猫背がもたらす子どもの体への影響。家庭でできる猫背の対処法

猫背がもたらす子どもの体への影響。家庭でできる猫背の対処法

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千葉直樹(上高田ちば整形外科・小児科)

千葉直樹(上高田ちば整形外科・小児科)

上高田ちば整形外科・小児科 院長/日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 ロコモアドバイスドクター/東京都身体障害認定医(肢体不自由)/日本運動器科学会

上高田ちば整形外科・小児科 院長。日本整形外科学会 整形外科専門医。 整形外科・リハビリテーション科を担当。お子様が楽しく通えて、お母様も安心のクリニック作りを目指して地域に貢献する医療に取り組んでいる。

家庭内で過ごす時間が増えた今、子どもの猫背が気になることはありませんか。猫背は子どもの体にどのような影響を及ぼすのでしょう。今回の記事では、子どもの猫背で起こる影響や受診の目安、家庭でできる対処法について解説します。

新型コロナウイルスの影響により、外に出て体を動かして遊ぶ時間に代わり、勉強やゲームなど屋内で過ごす時間が増えている現代の子どもたち。

子どもの猫背や姿勢の悪さが気になる保護者もいるのではないでしょうか。

子どもの体は大人と違い、柔らかく、長時間同じ姿勢でいると歪んだり、悪い姿勢が癖になったりするため注意が必要です。

今回は、子どもの猫背による影響や病院での受診目安、正しい姿勢を身につけるための対処法について解説します。

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猫背がもたらす子どもの体への影響

猫背や姿勢の悪さが原因となり、子どもの成長に影響を及ぼす可能性があります。どのようなトラブルがあるのでしょうか。


体の働きが悪くなる

体のさまざまな器官に大きな負担がかかる猫背。腹筋や背筋を使わない猫背姿勢は、内臓の代謝が悪くなることから、エネルギーの消費や消化が上手くできなくなり、肥満体質につながる可能性もあります。消化が悪いと、お腹の調子が悪くなることもあるでしょう。

体の働きが悪くなると、体内に老廃物がたまって、疲れやすい、だるいといった体の働きにも影響が出るため注意が必要です。

iStock.com/baona
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集中力の低下

猫背になると、姿勢が前かがみの状態が続くため、胸部が圧迫されることで呼吸が浅くなりがちです。

浅い呼吸で脳に取り込める酸素量が減ると、集中力が低下する場合があります。猫背が原因となり、子どもの学力に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

また、脳に上手く酸素が送り込めないと、自律神経が乱れてしまう場合もあります。集中力の低下に加えて、イライラしたり、怒りっぽくなってしまうこともあるでしょう。


肩こり、腰痛

猫背や姿勢の悪さが、めまい、肩こり、腰痛などのさまざまなトラブルを引き起こす場合もあるようです。

頭の重さは体重の約10%。乳児の場合は30%ほどにもなるといわれています。猫背により、頭の重心が前になると、肩甲骨と肩甲骨の間の筋肉が引っ張られ、肩こりを招きかねません。

さらに、首回りには神経がたくさん通っているため、猫背により神経が圧迫されると慢性的な頭痛の原因になることも。

また、腹筋や背筋を使わない猫背姿勢は上半身と下半身の重心にズレが生じます。腰の関節に負担がかかることから、腰痛を引き起こしやすくなってしまいます。


発達への影響

姿勢の悪さは、歯列や身長など、子どもの成長にも影響を与えてしまう可能性もあります。

背中が丸まる猫背姿勢は、肩に力が入ることで下あごの筋肉にも力が入りやすくなります。そのため、下あごが後ろに下がって噛み合わせが深くなる過蓋咬合になりやすくなってしまいます。

猫背は子どもの身長にも影響を与えることがあります。猫背の場合、骨を作る栄養素が十分に行き渡らないこともあるからです。身長は成長期をすぎるとほとんど伸びることが期待できません。育ち盛りの子どもは、特に注意が必要です。

病院での受診の目安

子どもが腰痛や関節の痛みを訴える場合は、早めに病院で受診をしましょう。腰痛や関節痛などのトラブルは、整形外科が専門になります。

子どもが立ったときに、首が前に出すぎるストレートネックや背中が丸まる猫背、肩の高さが違うといった姿勢が気になる場合は、病院で医師に相談をするとよいでしょう。

iStock.com/Catherine Main
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家庭で取り組める対処法

猫背になったり、姿勢悪くなったりしないためには、小さいうちから正しい姿勢を心がけることが大切です。家庭で取り組める猫背の治し方や対処法についてご紹介します。


正しい姿勢を確認する

子どもに姿勢を正すよう注意しても、子ども自身が正しい姿勢を知らないことで身に付きにくいことがあるかもしれません。

猫背や姿勢が悪いことがもたらす影響を説明し、鏡や画像などを使って確認すると、子どもがわかりやすいかもしれません。

正しい姿勢は、両足と指全体をしっかり地面につけて、背筋を伸ばして真っすぐ立つことです。椅子に座るときは、骨盤が倒れないように背筋を伸ばして座りましょう。子どもだけでなく親もいっしょに正しい姿勢を意識することが大切です。


運動やストレッチをする

iStock.com/vadimguzhva
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筋力を鍛えたり、のばしたりする運動やストレッチを取り入れると、体が偏って固まるのを防ぎ、猫背やなど姿勢の悪さの予防にもつながります。同じ運動を続けるよりも、バランスよく体を動かすとよいでしょう。

体幹を鍛えるトレーニングや、骨盤のゆがみを改善する体操を取り入れながら、さまざまな運動やストレッチを心がけましょう。


長時間の同じ姿勢を控える

子どもがゲームなどに熱中していると、長時間同じ姿勢で座ってしまうこともあるでしょう。その際、背中が丸まる、下を向いて座るなど姿勢が悪いと、猫背につながってしまう場合があるため注意が必要です。

時間を決めたり、時間を区切ってストレッチなどを取り入れるとよいかもしれません。夢中になると、子どもが自分自身で意識しづらいこともあるので、保護者が声をかけるなど、工夫しながら対処することが大切です。


矯正グッズを使用する

正しい姿勢を身につけることを目的としたグッズにはさまざまな種類があるようです。骨盤矯正や姿勢矯正など正しい姿勢をサポートするクッションや椅子、体に身につけるベルトや下着など、その種類はさまざま。子どもの年齢や身長にあったものを選びましょう。

誤った使い方をすると余計に姿勢が悪くなる場合もあるため注意が必要です。説明書をしっかり確認して医師に相談のうえ、正しい使用を心がけましょう。

正しい姿勢が身につくようサポートしよう

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子どもの猫背や姿勢の悪さは、体のさまざまな器官の働きが悪くなったり、呼吸が浅くなって集中力が低下したりとさまざまなトラブルを起こす可能性があります。

子どもが腰痛や首の痛みを訴える場合や、猫背姿勢が気になるときは、早めに病院に行き医師に相談をしましょう。

長時間の同じ姿勢や、猫背姿勢がくせになると、子どもの成長や日常生活に影響を及ぼす場合があるため注意が必要です。適度な運動やストレッチなどを取り入れながら、親子で正しい姿勢が身につくようサポートすることが大切です。


監修:千葉直樹(上高田ちば整形外科・小児科)

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上高田ちば整形外科・小児科 院長。日本整形外科学会 整形外科専門医。 整形外科・リハビリテーション科を担当。お子様が楽しく通えて、お母様も安心のクリニック作りを目指して地域に貢献する医療に取り組んでいる。

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