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子どもの嘔吐下痢…お医者さんが伝授する「経口補水液」の作り方
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内科医
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内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中。
嘔吐下痢症。吐いて、下痢になって、家族にも感染して、……もう大変!そんな嘔吐下痢症になったときの上手な水分補給や療養のポイントを現役のお医者さんがお伝えします。
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中
嘔吐下痢症って、どんな病気?
嘔吐下痢症とは、腸管がウイルスに感染する病気のことです。いつもは食べ物を消化し、水分や栄養を吸収してくれる腸管が、ウイルスのせいで上手に働かなくなって、吐いたり下痢したりします。
ウイルスにはノロウイルス、ロタウイルスなどの種類があります。
嘔吐下痢症になったら、どうすればいい?
嘔吐下痢症に特効薬(原因になっているウイルスをやっつける薬)はありません。病院で処方するのは、整腸剤などですが、これは症状を少し和らげるだけの「対症療法」であり、特効薬ではありません。
基本的には
・しっかり水分をとって
・ゆっくり休養する
ことで改善します。
私の外来では、「嘔吐下痢の特効薬はありません。【吐いたもの・下痢した便】の中にウイルスがいますので、出すだけ出し切ってしまって、その分、水分を補給しましょう」と説明しています。
嘔吐下痢のときの水分補給で気をつけること
しかし、嘔吐が激しいときには、水分を取れない、あるいは飲んでもすぐに吐いてしまう、ということがあるでしょう。
しかし「数時間ずっと吐き続ける」ということは稀(まれ)で、吐く合間に水分を取れる時間があることが多いです。そのタイミングで、少しずつでも水分を取っていきましょう。
どんなものを飲めばいいの?
嘔吐・下痢のときには、ただの「水」を吐いたり出したりしているだけではなく、体内の「ナトリウム」「カリウム」などの大切な「電解質」も一緒に出ていってしまっています。 だから、「電解質」の入った飲み物を飲んで頂くようお勧めしています。
ちょうど良い量の「電解質」の入った飲料を、「経口補水液(けいこうほすいえき)」と呼んでいます。この「経口補水液」、「OS-1」という名前で薬局などで販売されており、使ったことのある方もおられるのではないでしょうか?
実は自分で作れる「経口補水液」!
でも、いざと言う時に買いに行くのは大変ですよね。実は、この「経口補水液」、自分でも簡単に作れるんです。
経口補水液の作り方
材料
・水 1リットル
・砂糖 大さじ4と1/2杯
・食塩 小さじ1/2杯
・レモンなど、果物の搾り汁を少し
困ったときの検索キーワード!「嘔吐下痢 水分 家で作る」
私の外来では、嘔吐下痢症の説明と一緒に、レシピを印刷してお渡ししています。(患者さんやご家族は、症状のことでいっぱいいっぱいで、口頭でご説明してもなかなか伝わらないので。)
このレシピをメモして頂いておいてもいいですし、いざというとき「経口補水液」という名前が思い出せなければ「嘔吐下痢 水分 家で作る」などと検索していただければたどり着けると思います。また、嘔吐下痢だけでなく、熱中症の時にも推奨されています。
「経口補水液」、アフリカでたくさんの命を救っていた
この「経口補水液」、実はアフリカなど発展途上国で、「命を救う水」として活躍している水でもあります。
点滴の行えない国では、コレラなどの猛烈な嘔吐下痢となる病気で命を落とす人がたくさんいましたが、この簡単なレシピの「経口補水液」で、脱水から回復し、命を取り留めてきました。
簡単に作れますが、本当に役立つ「究極のレシピ」と呼べるかもしれません。
それでも飲めない場合は?
どうしても飲めず、脱水症状がひどい場合には、点滴をします。
・尿の量や回数が減る
・口の中がカラカラに乾燥する
・ぼーっとして反応がおかしい
などの場合は、速やかにかかりつけの医療機関にご連絡ください。
水分と休養が大事
嘔吐下痢症になったら、電解質の含まれる水分を取りながら、ゆっくりと休養しましょう。電解質がバランスよく入った「経口補水液」は市販のものもありますが、ご家庭でも作れます。
とりあえず「自分で作れる!」ということを覚えておいて、必要な時にはレシピを確認して作ってみてください。
参考サイト
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中