0~1歳の赤ちゃんは、予防接種を受ける機会が多いですよね。お風呂に入れる・入れないを含めて接種後の望ましい過ごし方のポイントを、小児科医に教えてもらいました。さらに、発熱、赤い腫れなど接種後に現れる副作用(副反応)のうち、どのような症状が出た時に注意が必要かも併せて紹介します。
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接種後の望ましい過ごし方の中で、ママが一番疑問に感じるのが「お風呂」です。少し前までは「予防接種した後、お風呂に入ってはいけない」と言われていましたが、今はお風呂がいけない理由がないことから今は「お風呂OK」になりました。
では、接種後に赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点を聞いてみました。
予防接種した後にまれに発熱、息苦しくなる、部位が急激に腫れるなど、薬の副作用のような「副反応」と呼ばれる症状がでることがあります。アレルギー反応は通常30分以内に起こることが多いです。専門家によると
もし、時間に余裕があるようならば、念のため接種後1時間空けるのが望ましいでしょう。
接種後に熱が出てきた、洋服を脱がせてみたら、腕が真っ赤に腫れあがっていたなど、いつもの明らかに違った症状が出ていたり、元気がないなど普段と様子が違う時は、お風呂に入るのはやめておきましょう。
「湯冷めしないように」という気持ちから、できるだけ温かいお風呂に入浴させたいと思っているママも多いはず。でも、赤ちゃんにとって入浴自体かなり体力を消耗します。また、熱すぎるお湯は、デリケートな赤ちゃんの肌にとっても刺激に。
湯船は、ママが「ちょっとぬるいかな」と感じる38~40度がいいでしょう。さらに、できるだけ1回の湯船につかっている時間を短めにし、疲れさせないことがポイントです。
接種した部分を清潔にしようと、ゴシゴシこすったりするのは望ましくありません。そこからばい菌が入ってしまったり、摩擦のせいで赤くなってしまうことも。たっぷり泡立ててやさしくママの「手」で洗ってください。
湯船につかるよりも体力を使うことなく、さっぱりさせられるのがシャワーです。湯冷めの心配がなく、赤ちゃんが寒くないようならば、シャワーのみで済ませるのも方法の1つです。
「おでかけ」とひと口にいってもいろいろありますよね。どんなケースなら大丈夫なのでしょうか。
赤ちゃんがママと普段よく行く近所のスーパーやお店へのお買い物なら、予防接種後に行っても構わないでしょう。でも、疲れさせるのは禁物。
「いつもより元気がない」「グズりがいつもよりひどい」と感じたら、早めに切り上げてください。
接種後につかれさせると、発熱や体調不良など、副反応が出やすくなる可能性が。行くまでに長時間かかる場所は、なるべく別の日にしてください。
公園もひなたぼっこするつもりで行くならいいでしょう。
気を付けたいのが、レジャー施設です。特に初めて行くところなら、赤ちゃんがどのくらい興奮して疲れてしまうか予想ができないので、避けるのが無難です。
基本的に、旅行の当日に予防接種を受けるのはやめましょう。
「急遽、遠方の実家に帰省する必要が出た」などの場合は、適度に休憩を入れる、水分補給や授乳をこまめに行うなど、赤ちゃんを疲れさせないよう心がけてください。
例えばスイミングなど、体力を相当使う習い事は避けておいた方がいいでしょう。英会話、音楽など比較的おだやかにレッスンが受けられる物は構わないでしょう。
赤ちゃんにとってお友達がいる保育園は、それだけで刺激を受けるため、できるだけ保育園が終わってから接種するか、その日はお休みして家庭保育にするのがいいでしょう。
ママの仕事や病院の予防接種の予約時間などの関係でやむをえない場合は、事前に保育園に相談しておくといいでしょう。保育園によっては予防接種した後の登園を禁止している園もあるので、確認しておいてください。
予防接種をした後、まれに発熱や接種部位が赤く腫れるなど、異変が見られることがあります。明らかな症状がなくても機嫌がわるくなることもあります。これらは薬の副作用と同じように、予防接種による副反応の可能性があります。
では、どのような症状があるのか副反応が現れた時の対処法を教えてもらいました。
予防接種後不活化ワクチンの場合は、当日か翌日に発熱することがあります。生ワクチンでは1〜2週間後に微熱が出ることがあります。多くは一過性のものなので、発熱後1日以内で解熱するのがほとんど。
水分補給をこまめに行い、半日程度は様子をみてください。それ以上つづくときは小児科に相談すると良いでしょう。
ただし風邪の熱の時に比べて明らかにぐったりしている、1日経っても熱が下がらない、40℃超えているなどの場合は、かかりつけ医に相談してください。
接種した部分が赤く腫れることもあります。その場合は、赤ちゃんが気にして直接接種部位をひっかいたり、さわったりしないように袖が長めのものを着せる、ミトンをつけるなど対策を。
だいたい接種後3日ぐらいで赤みや腫れが落ち着いてきますが、なかなか赤みがひかない、痛そう、じゅくじゅく化膿してきたなどの場合は、かかりつけ医の診察を受けてください。
接種した後、まれに意識が朦朧とする、息苦しくなる、嘔吐など、重篤な副反応が見られる場合もあります。これは予防接種のワクチンを体が「異物」と過剰に反応することによる「アナフィラキシーショック」の可能性があり、場合によっては死に至ってしまうことも。
アナフィラキシーショックの多くが、接種後15分以内に起こるので、その間は注意深く赤ちゃんの経過を観てあげてください。
予防接種の副反応と見間違えやすいのですが、「今まで何度か予防接種を受けても大丈夫だったから」と、慣れない場所へ連れて行ったり、遠出すると、発熱などの体調不良を招いてしまう可能性もあります。
必要以上に赤ちゃんの行動を制限したり、家でずっと寝かせる必要はありませんが、接種後の体調トラブルをなるべく起こさないようにするには、接種した後も「普段通り」に過ごせるよう心がけることが大切といえます。特に初めてのワクチンを接種する際は、赤ちゃんの様子を注意深くみてあげてください。
予防接種後にやっていいこと、悪いことが気になるママも多いでしょう。お風呂、おでかけなど、基本的に絶対にやってはいけないことはありませんが「疲れさせない」よう、心がけましょう。
また、予防接種後に発熱や接種部位の腫れ等が見られる場合があります。これは予防接種による副反応と呼ばれ、薬の副作用と同じようなもの。副反応が見られたら適切な対処をし、なかなか良くならない場合は、かかりつけ医に相談を。
接種後に遠出をしたり、無理をさせたことで発熱してしまうケースもあるので、接種後に体調トラブルを招かないために、できるだけ興奮したり、疲れるようなことは避けて「普段通り」に生活できるよう心がけてください。
小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。
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2018年04月02日
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