子育ての経験が活かせる「支援員」の仕事。研修内容や制度について

子育ての経験が活かせる「支援員」の仕事。研修内容や制度について

子育て中でそろそろ仕事復帰を考えているけれど、資格やキャリアが不足していると感じているママもいるのではないでしょうか。そこで今回は、ママの子育て経験を活かすことができる「子育て支援員」について調べてみました。仕事先は、保育所や企業の託児所、地域の支援センターなど、多岐に渡ります。「子育て支援員」の具体的な仕事内容、研修制度などをお伝えします。

子育て支援員とは

子育て支援員の主な対象となるのは、育児経験のある主婦です。地域にある子育て支援センターなどで働きたいという希望があれば、子育て支援員の制度を知って、研修を受けることができます。


保育士との違い

保育士と子育て支援員の大きな違いは資格です。保育士が国家資格であることに対して、子育て支援員は民間資格。資格といいますが試験はなく、ガイドラインで決められた研修を受けることで子育て支援員になることができます。子育て支援員は保育園にも活躍の場所がありますが、仕事内容は保育士の補助という位置づけです。


始まった背景

子育て支援員という制度が始まった背景には、保育士不足があると言われています。子育て経験のある人が再就職して活躍できる場の一つとして、子ども・子育て支援新制度が開始された2015年度から設けられた新しい資格です。

子育て支援員の研修とは

研修内容

子育て支援員になるには、国が定めたガイドラインに基づく研修を受けることが必要です。研修は基本と専門に分かれていて、研修内容は全国共通で、全国各地で実施されています。

基本と専門の研修を合わせて20時間程度修得することで、子育て支援員として仕事をすることが可能になります。研修は各自治体が主催しているので、子育て支援員の研修に興味がある際は住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

子育て支援員の研修
maroke/Shutterstock.com

基本の研修

基本研修の内容は、子育て支援員としての役割を理解すること。子どもの発達や、子育て家庭の現状など、基礎知識や技術を学びます。

専門の研修

子育て支援の専門研修は、主に4つのコースで実施されています。


放課後児童

学校が終わった後も親の仕事などで帰宅できない児童たちのために開放されている、児童館での補助作業をする支援員向けの研修になります。


社会的養護

児童養護施設など、社会的に養護が必要とされる施設で預けられている子どもたちへ、職員のサポートをする支援員向けの研修になります。


地域子育て支援

地域にある子育て支援センターなどで、子どもたちと遊んだり、子育てに悩むママたちの相談にのったりする仕事を希望している人向けの研修になります。


地域保育

小規模保育や、家庭内保育、会社内の託児所などで、保育士の補助となる支援員として働きたい人向けの研修になります。

こちらの記事も読まれています

子育て支援員が活躍する場所

園児と支援員
ucchie79/Shutterstock.com

子育て支援員が活躍できる場所は広がりを見せています。例としては、保育園、少人数の保育施設や一時預かり事業をしている施設、児童館、児童養護施設など。

地域の子育て支援センターなどで、育児相談や親子で遊べるイベントなどの企画も、子育て支援員が行っている場合があります。

具体的な仕事内容

保育園

子育て支援員が行う主な仕事内容は、保育園では保育士のサポートです。保育士と一緒に、外遊びの引率をしたり、制作のお手伝いや園のお便りの作成補助、食事やお昼寝の介助をしたりしています。また、保護者からの電話応対や園内の清掃を担当する場合もあります。


ファミリーサポート

地域で子育てをサポートしあう、「ファミリーサポート」という制度がありますが、援助を行う側の人が子育て支援員の資格を持っていることもあります。ファミリーサポートで行う業務は、サポート契約をした家庭の子どもの介助です。家庭の中で保育をする他、保育園や幼稚園、習い事への送り迎えも行います。


見込まれる収入

子育て支援員の資格を持った人が、例えば小規模保育施設などで、平日フルタイムで働くと、年収は200万円程度と言われています。

2015年に、小規模保育施設で働く子育て支援員に対する人件費の補助金制度が見直され、支給額がアップしました。今後子育て支援員として働く人が増えることが期待されています。

デメリットもある?

子育て支援員は、子育てが活かせるチャンスのある仕事です。やりがいを感じる人も多いようですが、働いているうちにさまざまなデメリットを感じる人もいるようです。

まずは給与面。子育て支援員に対する給与が見直される動きがありますが、仕事内容はあくまでも保育士や職員のサポートとしての役割が大きいため、給与面では保育士よりも低い傾向のようです。また、仕事内容がはっきりと決まっているわけではないために、補助の仕事であってもどこまでが子育て支援員が立ち入る領域なのかわからないという人もいるようです。

ママの経験を活かせる「子育て支援員」の仕事

子育て支援員
ucchie79/Shutterstock.com

子育て支援員は、自分が子育てしてきた経験が仕事に活かせます。自分が主体になるのではなく、補助的な役割をする仕事が多いため、人を支える仕事に就きたいと思う人には向いているかもしれません。子育て支援員の仕事を経験するにつれ、もっと子どもと接していきたいと考えるなら、保育士資格を取得するというキャリアアップを考えることもできそうですね。

ママが経験を活かせる子育て支援員という資格を知って、今後のキャリア形成のひとつとして検討してみるのはいかがでしょうか。

2017.10.27

仕事カテゴリの記事

ショート動画

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る

不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
【KIDSNA STYLE】一緒に盛り上げてくれるアンバサダーを大募集

KIDSNA STYLEと一緒に、全てのママへ素敵な子育て情報を届けよう!KIDSNAアンバサダーに登録された方には限定プレゼント、記事出演やイベントを通じたアンバサダー同士の交流会をご用意しております。限られた子育て期間を、素敵にアップデートしてみませんか。