「小学校の時期=貯金の時期」は本当? FPに聞く教育費事情と貯金計画

「小学校の時期=貯金の時期」は本当? FPに聞く教育費事情と貯金計画

2017.07.03

Profile

滝本博文

滝本博文

ファイナンシャルプランナー

株式会社アドキャスト FP事業部係長。2級FP、トータルライフコンサルタント。

子育て世代に深く関わる「教育費」はどれくらい必要なのか知りたいと思いませんか?今回は、小学校と幼稚園でかかる教育費の比較、貯蓄の考え方をファイナンシャルプランナー(FP)の滝本博文さんに聞いてみました。

教育費の割合

子育て世代のご家庭において、大きな割合を占める支出項目に「教育費」があります。この「教育費」は、親としての責任・義務でもあり、


子どものためにも削ることが出来ないお金でもあります。


保育園・幼稚園にかかる教育費は、決して安いものではありません。しかし、子育て世代の親の年齢は、ほとんどが20~30歳代。一般的には、所得に余裕がある世代ではないのが現実です。

限られた所得から、保育園・幼稚園にかかる教育費支出はもちろん、生活費も増えていく状況で、いかに毎月「貯蓄」できるかを、工夫しているご家庭も多いのではないでしょうか。

そのようななか、早く(家計が)ラクになりたいと思っている家庭も少なくないでしょう。

“子どもが小学校にあがったら、教育費は激減して、家計も多少はラクになるから少しの辛抱だよ”と先輩ママたちは言います。

実際のところ、小学校にあがったら、教育費はどのくらい必要なのでしょうか?保育園・幼稚園の教育費と比べてどのくらい差がでてくるのでしょうか?

幼稚園・小学校でかかる教育費

画像

一般的家庭では、公立・私立幼稚園(または保育園)、小学校は公立小学校という流れが一般的ですが、各ご家庭の子育て方針はもちろん、お住まいの市区町村、学校によっても異なります。

一例として、東京都にお住いの一般的ご家庭のAさん(ご主人 会社員:奥様 パート)のご家庭の教育費を伺ってみました。


<私立幼稚園(年間)> ※一人当たり


・保育費     約36万円前後
・延長保育    約15万円前後
・行事費     約 5万円前後
・その他     約 2万円前後
      ↓
年間合計        約60万円


※保育園の場合は、認可・認可外、地域や世帯所得によって差がありますが、幼稚園以上の保育料を支払っている家庭が多いと思われます。


これらの学校教育費が、公立小学校にあがると以下のように変わりました。


<公立小学校教育費(年間)> ※一人当たり


・給食費/PTA費  約60,000円
・教科書・教材費  約20,000~30,000円
・その他      約5,000円 
    ↓    
年間合計      約10万円


学校教育費としての金額は、年間で10万円ほどです。幼稚園の教育費と比べて、年間約50万円もの差がでてきます。

この差額をすべて貯蓄することができれば、小学校の6年間で単純計算すると約300万円もの貯蓄ができるということになります。

こちらの記事も読まれています

貯金計画を考える

上述のように、公立小学校にあがると学校教育費は大きく減少し、貯蓄にまわせるお金が増えてくることでしょう。

しかし、学校教育費は減少しますが、それ以外の支出が増えてくることも想定しておきたいものです。例えば、


「習い事」「学童保育」にかかってくるお金。さらに、子どもの成長に伴って食費などの「生活費」も徐々に増えてきます。


これらの支出も想定して、貯金計画を立てていきましょう。


習い事

画像

一般的な子どもの習い事費用は、月々10,000~20,000円くらいが平均的で、水泳教室、ピアノ、英会話教室、学習塾などが人気のようです。しかし、


小学校4年生くらいになると学習塾費用が増加してくる傾向がみられます。


さらに、進学・受験対策となってくると、月々20,000~30,000円ほどの学習塾月謝に加え、季節講習(夏季・春季など)は、それぞれ5~10万円/回くらいの費用が必要になってきます。


学童保育

共働き夫婦には、嬉しいサービスである「学童保育」。入所には、各種条件をクリアしなければならない所が多いですが、安心して子どもを預けることもでき、仕事にも集中できますね。

学童費用として、月々およそ10,000円前後かかります。(※)

※地域によって金額は異なります


生活費

子どもの成長に伴って食費や衣料費、参考書類などの書籍費、お小遣いなどの「生活費」も年々徐々に増えてきます。

教育費に少し余裕が出来たからと、思うままに支出してしまうと、気付いたらお金が足りないということになり得ます。

しっかりと生活費予算を決めてやりくりしていきましょう。

小学校の時期=貯金の時期

このように、子どもが保育園・幼稚園から小学校にあがると、学校教育費は減少する傾向です。


つまり、貯蓄をしやすくなる絶好の期間でもあります。


貯金といっても、きちんと計画を立てて実行しなければ、目標の金額は貯まりにくいものです。 

家計シミュレーションをしてみてください。そこから「いくら貯蓄に充てられるか?」を計算し、決めた金額は給与天引きや自動振替などを利用して、貯蓄してしまうのが賢明です。


貯金の基本は、次の通りです。
収入 - 支出 ⇒ 貯金 ×
収入 - 貯金 ⇒ 支出 〇


また、現代は、貯金の仕方やお金の増やし方など、時代の流れとともに変化してきています。

“貯金のしかた”によっては、将来手にする金額も大きく変わる場合もあります。

家計管理方法などはもちろん、これからの賢い貯蓄方法など、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも賢い方法ですね。


執筆:滝本 博文

滝本博文の記事一覧(バックナンバー)
画像

神奈川県横浜市出身。“お金”のことを気軽に・真剣に相談できる人が周囲にいないことの重大性・重要性に気付き、広告・マーケティング業界から一転、外資系生命保険会社に転職。『ライフプラン』を軸にした保険コンサルティング営業を経験・従事。トータルライフコンサルタント、ファイナンシャル・プランナー資格も取得。その経験を活かし、現在FP事務所にて、すべての人に不可欠であるテーマ「資産形成」「リスクマネジメント」を中心としたコンサルティング業務に従事。「ライフ・プランニング」をベースに、「保険」の力と「不動産」の力を組み合わせながら、お金にまつわる悩み事・不安事を、お客様と一緒に考え、一緒に解決していくお手伝いをしております。

レクチャーカテゴリの記事

天才はどう育ったのか?幼少期〜現在までの育ちを解明

天才の育て方

この連載を見る
メディアにも多数出演する現役東大生や人工知能の若手プロフェッショナル、アプリ開発やゲームクリエイターなど多方面で活躍する若手や両親へ天才のルーツや親子のコミュニケーションについてインタビュー。子どもの成長を伸ばすヒントや子育ての合間に楽しめるコンテンツです。ぜひご覧ください。
【レポート】KIDSNAアンバサダー生誕2周年記念インスタライブ

2024年3月1日に開催したKIDSNA STYLEインスタライブ。お忙しい時間帯にもかかわらず、たくさんのアンバサダーのみなさまにご参加いただき、本当にありがとうございました!参加が難しかった方も多いと思うので、インスタライブの様子を簡単にご紹介いたします。