子どもの学歴と年収は「生まれ」で決まる…最新研究で判明「頭のいい子が育つ裕福家庭」が幼少期に徹底すること
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子どもの将来は親の所得で決まるのか。拓殖大学教授の佐藤一磨さんは「階層が固定化する傾向にあるアメリカやイギリスほどではないが、日本も親の年収が子どもの年収に少なからず影響している。しかし生まれによる不利から脱する方法はある」という――。
親子の「目に見えない共通点」
親が金持ちでないと、子どもは金持ちになれない――。
そんな言葉にドキッとする人も多いのではないでしょうか。「まさか」だけど「もしかしたら」――そう考えてしまう場面は、確かにあります。
たとえば、街中の親子を見て「似ているな」と感じるとき。顔や骨格だけでなく、落ち着きや話し方、価値観といった“目に見えないもの”まで、親と子どもが驚くほど似ている場面は多く見られます。
ましてや、現代社会においてはこの「似る」という現象が、学歴や収入といった経済的な領域にまで広がっているという現実があります。
東大生の約20%が年収1250万円以上の家庭出身
東京大学学生委員会の『2023年度 学生生活実態調査』によれば、「世帯年収1250万円以上」の家庭出身の東大生は全体の20.4%。さらに「950万円以上」の家庭を含めると、その割合は42.2%にも上ります。
一方、日本の平均世帯年収は約536万円(厚生労働省「国民生活基礎調査」、2024年)。つまり、東大生の多くは「平均から見ると2倍以上の高所得家庭出身」ということです。

このような家庭では、子どもに早い段階から習い事や受験準備に投資できるため、教育環境の差が学力や進路の差に結びつきやすい。そこに「大学ブランド」と「高収入の職業」がリンクし、生まれた家庭の経済力が子どもの将来の収入に直接影響する構造になっているのです。
このように考えると、「親が金持ちでないと子どもは金持ちになれない」は、もはや“疑問形”ではなく“傾向”になりつつあるのかもしれません。資本主義における能力社会では、これはある程度仕方がないことだと考えられます。






























