「1人入会で10万円の儲け」なのに借金250万円で廃業…アプリの台頭だけじゃない「潰れる結婚相談所」の実態
差別化が難しく、会員獲得が鬼門
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副業で始めた結婚相談所が半年で廃業
近年、結婚相談所はフランチャイズや副業での参入が相次いでいます。その一方で、短期間で廃業に追い込まれる事業者も少なくありません。
「副業で始めるには甘くなかった」
こう語るのは、2022年に開業し、約半年で廃業に至った清水さん(仮名)です。
システムエンジニアとして働く傍ら、「土日にできる」「年収・月収○○円可!」という触れ込みに惹かれてある結婚相談所連盟に加盟。38歳の時に約200万円を投じて開業しました。
しかし、現実は厳しいものでした。
ノウハウもないまま制作したホームページへのアクセスは伸びず、入会希望者は一向に増えません。そればかりか、固定費として毎月5万円近くが出ていきました。副業の収入としては重い負担です。
当てにしていた友人は「年収証明」で離れていった
開業前に入会を約束してくれた友人が何人かいましたが、当てにしていた彼らは「友人に年収を教えることへの抵抗感」が大きなハードルとなり、入会の約束を反故にされてしまいました。結婚相談所への入会には年収証明が必須ですが、これが開業前には気づかなかった盲点でした。
加盟先からのサポートも清水さんが直面する課題の解決には至らず、結局ひとりの会員も獲得できないまま、開業資金も合わせると約250万円の赤字が積み上がり、半年足らずで廃業を決めました。
清水さんは、「市場調査や業界知識の不足、経営経験のなさが響いた」「一般の会社員がいきなり個人で始めるには難しいビジネス。恋愛相談の延長ではなく、高度な専門性とビジネススキルを要する仕事だ」と振り返りました。





























