり、人間らしくなってくるので、目に見える成長にママやパパもエコー検査が楽しみになるでしょう。ママ自身が身体をいたわりながら妊婦生活を楽しみましょう。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。