共働きの子育てを乗り切るためにできること。負担を減らす方法や大変な時期について

共働きの子育てを乗り切るためにできること。負担を減らす方法や大変な時期について

子を持つ共働き夫婦がチームで取り組む一大プロジェクトと言えば「子育て」でしょう。仕事と育児の両立には不安や苦労がつきもの。しかし事前に計画や心の準備をしておくことで、対策がとれるかもしれません。今回は、大変と言われる時期を子どもの年齢別に紹介し、それを乗り切る方法を考えます。

【共働きの子育て】大変な時期とは

共働きの子育てにおいて、大変と言われる子どもの年齢と時期について考えます。

職場や働き方、環境によって「大変さ」の度合いは異なりますが、事前にイメージしておくことで備えることができるかもしれません。


1歳・2歳

育児休業期間の終了を見越して保育園の入園に向けた保活を行なう時期、そして入園後の職場復帰を果たすのがこの年齢です。

育児休暇は子が1歳になるまでが原則ですが、保育園に入れないなど例外的に1歳6カ月から最長2歳まで延長することができます。そのため人によって復帰時期は異なります。

いずれにしても、保活から入園を果たした後も、職場復帰と兼ね合いながらの慣らし保育、時短勤務のオペレーションなど、最初のうちは親子それぞれが大変な時期と言えるかもしれません。


3歳

0歳から保育園に入園していても、2歳までの限定保育を行なう園である場合は、3歳から転園するための保活を行なう必要があります。

また、家庭によっては2歳まで保育園、3歳以降は幼稚園や認定こども園などへの転園を選択するということもあるようです。

子どもにとっては、環境が変わることでメンタルが不安定になるケースもあるでしょう。親側の注意深く慎重なケアが必要かもしれません。


小学校入学

共働き家庭の鬼門と言われる、いわゆる「小1の壁」がこの時期にあたります。ここを乗り越えられず働き方の見直しや退職・転職に踏み切る人もいるようです。

理由としては、これまで19時・20時など夜の遅い時間まで預かってもらえ、場合によって夕食まで済ませることができた保育園の頃からは環境が大きく変わることが挙げられます。

1年生のうちは、比較的学童保育に入りやすいですが、閉所時間が早いことや日曜・祝日の利用不可といった待遇の変化、また小学校では登校時間が決まっていることで、出勤時間との兼ね合いに頭を悩ます保護者も。

ほかにも、子どもが学校生活や学童保育になじめない、宿題や学習準備など勉強面でのケアも園児の頃とは異なる大変さがあると感じるでしょう。

平日の保護者会やPTA、参観など学校行事の多さに大変さを感じることもあるようです。


小学4年生

小1の壁を乗り越えると、次に待っているのは「小4の壁」と言われる時期です。ほとんどの学童保育に4年生から入れなくなることからこう呼ばれるようです。

日常的には、放課後は1人・兄弟姉妹との留守番が主となるため、鍵の管理やセキュリティ面、習い事の見直しやおやつへの対応などの環境を整えなくてはいけないようです。

子どもが成長して親が帰宅するまでの留守番ができるようになっても、春・夏・冬の長期休暇がネックになる家庭も多いよう。

夫婦で交代しながら有給休暇を消費したり、祖父母宅に頼ったりすることも増えるかもしれません。休暇期間のみ民間学童を利用したり、国内外への短期留学プログラムなどを利用したりする家庭も。

また子どもが中学受験をする場合は、塾や志望校選定についてこの時期に本腰を入れる家庭も多く、悩ましいことが多い時期と言えます。

【共働きの子育て】負担を減らす方法

画像
iStock.com/Yagi-Studio

共働きなら、子どもが生まれれば泣いても笑っても仕事と育児の両立は遂行しなければなりません。子どもの育てやすさに多少の差はあれど、夫婦のチームプレーは必須と言えるでしょう。

ここでは、共働きの子育てにおける負担を減らす方法を紹介します。

家事代行やベビーシッターを利用

アウトソーシングすることで、家事の負担を減らすことができます。

もちろん、夫婦で分担できる部分は相談・協力しながら、負担が過度にかかりそうな部分については思い切って外注することも視野に入れましょう。

ネットスーパーや食材の定期宅配、日用品などは通信販売の定期便などを活用し、買い物の効率化を図ることもできるでしょう。

その分を子どもとの時間や夫婦の時間に充てると、親子の精神面においてもよいかもしれません。



祖父母(親)へサポートを頼む

祖父母が近居で環境・体力的にも問題がない、また関係性においても良好な場合は、可能な限り頼るのも共働き育児の処世術と言えるかもしれません。

もし遠方だった場合でも、夏休みなど長期休暇に子どもを預かってもらうことで、夫婦・子どもの負担を減らせるだけでなく、遠方に住む両親への親孝行になることも。

日頃からできるだけ双方の両親と良好な関係を築いておくに越したことはないでしょう。

時短家電を活用

共働き家庭が増えるにつれてニーズが高まったこともあり、さまざまな便利家電が登場しています。食洗器、乾燥機つき全自動洗濯機、ロボット掃除機などは、もはや子育て中の共働き家庭では「三種の神器」と呼んでもよいかもしれません。

ほかにも、電気調理鍋や無水調理器、小型の多機能ホットプレート、電子レンジ用スチーマーなどの家電も時短調理に人気です。

スマートスピーカーを活用して、家事のちょっとしたストレスを軽減している家庭も多いようです。

こちらの記事も読まれています

【共働きの子育て】夫婦で話し合うこと

共働きの子育てで課題になるのは、夫婦としてのライフプラン、各自のキャリアプラン、そして子育ての方針や方向性ではないでしょうか。

できるだけ夫婦間で必要なコミュニケーションを取りあいながら、連係プレーでチームを動かせるようになれるとよいですね。


家事・育児の分担

考え方や相性による部分もありますが、事前にしっかり分担を決めておくことがトラブルにならない秘訣と言えるかもしれません。

分担する際は、苦手なことを相手に押しつけるのではなく、お互いがより得意なことをできるだけ偏らないように請け負う意識で。お互いにどうしても苦手なことは思い切って外注するのもよいでしょう。

分担方法は、「料理」「掃除」など作業内容で分けるパターンと、仕事の状況や働き方に応じて「朝の保育園送りは夫、夕方のお迎えは妻」のように時間と作業で分けるパターンがあります。

また「月曜・火曜・金曜は在宅勤務の妻が夕食担当、それ以外は夫」のように曜日で分けるなどもできるでしょう。

共有カレンダーを更新できるアプリなどを使って、お互いの予定や子どもの予定を把握しておくことも大事です。


育児方針のすりあわせ

子どもに対する教育や生活スタイル、遊びや食事などの方針をお互いにすり合わせておくと、どちらか片方が子どもの世話をする際に起きがちな、すれ違いやトラブル回避にもつながります。

たとえば、テレビやゲームの時間はどれくらいか、食事面でたまにジャンクフードを食べさせるのは是か非か、おやつに食べさせたくないものは何か、習い事の送り迎えや付き添いについてなど。

片方が些細なことと考えていても、パートナーは重要な問題と捉えていることもあるでしょう。事前にすり合わせしておけば、子どもをはさんで言い合うことを避けられるかもしれません。

考えが合わない部分があれば、お互いの言い分を検討しつつ落としどころを探しましょう。



ストレス解消・趣味の時間

お互いがストレスをため込まないように、休みや趣味の時間を交代で取りあうようにすることも、軽視されがちですが非常に大切です。

子どもが小さいうちは、どうしても子どもや家族の時間が優先となってしまうのは仕方がありませんが、仕事・家事・子育てのみではストレスがたまることもあるでしょう。

月1~2回はそれぞれが交代で趣味や交際の時間にあてる、年に数回でも夫婦だけの外食をするなど、あまり縛りすぎない程度にルールを決めてみるのはいかがでしょうか。

相手への思いやりを持ちながら、お互いの時間を尊重できる空気を作れるとよいかもしれません。

共働きの子育ては千差万別。夫婦の協力が一番の解決法

共働きしながらの子育ては大変ですが、共働き世帯の増加にともなって、少しずつ暮らしやすい社会気運やシステムの変化が起きていることもないとは言えないでしょう。

夫婦であってもパートナー関係であっても、男女問わず働くこと、家庭を運営すること、また子どもを育てることはいずれも意識次第で苦労にも楽しみにもなりえます。

子育ての大変さは一生続くわけではないという意識で、家族で協力しながら、今できる共働きの子育てを思う存分楽しめるとよいですね。

2024.02.21

仕事カテゴリの記事

ショート動画

<学校では教えてくれない>政治、経済、宗教…子どもにどう伝えますか?

学校では教えてくれない

この連載を見る

子どもをとりまく環境が急激に変化し、多様化が進む未来に向け、これまで学校教育では深く取り扱われなかったジャンルに焦点を当て多方面で活躍する人々にインタビュー。言葉は知っているけど子どもにどう伝えたらいいか?と悩むママに向け、専門家や当事者の話を通して、正しい知識や子どもとの接し方などを発信していきます。
夫婦2人で全部は無理?「子育て・家事・仕事」現代子育てに素敵な選択肢を

共働き家庭が増加している昨今、夫婦ともに実家が遠いと、どうしてもシッターが必要になることもあるのではないでしょうか。今回の記事では、共働き家庭のママが有資格者のみが登録できるKIDSNAシッターのサービスをはじめて利用した様子をレポートします。