子どもがいろいろなものに興味を持ったりすると、成長を感じてうれしく思うこともありますよね。その反面、心配事も増えてくるのではないでしょうか。今回はその「心配事」の一つにあたる子どもの誤飲について、誤飲しやすい状況、物、好発しやすい年齢などを解説します。
年齢別にその時期の発達の特徴と、誤飲しやすい状況を聞いてみました。
寝返りやハイハイができるようになると、近くにあるもの、手に取りやすいものを誤飲しやすいようです。手に取ったものを口に持っていきやすい年齢ですが、危険かどうかの判断はつかないため手につかみやすいペットボトルのキャップや、お菓子のビニールなどに特に注意が必要です。
歩くこともでき、自由に動きまわれたり細かいものもつかめるようになります。この年齢になるといろいろと器用になりますが、「刃物を手で握るとけがをする」など、危険の察知することは難しく、子どもだけでの危険の回避はまだ難しいです。
この年齢では、食べ物に次いでタバコの誤飲も多くなります。
段々と大人の言うことも理解してきますが、まだ全部を理解できません。いろいろなものに興味を持ち、出来ることも多くなり自分でやりたがることも増えてきます。以前では届かなかったような場所も届くようになっていたりすることもあるかもしれません。
また、細かいものもつかめるようになるので、おもちゃの部品や小さな電池などの誤飲にも注意が必要です。日々いろいろな成長を感じられる時期で楽しい時期ですが、何にでも興味を持ち、誤飲しやすい時期と言えるでしょう。
どのようなものが誤飲されているのでしょうか。また誤飲してしまったときの対処の方法を調べてみました。
ビニールやティッシュなど身近なものを誤飲してしまうことも多いようです。これらはそんなに緊急性の高い誤飲ではありません。少量であれば様子を見てよいでしょう。
しかし窒息する場合があるので、誤飲がわかってから顔色や呼吸状態が悪くなった等の異変があればすぐに救急車を呼びましょう。
家族の落とした薬や、手に届きやすいところにあった薬をお菓子などと勘違いして誤飲してしまうことがあるようです。誤飲がわかったときに飲んだ量や薬剤名をかかりつけの医師に連絡し、指示を仰ぎましょう。
大量に飲んでしまった場合は、薬を持って病院を受診しましょう。
タバコそのものを食べてしまうこともありますが、飲み残した缶などに吸い殻を捨てて、その水を飲んでしまうということも。いずれのケースもタバコのニコチンにより中毒を起こします。子どもは少量でもニコチン中毒症状を起こしやすいため、どのぐらいニコチンを含んだ水を飲んだか、タバコを誤飲したかを確認し、無理に吐かせたりせず、すぐに受診しましょう。
ちなみにニコチン中毒の症状は、誤飲から30分くらいから現れます。症状の一例としては、嘔吐、下痢、めまいなどですが、重篤な症状になるとけいれんや、昏睡が起こったりします。
子どもの場合、不機嫌になったあと急に症状が出たりすることがあるので誤飲がわかった時点で受診するとよいでしょう。
おもちゃの部品や、ブロック、ボタンなどプラスチック製品も誤飲しやすいです。小さなものもつかめるようになってくると、起きやすい誤飲と言えるでしょう。
小さなおもちゃは誤飲が多いものの1つです。お祭りの屋台などでよく見かける、跳ねる小さなゴムボールは、誤飲すると窒息の恐れがあるので注意が必要です。
また、ブロックのとがった部品だった場合、喉や食道を傷つけてしまう場合があるので、無理に吐かせたり取ろうとせず、医療機関を受診しましょう。
最近では、液体洗剤を飲み物やゼリーと間違えて誤飲してしまうことが多いようです。万一、誤飲してしまった場合には、胃粘膜を保護するためにすぐにコップ1~2杯の水または牛乳か、生卵を飲ませるなどの応急処置をして必ず受診しましょう。
受診する際に、誤飲した洗剤や漂白剤が塩素系か酸素系かの対処が変わるので、洗剤の容器を持参するとよいでしょう。
こちらも危険度が高くすぐに受診すべき誤飲です。口に入れやすいこともあり、誤飲の可能性も低くはありません。専門家曰く
とのことなので速やかに受診しましょう。
また、吐かせようとしてボタン電池が食道に張り付いてしまったりすると、かえって危険な状況になりやすいので、何もせず受診してください。
誤飲したものにより対処の方法が変わってきます。普段から慌てないように確認しておくとよいかもしれません。緊急を要するものでなくても、数日は子どもの様子を確認するようにしましょう。
いつ誤飲したのか、正確な経過時間がわかればよいですが大体でも覚えておきましょう。また、経過してどのくらいから症状が出始めたかもわかるとよいでしょう。
誤飲してから出た症状や、どのくらいの量飲み込んでしまったのかをしっかりと確認しておきましょう。場合によっては同じもの、容器などわかりやすいものを持って受診することをおすすめします。
急に呼吸困難の症状が出たり、体調が悪くなることもあるので子どもの体調をしっかりと確認しておきましょう。
誤飲しないようにするにはどのような予防法があるのでしょうか。見てみましょう。
背が伸びたり、台を使うという知恵がつくことで、以前は届かなかった場所を触れるようになっていることがあります。子どもの手や目に入らないところを家族と確認し、誤飲の恐れのあるものは乳幼児が取れないようにしておきましょう。
「棚にしまったからと安心」と思っても、成長とともに開けられるようになり、誤飲してしまうケースも。電池や薬などは、カギのかかる棚やチャイルドロックをかけられる引き出しにしまい、きちんと施錠管理をするようにしましょう。
子どもがいろいろなことをできるようになったり、興味の幅が広がるのは親にとってうれしいものですよね。しかし、まだ乳幼児では「これを口に入れたら危ないよ」と教えても、理解出来ないことが多いと思います。ビニールやティッシュなどから、大きなトラブルにつながりがちなタバコ、薬、電池といったようなものも注意をしてチャイルドロックなどを利用して誤飲を予防するようにしましょう。
万一誤飲してしまったときには、そのものにあった対処を速やかに行いましょう。緊急でない場合でも、心配であればかかりつけの病院に連絡をして指示を仰いでください。普段から誤飲の予防を心がけ、乳幼児の誤飲事故が減るとよいですね。
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2018年04月03日
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