教育熱心はどこまで?
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不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。第1回はフリーアナウンサーの吉田明世さんが、子育てのお悩みに答えます。
イヤイヤ期の育児、本当に大変ですよね。そのくらいの年齢になると、言葉も通じるからこそ、思い通りに動いてくれないことにモヤモヤしたり、どうして何度も言ってるのにわかってくれないの?と、イライラしてしまったり……。我が家も、娘のイヤイヤ攻撃で夫婦仲まで険悪になってしまったことが何度もあります!
まず、イヤイヤ期のお子さんを厳しく叱りつける必要があるのか、ということについて。
私自身は、そこまで厳しくする必要はないかなと思っています。もちろん、お友だちを傷つけてしまった時や、悪いことをした時などは、何がダメだったのか、ある程度厳しく伝える場面も必要かと思います。
でも、いつも厳しくしすぎてしまうと、子どもの自己肯定感が低くなってしまうのではという心配もあります。また、基本的にそのくらいの年齢の子どもは思い通りに行動してくれないことの方が多いので、その度に叱っていると何だかいつもピリピリしてばかりで、子育てを"楽しむ"余裕がなくなってしまいます。
イヤイヤ期の子どもって、その瞬間は途方に暮れてしまうほど大変ではあるのですが、振り返ればきっと一番可愛い時期でもあるはず。せっかくなら、叱ってばかりでなく、その可愛さも噛み締めながら、イヤイヤ言ってる子どもを笑い飛ばせるくらいの余裕があればいいなぁ、なんて思っています。それでも、どうしても言うことを聞いてくれず、困ってしまうこともありますよね。
そんな時、我が家では子どもが納得して次の行動に進めるように、"ワンクッション作戦"を実行。
なかなか遊びをやめてくれない時は「あと3分遊んだら、お片付けね。」、お風呂に入りたくない時は「(時間を決めて)時計の針がここまできたら、一緒にお風呂場まで競争しよう!」など、次の行動を促す前にワンクッション入れてあげると、心の準備が整い、気持ちもうまく切り替えられて納得して行動に移ってくれたりします。
大人だって、趣味に夢中になっている時に、突然、「今すぐお風呂に入りなさい!」と言われたら戸惑いますよね。それはきっと子どもも同じなのだと思います。
また、夫婦での子育てのスタンスが違う場合どうしたらいいのか、ということですが、我が家も夫婦喧嘩をする時、不思議と娘のイヤイヤもいつも以上に激しくなります。ひょっとしたら、私たちの険悪な空気を感じ取っているからこその娘のSOSなのではないか?と思うようになりました。
それからは、子どもがなかなか言うことを聞いてくれない時こそ連携をとるようにしています。2人で厳しく叱るのではなくて、どちらか一方が厳しく叱った後は、どちらか一方が、子どもの気持ちに寄り添って、フォローするという役割分担をするように心がけています。
その方が、子どもも冷静になって自分の行動を反省したり、気持ちを切り替えたりできるように思うのです。物事の善悪をひとつひとつ理解していく大切な時期だからこそ、家の中でしてはいけないことなど、具体的なルールを家族で話し合うということが大切なのかもしれません。
夫婦であっても、生まれた環境も育ってきた家庭も違うから、子育てのスタンスが異なるのは、きっと普通のこと。自分にとっての常識や当たり前と思うことが、相手にとってはそうではないことの方が多いんですよね。だからこそ、自分の思いや、子育てに関する考え方を言葉で伝えるってすごく大切なのではないでしょうか。
Profile
非日常の中で、子どもがさまざまな力を育むきっかけになる「旅」。今回は「星野リゾート リゾナーレトマム」親子旅のレポートです。「旅育」をテーマに専門家に話を伺い、想像力を育んだ旅についてお伝えします。
3歳娘の、保育園に行く時間になっても着替えない、お風呂に入りたがらない、ご飯を食べない、おもちゃを片付けないなどの行動について。
これらの日常のささいなことでも夫は厳しく叱りつけ、子どもが泣くこともあります。私はイヤイヤは3歳ならある程度仕方のないことかなと思うのですが、夫からは私の叱り方が甘いとよく怒られ、そのことで夫婦喧嘩になります。
まだ3歳なのに厳しく叱りつける必要はあるのか気になっています。また、子育てのスタンスが夫婦で異なる場合、どのようにすり合わせていくべきでしょうか。