この国には「女子大」が必要だ…日本女子大学名誉教授が断言する"女性のための大学"が消えてはならない理由
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少子化や受験生の「女子大離れ」が進み、閉校や共学化が相次いでいる。女子大はもう時代遅れで、不要なものなのか。細川幸一・日本女子大学名誉教授は「女性が自立しタフネスさを身につけるために、“女性のための大学”が果たしてきた役割は依然として大きい。女子大は現在の女子の志向に沿う学科・カリキュラムを提供する努力が欠かせない」という――。
女子大の閉校・共学化が止まらない
最近、女子大の不人気を伝える報道が相次いでいる。入学定員、収容定員の充足率が悪化あるいは将来の予想から、募集停止や共学化に踏み切る女子大が続出している。
ここ1~2年でも、2024年度から恵泉女学園大学と神戸海星女子学院大学が募集停止、桜花学園大学が男女共学化に踏み切った。25年度からは、名古屋女子大学、神戸松蔭女子学院大学、清泉女学院大学、園田学園女子大学が共学化、東京家政学院大学が段階的に共学化する予定だ。女子栄養大学は26年度から、鎌倉女子大学は29年度からの共学化の方針を発表した。
学習院女子大学が最短で26年度にも学習院大学と統合、女子大では日本最大の学生数となる武庫川女子大学が27年度に共学化の方針を明らかにし、関係者を驚かせた。
日本は世界的にもまれな「女子大大国」だが、その地位がいま大きく揺らいでいる。
なぜ日本だけ“女子大大国”になったのか
海外を見渡すと、女子大が一定数存在する国は米国・韓国くらいで、多くの国では女子大という制度自体が存在しない。米国でも最盛期の1960年には約200校あったが、統合や共学化が進んで現在は30校程度にまで縮小している。名門女子大7校は「セブンシスターズ」と呼ばれてきたが、共学化する大学が現れ、5校となった。
韓国ではソウルの梨花女子大が有名で大規模だ。学生数は2万人ほど、工学部や医学部を含む幅広い学問領域をカバーする総合大学で、かつてキャンパスを訪れた筆者はその規模に圧倒された。小規模・少人数教育を特徴とする日本の女子大とは対照的だ。
そもそも、なぜ日本は「女子大大国」になったのか。





























