【小児科医監修】おねしょは予防できる?おねしょを治す方法と薬について

【小児科医監修】おねしょは予防できる?おねしょを治す方法と薬について

2019.12.27

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 地域総合小児医療認定医/日本アレルギー学会/日本感染症学会

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

子どものおねしょが治らないと悩んでいるママもいるかもしれません。子どものおねしょが改善されないときは「夜尿症」の可能性があります。おねしょを治す方法や改善する治療薬や漢方はあるのでしょうか。夜尿症で病院を受診する目安やおねしょトレーニングの方法について詳しく解説します。

子どものおねしょ

子どものおねしょは、成長とともに自然と治まるものです。

小さな子どもがおねしょをする原因は、夜間のおしっこの量をコントロールするために必要な抗利尿ホルモンの分泌リズムが整っていないことや膀胱の大きさ、眠りの質やリズム、ストレスなどと考えられています。

子どもが2~5歳頃までのおねしょは、体の機能が発達するにつれ治っていくケースがほとんどなので、心配せず見守ってよいでしょう。

ですが、子どもが小学校入学前後の6歳をすぎても頻繁におねしょを繰り返す場合は「夜尿症」の可能性があります。

夜尿症について

おねしょ
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夜尿症とは、5歳以降でも月1回以上のおねしょが3カ月以上続くことと定義されています。

子どもの「おねしょ」と「夜尿症」の違いは年齢です。小さな子どものおねしょは成長するにつれなくなっていきますが、5歳をすぎてもおねしょがなくならない場合「夜尿症」ということになります。


夜尿症の原因

子どもの夜尿症は以下のような原因が考えられます。


抗利尿ホルモンの分泌に異常がある

おしっこの量をコントロールする作用がある抗利尿ホルモンの分泌量やリズムに異常がある場合、寝ている間におしっこが漏れる原因となります。

抗利尿ホルモンの分泌量が不足すると、寝ている間に作られるおしっこの量が多くなり、朝まで膀胱におしっこを溜められず、寝ている間におしっこが漏れてしまいます。


膀胱機能の発達に異常がある

膀胱が小さかったり、おしっこが溜まると膀胱が過敏に収縮する、膀胱の壁が硬くおしっこを溜める力が弱いなど、膀胱機能の発達に異常がある場合、夜尿症の原因となります。

子どものおねしょが治らない原因は、ホルモン分泌の異常や膀胱の大きさ、冷え性や緊張性のストレス、便秘などが複合的に影響します。


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おねしょの予防

子どもが小学校入学前後の5~6歳頃におねしょを頻繁に繰り返す場合は、まずは生活習慣の見直しを行い、おねしょを防止・予防する対策を始めましょう。家庭で取り組める方法をご紹介します。


規則正しい生活をする

おねしょは寝不足や眠りの浅さが原因となることもあります。睡眠時間がしっかりとれるように規則正しい生活を心掛けましょう。早寝、早起きがおねしょ予防に繋がることもあります。


便秘に気をつける

腸にたくさんの便があると膀胱を圧迫するためおねしょの原因になりやすいです。食物繊維が豊富な野菜や果物などを積極的に取り入れ、バランスよい食生活を心掛けましょう。


夕方以降の水分を控える

お昼までに水分を多めに摂り、夕方以降はコップ1杯程度にしましょう。冷たい飲み物は必要以上に飲みすぎてしまうこともあるので、夕方以降は常温や温かい飲み物を与えてください。


体を冷やさない

おねしょは、体の冷えが原因になることがあります。寝る前に入浴し体を温めたり、温かい恰好をする、寝室の室温を下げすぎないなど体の冷えを防止する対策をとりましょう。冷え性を治すとおねしょがなくなることもあります。


寝る前にトイレに行く習慣をつける

トイレ
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おねしょをしないためには、寝る前にしっかり排せつすることが大事です。寝る前にトイレに行く習慣が身につくように声掛けしましょう。

夜中に寝ている子どもを起こしておしっこをさせると抗利尿ホルモンの分泌量が減り、おねしょの原因となることがあります。

おねしょ対策は、叱ったり、無理に起こしたり、焦らせたりせず、子どものペースに合わせて進めることが大切です。

おねしょをしなかったときに言葉にしてほめるのもよいでしょう。

おねしょで病院を受診する目安

1~2カ月程度、家庭で生活習慣の改善に取り組み、症状の改善が見られないときは、病院を受診しましょう。

おねしょをしてしまうことに子どもが悩んでいるときは、年齢や程度に関わらず1度かかりつけの小児科医に相談することをおすすめします。

夜尿症の治療

夜尿症の治療法は、内服薬による薬物療法とアラーム療法の2種類があります。


薬物療法

夜尿症の治療には、おしっこの量を少なくする作用がある抗利尿ホルモン薬、膀胱機能を安定させる作用がある抗コリン薬などの内服薬が処方されることが多いです。

年齢や症状に応じて、使用期間や量が異なり2種類の薬を併用したり、使い分けたりします。また病院によっては、漢方薬が処方されることもあります。


アラーム療法

夜尿症のアラーム治療は、パンツに水分を感知するアラームを取り付け、音や振動でおねしょを本人に気づかせ、寝ている間に溜められるおしっこの量を増やし、おねしょの回数を減らしていく方法です。

小学校入学前におねしょを治そう

小学校
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夜尿症は、家庭での生活改善で治ることもありますし、薬やアラーム治療で治す場合もあります。

夜尿症の原因は、科学的にすべて解明されているわけではありませんが、ママのしつけや育て方、子どもの性格が影響するわけではなく、ホルモンバランスの異常や膀胱機能の未熟さなどの原因が多いです。

おねしょが続くと子どもの自信がなくなってしまうかもしれません。5歳~6歳をすぎてもおねしょがなくならない場合は、できるだけ早く治療を開始するのが望ましいです。

生活習慣を見直し、数週間で改善がないようなら、小児科で相談することをおすすめします。


監修:金髙太一(おひさまクリニック 院長)

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

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