学校では教えてくれない
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子どもをとりまく環境が急激に変化し、多様化が進む未来に向け、これまで学校教育では深く取り扱われなかったジャンルに焦点を当て多方面で活躍する人々にインタビュー。言葉は知っているけど子どもにどう伝えたらいいか?と悩むママに向け、専門家や当事者の話を通して、正しい知識や子どもとの接し方などを発信していきます。
2021.07.20
読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。今回は丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が、生理にまつわるお悩みに答えます。
相談者さんは、3人目の出産後、生理前の貧血に悩んでいるとのこと。
実は貧血には2種類あって、突然めまいのような症状が起き、ふらっとしたりする、いわゆる脳貧血のような状態を「貧血」と考えている人も多いのですが、これは脳の酸素不足によるもので、実際は採血して血液成分が薄い場合を貧血と呼んでいます。
こうした誤解があるため、自己診断で貧血だと思っている方のほとんどが、めまい、ふらつきなどの脳貧血であることが多いのです。
生理で大量に出血した場合、一時的に貧血になることもありますが、生理前に貧血になることはあまりないので、一度かかりつけ医で検査してみてはいかがでしょうか。
そして、出産による体質の変化について。
出産で体質や生理の重さが変わるのはよくある話ですが、基本的には出産を経ると生理は軽くなることのほうが多いです(もちろん、そうではない人もいます)。
現代女性は初潮が早まり、出産回数も昔ほど多くないため、100年前と比べると生涯経験する生理の回数が約9倍にまで増えているといわれています。生理の回数が増えることで、毎月妊娠の準備をしては妊娠が成立せず排卵する、ということをくり返すため、子宮や卵巣に大きな負担がかかります。これが、生理痛などのトラブルや子宮内膜症などの病気が増えた原因です。
だから、妊娠することで生理を長期間お休みする、つまり生理の回数が少なくなることで、産後の生理が軽くなったり、体質が変わるということが起きるのです。
こうした前提をもとに考えると、相談者さんは現在、3人目を出産した後の生理前の不調に悩み、同時に、4人目の妊娠を考えているとのことですので、今のつらい状態を長引かせるより、早めに妊活をスタートして、出産後に対策をおこなうのが良いかと思います。
もしも、今すぐに4人目をということでないのであれば、低用量ピルやミレーナで生理を軽くすることで症状も軽減することはできます。これらは毎月生理のたびに起こる排卵を止め、子宮や卵巣の負担を軽減するもの。もちろん、妊活をスタートしたくなったタイミングで低用量ピルの服用をやめたり、ミレーナを取り外すことで妊娠も可能です。
ちなみに、低用量ピルとミレーナ以外の方法で自分の努力で生理にまつわる不調やトラブルを改善するという方法は、残念ながらあまりうまくいかないというのが私の意見です。
「漢方療法をしたり子宮を温めることで生理が軽くなる」という言説もあり、自力で治せるものと思っている方もいらっしゃいますが、医学的な立場からはおすすめはしません。生理にまつわる不調やトラブルは、子宮や卵巣に病気が隠れていることもありますので、まずは我慢せず受診してくださいね。
相談者さんは特に、幼い子どもが3人もいて、生活習慣のコントロールは難しいはず。できる範囲で、無理のないように過ごしていただければと思います。
Profile
2021.07.20
出産を経る度に生理が重くなったり軽くなったりしているように感じるのですが、出産によって体質が変わることはよくあることなのでしょうか?
1人目、2人目までは生理がラクだったのですが、3人目を出産してからかなり重くなりました。
今は、小さな子ども3人の育児でバタバタの日々で、生理前の貧血がひどく悩んでいます。できれば4人目がほしいなと考えていますが、さらに生理がひどくなるかもしれないと考えると躊躇してしまいます。
今から体質改善をすることができるのか、もしくは4人目の妊娠を目指すにあたって対策できることがあれば教えてください。