「そこ、そこ!」化け猫がベッドの上にいる…急性膵炎で入院した37歳の大酒飲みが体験した"強烈な幻覚"

「そこ、そこ!」化け猫がベッドの上にいる…急性膵炎で入院した37歳の大酒飲みが体験した"強烈な幻覚"

どこから夢でどこまで現実だったか判然としない

「今日は何日ですか?」に答えられない、時計が歪んで見える、病室がパチンコ屋に変わる……。ライターのたろちん氏は酒の飲み過ぎで重症急性膵炎になり、37歳にして膵臓の大半を失った。治療の過程では鎮静剤の影響で大量の幻覚を見たという。新刊『毎日酒を飲みながらゲーム実況してたら膵臓が爆発して何度も死にかけた話』から一部を抜粋してお届けしよう――。(第2回/全2回)

医者がパチンコを打つ幻覚が見えていた

転院して1~2週間は鎮静剤の影響でほとんど眠っていた。実際には筆談で「部屋が暑い」ということを伝えたり、一時的に呼吸器を外した際は「妻にはちゃんと状況が伝わってますか」とわりとちゃんとしゃべったりしていたらしいのだけど、ところどころ断片的な記憶があるだけでほとんど覚えていない。

というと、ちょっと違うかもしれない。正確には、結構はっきりとした記憶がある。ただ、その記憶に夢や幻覚の類いが明らかに混ざっていて、現実との境目がよくわからないのだ。

例えば当時の僕には頻繁に病室を替えられていたという記憶がある。仕切りのない広いフロアの中にポツンとベッドが置かれていたかと思ったら、翌日にはホテルのスイートルームのような個室になっており、また翌日には病院に併設されたパチンコ屋の隅に移動させられ、医師たちが休憩中にジャグラーに夢中になっているのを「お医者さんも結構ギャンブルとか好きなんだなあ」とぼんやり眺めていた記憶がある。

もちろんそんなわけはなく、現実にはずっと同じICUのベッドに寝たきりだったわけだけど、それは後からちゃんとした頭で思い返してやっと理解できたことだ。当時は真剣に「ころころ病室を替えるのやめてほしい」と思っていた。

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2025.11.12

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