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【産婦人科医監修】妊娠15週目(妊娠4カ月)のお腹の赤ちゃんの様子
つわりや胎動、赤ちゃんの大きさなど
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠週数15週目は、胎盤が完成し、エコー検査をすると活発な赤ちゃんの動きが見られる時期です。医学博士の産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長、杉山太朗先生監修のもと、妊娠初期、最終週の15週目のママの身体のトラブルや注意点、おなかの赤ちゃんの様子を解説します。
妊娠週数15週目とはどんな時期?
妊娠15週は妊娠月数でいうと、妊娠4カ月の4週目で、妊娠初期の最終週です。つわりがおさまる人が多い時期です。
妊娠15週目の妊婦さんの特徴
妊娠週数15週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
妊娠15週目のこの時期は、つわりがおさまる妊婦さんもいれば、まだ続いている人もいます。胎盤が完成するので、栄養や酸素が胎盤から運ばれるようになり、吐き気などのつわりの症状が少なくなるようです。
ホルモンの状態が安定してきて、基礎体温が下がり、だるさや眠気、熱っぽさは落ち着いてきます。膀胱への圧迫も減るので、頻尿の症状が改善したと感じる人もいるようです。
一方で、血液量の増加によって、足やかかと、手などにむくみを感じたり、子宮とお腹が大きくなるため身体を支えるのに腰痛などの症状を訴える妊婦さんもいます。また子宮を支えているじん帯に負担がかかるため、足の付け根に痛みが出る場合があります。
お腹の大きさ
子宮は、幼児の頭ぐらいで、グレープフルーツくらいの大きさになってきています。妊娠週数15週目の子宮は、骨盤の上の方に位置し、洋服の上からでもお腹の膨らみが分かるようになります。
妊娠15週目の妊婦さんの身体
妊娠週数15週になると、胎盤が完成し赤ちゃんとママがへその緒でしっかりつながります。
また、お腹のなかの赤ちゃんの髪の毛を育てるホルモンが母体にも作用して、ママの髪の毛が抜けたり、体毛が濃くなったりすることがあります。
妊娠15週目の赤ちゃん
胎盤が完成する妊娠週数15週には、赤ちゃんはどんどん大きくなって、反射行動などのしぐさをするようになります。詳しく見ていきましょう。
大きさや胎内での様子
この時期の赤ちゃんは手足の動きが活発になり、超音波(エコー)検査でも、赤ちゃんの手足を動かす様子がみられることがあります。
透明だった皮膚は不透明になり、厚みが出てきます。髪の毛が生え始め、身体全体に産毛が生えてきます。この産毛は赤ちゃんの皮膚を羊水から守るためのもので、出産前後になくなります。
妊娠15週になると、指を舐めたり、吸いつく「吸啜(きゅうてつ)反射」や、唇やその周りに物が触れたときに赤ちゃんが顔をその方向に向ける「探索反射」、羊水や母乳を飲み込む「嚥下(えんげ)反射」を行うようになります。
身体の形
妊娠15週の赤ちゃんの身長は、11㎝程度です。重さはキウイ1個分程度です。
妊娠15週目のうちにやっておきたいこと
むくみ対策
妊娠中は血液量が増えたり、運動不足によってむくみを感じやすくなったり、子宮が大きくなるため、お腹の張りを感じる人が増えるようです。栄養バランスのとれた食事を心がけ、塩分を摂りすぎないようにしたり、水分を意識して摂るようにするとよいでしょう。
また、簡単なストレッチや体操、ウォーキングなどでむくみを解消したり、足元にクッションなどを置いて足を高くして寝るのも効果的です。
妊娠線のケア
お腹の張りを感じやすい妊娠15週目は、肌表面の張りが妊娠線となってあらわれることがあります。お風呂上りや皮膚が乾燥しているときなど、妊娠線専用のクリームやローションで毎日ケアすることが大切です。
3D、4Dエコーに適した時期
3D、4Dエコーは一般的な2Ⅾエコー検査に比べて、お腹の赤ちゃんの様子をよりリアルにはっきりと見ることができます。この3D、4Dエコーで赤ちゃんの全身を見る場合には、妊娠週数にして15週から20週が適しているといわれています。
3D、4Dエコー検査は設備がある病院が限られていたり、2Dエコーよりも検査代が高かったりするため、3D、4Dエコーを検討している人は、通院中の病院で行っているか確認をしたり、行っていない場合は3D、4Dエコーを取り入れている病院を紹介してもらうなどするとよいでしょう。
産休、育休について調べる
出産の前の産休は、労働基準法で予定日前の6週間取得することができます。
育休は、基本「子どもが1歳に達するまで」の1年間取得することができます。
まだ先のことのように感じるかもしれませんが、妊娠15週頃になったら、必要な書類や手続きについて調べておくと、実際に産休、育休の取得がスムーズにいくでしょう。
妊娠15週目の妊婦さんが注意すること
体重増加のコントロール
つわりの症状がなくなると、食欲が増して体重が増加することがあります。脂肪は産道にもつくので、脂肪がつきすぎると出産が大変になったり、妊娠経過に影響がでる可能性があるため、注意が必要です。食べる量や栄養バランスを意識しましょう。
お腹の張り対策
赤ちゃんが成長し子宮が伸びることで、下腹部痛やお腹の張りを感じることがあります。便秘やガスがたまっていてもお腹の張りを感じることがありますが、お腹の張りを感じたら無理をせず、休憩をとって安静に過ごすことが大事です。
痛みや違和感を繰り返し感じたり、休んでもおさまらない場合は受診しましょう。
ストレスの解消を心がける
妊娠15週ごろになると、へその緒でしっかり赤ちゃんとママがつながったせいか、ママのストレスが赤ちゃんにそのまま伝わりやすいといわれています。ママはなるべくストレスをためないようにリフレッシュできる時間をつくりましょう。
ママも赤ちゃんも気持ちよく過ごせるように
妊娠週数15週目は、妊娠初期の最終週です。胎盤が完成し、体調が安定してくる時期ですが、下腹部痛やお腹の張りを感じたときなどは無理せず安静にするよう心がけましょう。
また、へその緒がつながり、ママのストレスが赤ちゃんに伝わりやすいといわれているので、ママはストレスを上手く発散できるとよいですね。
まだ胎動は感じられませんが、妊娠15週は、超音波(エコー)検査をすると胎内の赤ちゃんの動きが見られたり、3D、4Dエコー検査ではと赤ちゃんらしい姿を目にすることができる時期です。胎動や性別の判明までもう少し。これからの赤ちゃんの成長を楽しみにしていてください。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。