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2017年01月16日

レッジョエミリアアプローチの専門家にきく。8つのキーワード【第1回】

幼児教育の重要性が注目されている昨今、いろんな教育法を耳にするようになりました。そんな中、最近話題になっているのが「レッジョエミリアアプローチ」。子どもの創造性を伸ばす、イタリア生まれの教育法です。そこで、10年間レッジョエミリアアプローチに関わっている加藤先生のアメリカからのレポートをお届けします。

加藤久弥子

著者:加藤久弥子

聖心女子専門学校保育科、サンタモニカ市立カレッジ幼児教育学科、ナショナル大学幼児教育科卒業。カリフォルニア州でレッジョエミリアアプローチに関わって10年。8年クラスの担任を経験し、現在はアトエリスタとして働きながら、他園のコンサルタントや教育機関と提携して幼児教育科の実習生を受け入れている。レッジョエミリアアプローチを取り入れたい先生たちの勉強会も定期的に主催している。

イタリア生まれの教育法

レッジョエミリアアプローチは、第二次世界大戦後にイタリアのレッジョエミリア市で始まりました。創始者のローリス・マラグッツィは、大人も子どもも創造性を高めることができる教育法を確立させました。

1991年のニューズウィークで「世界でもっとも革新的な幼児教育」として取り上げられて以来、北米、北欧を中心に広がってきています。

レッジョエミリアアプローチとは

「子どもの創造性を伸ばす」といわれている、レッジョエミリアアプローチとはどのようなものでしょうか。8つのキーワードと一緒にご説明します。

1. 教育環境

レッジョエミリアアプローチでは「環境が第3の教育者」ともいわれています。保育の場にどのような遊具、素材 置くのか、どのような色の壁、家具を使用するのかなど、その意味を考えて配置しています。

2. 教育と美術、それぞれの専門家

ペタゴジスタ(教育専門家)とアトリエリスタ(美術専門家)が保育方針を進めていくのに大きな役割を果たしていて、保育者と共同でプランを立てながら進めます。

3. ドキュメンテーション

日本の幼稚園や保育園で使われる観察記録とは異なります。子どもの学びを写真やビデオ映像に記録し、例えば子どもたちの会話を文章に起こして音読したりして、次の学びにつながるような振り返りをします。

4. 少人数制のプロジェクト

子どもの興味をさらに奥深く追及していくために、少人数で活動を行います。 保育者が子どもに「どうしてそう思うのか?」と問いかけながら子ども同士での会話を尊重 し、子どもの協調性、自主性を育てます。

5. 保育計画をしっかり立てる

子どもの興味をより深めるように、意図的に遊具を置いたり、絵本を読んだり、計画性を大切にします。この計画は保育士、ペタゴジスタとアトリエリスタによって話し合って決められます。

6. コミュニティー中心の幼児教育

ペタゴジスタ(教育専門家)、アトリエリスタ(美術専門家)、保育者が一緒になって計画を進めていくので、自然に共同的なコミュニティーが作られていきます。イタリアのレッジョエミリア市では、地域のコミュニティーも含めて幼児教育をサポートしているようです。

7.保護者と保育者の関係

子どもの興味をサポートするためには、保護者と保育者のコミュニケーショ ンが大切です。この両者の関係が深くなるほど、子どもと保育者の関係も深くなっていきます。その中で、子どもの興味を保育者が掘り下げていきます。

8. 100の言葉

創立者のローリス・マラグッツィが書いた詩を参考に、「子どもには100通りの表現方法がある」ということを意識して、保育者、ペタゴジスタ(教育専門家)、アトリエリスタ(美術専門家)は幼児教育に取り組んでいます。

創造性を育む幼児教育法

以上の8点により、レッジョエミリアアプローチが成り立っています。どれかひとつだけに重点を置いても、レッジョエミリアアプローチの教育方法にはなりません。すべてのキーワードを実践することによって、子どもの創造性が育まれるのです。

次回からは、アメリカでの教育現場の事例をまじえながら、それぞれの項目についてもう少し詳しくご紹介していきます。

著者:加藤久弥子

聖心女子専門学校保育科、サンタモニカ市立カレッジ幼児教育学科、ナショナル大学幼児教育科卒業。カリフォルニア州でレッジョエミリアアプローチに関わって10年。8年クラスの担任を経験し、現在はアトエリスタとして働きながら、他園のコンサルタントや教育機関と提携して幼児教育科の実習生を受け入れている。レッジョエミリアアプローチを取り入れたい先生たちの勉強会も定期的に主催している。

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