3歳から九九、5歳からサイン・コサイン…高学歴親の“異常な早期教育”がとんでもない結果をもたらす理由【2023上半期BEST5】
Profile
「うちは二次関数でつまずいた」と語る5歳児の母親も
2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。教育・子育て部門の第3位は――。(初公開日:2023年3月4日)
勉強や習い事は何歳から始めればいいのか。早く始めるほど効果が出るのか。『高学歴親という病』(講談社+α新書)の著者で、文教大学教授の成田奈緒子さんは「過度な早期教育は、子供の成長に悪影響を及ぼす。親同士で張り合ってはいけない」という――。(第3回/全3回)
「うちは二次関数でもうダメよ」
――書籍の中では、5歳の子どもにサイン・コサインを習わせている親御さんがいるというお話もインパクトがありました。
【成田奈緒子】3歳の子どもに九九を教える幼稚園の話でのお話ですね。さらに私が驚いたのは、もう一人の親御さんが「うちは二次関数で、もうダメよ」と言ったことです。
――信じがたい光景ですね……。
【成田】疑いたくなるのももっともですが、現実です。私に言わせれば、5歳のサイン・コサインも二次関数も3歳の九九も、内容を理解せずに暗記しているだけなので、ほとんど意味がありません。
早期教育に精を出す高学歴親の方々が「子どもは可能性のかたまりだ」と考えている点には、私も同意します。でも、その方法が間違っていることに気付いてほしいと思います。