11月19日は国際男性デー。男の子に「男らしさ」を求めた経験を調査

11月19日は国際男性デー。男の子に「男らしさ」を求めた経験を調査

11月19日は、国際男性デー。「男性・男児の健康に目を向け、ジェンダー平等を促す」ことを目的に、1999年にトリニダード・トバゴで設立され、現在では日本でも少しずつ認知が広がりつつある。KIDSNAでは、男児を育てる保護者を対象に、子どもに「男らしさ」の固定観念やプレッシャーを刷り込んだり、求めたりした経験についてアンケートを行った。

「男らしさ」は日常の何気ない一コマから刷り込まれる

男性に対して求められる「我慢強い」「経済力がある」「女性をリードする」などの固定観念は、社会で生きるための一定の役割を獲得するのに役立つ一方で、昨今は「男らしくあらねばならない」という呪縛による弊害も多く指摘されるようになった。

たとえば、「男は定年まで働いて、家族を養っていくもの」という考えは、男性の職業や生き方の選択を制限する。また、「男が家族を養うべき」という考えは、一方で女性に家事育児の負担を多く担わせるプレッシャーにも繋がる。

性別役割分業をゆるめ、男性が「男らしさ」の呪縛から自由になることは、ゆくゆくは社会全体にとっての進展になるのではないだろうか。

KIDSNAでは、男児を育てる保護者を対象に、子どもに「男らしさ」の固定観念やプレッシャーを刷り込んだり、求めたりした経験についてアンケートを行った。

「男の子なんだから〇〇しなさい/しちゃだめ」と言う、本人の意向を確認せずに黒や青などいわゆる「男の子らしい」色の服や靴を買い与えるなどを例として挙げたうえで、子どもに「男らしさ」を押し付けたことがあるかどうか聞いた。
 
4割弱の保護者が「ある」、6割弱が「ない」と回答した。

続けて、「男らしさ」を押し付けた経験が「ある」と答えた保護者に、それがどんな場面だったか尋ねた。
5歳男児の保護者
叱る時に、「男だろ!」と言ってしまった。
3歳男児の保護者
転んで泣いていた時、「男の子なんだから(強いんだから)泣かないの」と言ってしまった。
年齢未回答・男児の保護者
薬がなかなか飲めなかった時に「男だったら覚悟決めて飲んで!」と言ってしまいました。
4歳男児の保護者
今より小さかった頃は、保育園のグッズや服などは青系にしていた。また、妹がいるため歯ブラシなどは見分けが付くようやはり青などにしている。本人の意思がわかるようになってからは出来るだけ本人に選ばせており、ピンクなどを選んでも気にしないようにしている。
日常の何気ない場面において、「男らしさ」のイメージを子どもに求めた声が集められた。このように日々の小さな出来事の積み重ねから、「男らしさ」への意識がやがて内面に築かれていくのだろう。
※写真はイメージ(iStock.com/etorres69)
※写真はイメージ(iStock.com/etorres69)
保護者の声のほとんどには、「男らしさ」を押し付ける言動をしたあとに自らを顧みる様子が見て取れたが、中には「メソメソしている時などに『男なんだからしゃきっとしなさい!』といつも言っている。 あと、男なんだから女の子にはやさしくしなさい、と口酸っぱく言っている」と、従前の男女の役割に則した教育をしている保護者の声もあった。

保護者自身が人を性別で判断しない努力を

一方、子どもに「男らしさ」を押し付けた経験は「ない」「わからない」と答えた保護者に、日ごろ気を付けていることを聞いた。
2歳男児の保護者
例えば、「男の子だから女の子にやさしくしようね」と声をかけるのではなく「お友だちにはやさしくしようね」と声をかけたり、どんなおもちゃでも興味を持ったら線引きをせず、一緒に遊ぶことにしています。
3歳男児の保護者
自分自身、普段からジェンダーを理由に行動しないようにしている。 「男性だから〇〇しない/する」という価値観は持たない。 女性を女性という理由で特別扱いしないなどは、普段から心がけています。
このように、まず自分自身が意識して、性別に基づく固定観念を外す努力をしているという保護者の声が複数あった。

また、自分自身が心がけていても、配偶者の意識までは変えられずにもどかしさを感じる声も集まった。
5歳男児の保護者
子どもがプリンセスやシルバニアグッズがほしいと言うことがあるのですが、夫に「女の子のものだよって言わないようにね」と釘を刺したことがあります。男らしさを押し付けないように意識していますが、自分でも気づかず無意識のうちに押し付けていることもあるのかもしれません。
3歳男児の保護者
「男の子も女の子も関係ないよ」といつも意識的に言っています。兄弟にも言い聞かせるようにしていますが、夫はやはり男の子らしさを求めるようなことを言ってしまいます。夫婦間での意識のすり合わせには苦労しています。
「男らしさ」は、これまでの社会に必要な側面があったと考えることもできるかもしれない。しかし、これからの社会を築く上では、性別を理由として個人の特性や自由を縛り上げる考え方には、むしろ弊害が大きいのではないだろうか。

男性は無意識に潜む「男らしさ」への呪縛から女性にも不自由を押し付けてはいないか、女性は「男らしさ」を理由に男性に責任を求めすぎてはいないか。そして、自分の子どもにも「男らしさ」を求めるあまり、その子の持つ個性を尊重する気持ちが薄れてはいないか。国際男性デーを一つのきっかけとして、男性に対する偏見を点検してみてほしい。
 
※写真はイメージ(iStock.com/MarsYu)
【調査概要】
・対象:男児を育てる保護者を対象にアンケート調査を実施
・調査期間:2021年11月2日~2021年11月14日
・回答数:119人

<執筆>KIDSNA編集部

2021年11月19日

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