だからトランプ大統領も天皇陛下にメロメロに…日本の皇室が世界から尊敬される「本当の理由」
解き明かしきれない神秘的存在に映っている
Profile
天皇陛下は10月27日、約6年ぶりにアメリカのトランプ大統領と会見された。ヤフーニュースで皇室関連のコメンテーターを務める、神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「トランプ氏のような傲慢で予測不可能な権力者さえも惹きつける皇室という存在は、日本の強みであり独自性である」という――。
「天皇に会えるのが楽しみだ!」
トランプ大統領は、10月27日の来日にあたって、みずからのソーシャルメディアに、次のようにポストしている。
Landing in Japan now. Looking forward to seeing the Emperor! |
|---|
「いま日本に着いた。天皇に会うのが楽しみだ!」と訳せるように、トランプ大統領の興奮を示している。その日の朝、「トランプ氏、皇室に憧れ 強い権威欲、懐柔利用も」と題した共同通信配信の記事が、いわゆる「ヤフトピ」(Yahoo!ニューストピックス)に掲載され、話題を集めた。
記事は、2019年5月の国賓として来日した際、天皇、皇后両陛下との宮中晩餐会でのあいさつで「丁重なるご招待を決して忘れることはない」と発言した点について、「殊勝な態度に終始した」と結んでいる。
トランプ氏のような傲慢で予測不可能な権力者さえも惹きつける皇室、その魅力は、どこにあるのだろうか。
「皇室はなぜ世界で尊敬されるのか」
毎日新聞客員編集委員の西川恵氏は、2019年の『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)のなかで、「皇室と外国の友好親善活動を広く『皇室外交』ととらえ」た上で考察している。
たとえば、アラブ王室との関係からは、「だれに対しても等しく平等に接遇することを旨とする皇室は、アラブの国々にとって日本そのものを象徴している」という。また、スペイン王室とは、昭和天皇の皇太子時代の欧州歴訪(1921年)、つまり、戦前から関係が続いている点に着目している。
どちらも、単に「王室」と「皇室」という類似する存在だから「友好親善活動」=「皇室外交」を行ってきたのではない。世界に28ある君主国は、「交流を通して『君主とはどうあるべきか』『国民とどう向き合ったらいいのか』『両国関係発展にために自分たちは何ができるのか』といったことを互いに学び合っている」(同書第五章)のである。
このプロセスにおいて、皇室は、その歴史の長さや、国民からの広い支持、精神性の高さ(同書第一章)といった点について、人間同士の血の通ったかかわりがあったからこそ、「世界で尊敬される」というのが、西川氏の主旨だろう。
ただ、これだけでは、あのトランプ氏が「殊勝な態度に終始」するまでには至らないのではないか。そこにはどんな背景があるのか。





























