出産費用の確定申告。医療費控除を受けるための準備

確定申告はいつまで?

出産費用の確定申告。医療費控除を受けるための準備

赤ちゃんを出産すると、出産費用の確定申告について知りたいと考えるママもいるかもしれません。今回の記事では、確定申告と医療費控除についてや、出産費用など医療費控除の対象となるもの、医療費控除の確定申告はいつまでに行うのかなどを、国税庁の資料やママたちの体験談を交えてご紹介します。

確定申告と医療費控除

年度末が近づくと確定申告の仕方や医療費控除の受け方が気になるママもいるかもしれません。それぞれの制度について国税庁の資料をまとめてみました。


確定申告とは

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額と、それに対する税金の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続きのようです。

国税庁の資料によると、さまざまな所得を申告する場合の他に、納めた税金が年間の所得から計算された金額よりの多いときに還付申告を行うための確定申告をすることになるそうです。


医療費控除とは

医療費控除とは、医療費を支払ったときに受ける控除のようです。国税庁の資料には、その年の1月1日から12月31日までの間に、自分または生計を一にする家族のために支払った医療費が一定の金額を超えたときに受けられる所得控除を、医療費控除というと記載されています。

出典:平成30年分確定申告特集/国税庁
出典:確定申告特集 初めて確定申告される方/国税庁
出典:医療費を支払ったとき(医療費控除)/国税庁

出産費用などの医療費控除を受けるには

出産や出産のための通院などにかかった費用は、医療費控除を受ける対象になるのでしょうか。出産費用などで医療費控除を受ける要件について、国税庁の資料をまとめてみました。


医療費控除の対象となる出産費用

ソファに座る女性
siro46/Shutterstock.com

国税庁に資料には医療費控除の対象となる出産費用について、次のように記載されています。


  • 助産師による分娩の介助の対価
  • 妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用と通院費用
  • 出産で入院する際に、電車やバスを利用することが困難な場合に使ったタクシー代
  • 出産のための入院費用の一部として支払った食事代

出産の際は出産育児一時金や家族出産育児一時金などが支給されるので、その金額は医療費から差し引いて医療費控除の額を計算することになります。ただし、出産の前後に一定期間勤務できない場合に給付される出産手当金は差し引く必要がないそうです。


対象から外れる出産費用

国税庁に資料を見ると、出産のために支払った費用のなかには医療費控除を受けられないものにつちえ、以下のように記載されています。


  • 出産のための入院に際し、寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用
  • 実家で出産するために帰省に利用した交通費
  • 電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除くタクシー代
  • 自家用車で通院する際のガソリン代や駐車場代

出産のための入院中に出前をとったり外食をしたりした費用や本人の都合による個室利用のための差額ベッド代なども、医療費控除を受けられる出産費用とはならないようです。


出産費用以外の医療費

出産費用だけでは一定の金額を超えない場合も、1年間で支払った医療費を合計すると控除の対象となることがあるようです。国税庁の資料には、医療費控除の金額は「実際に支払った医療費の合計額から保険などで補填される金額と10万円を差し引いて計算する」と記載されています。

同一生計の家族にかかった医療費も対象となるようなので、家族が歯の治療を受けた場合などは1月1日からの1年間の支払額を確認し、出産費用とあわせて計算してみるとよさそうです。なお、医療費控除の最高額は200万円となっています。

出典:医療費控除の対象となる医療費/国税庁
出典:医療費控除の対象となる出産費用の具体例/国税庁
出典:医療費控除の対象となる入院費用の具体例/国税庁
出典:医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例/国税庁

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医療費控除の確定申告の仕方

出産費用などの医療費控除の還付申告はどのようにするとよいのでしょう。確定申告の仕方についての国税庁の資料をまとめてみました。


確定申告に必要な書類を準備する

確定申告に必要な書類は申告内容によって違いがあるようです。平成29年分の確定申告から医療費控除を受けるために「医療費控除の明細書」を作成して提出することになりました。

これは医療費の領収書の代わりになるものですが、国税庁の資料によると、平成31年分までの確定申告は領収書の添付か提示でもよいようです。医療費控除の明細書を作成する場合も、1年間に支払った分の領収書の準備は必要になります。

なお、医療保険者から交付された医療費通知を明細書の代わりに利用することもできるそうです。


確定申告書を作成し提出する

資料を見る女性
kenchiro168/Shutterstock.com

医療費控除の明細書の準備が整ったら、確定申告書の作成をすることになります。確定申告書は所轄税務署で用紙をもらう他に、国税庁の「確定申告特集」のページを利用して作成することもできるそうです。

確定申告書の作成ができたら、医療費控除の明細書を添付して所轄税務署に提出することになります。

出典:確定申告特集 初めて確定申告される方/国税庁
出典:確定申告特集 医療費控除の準備/国税庁
出典:医療費を支払ったとき(医療費控除)/国税庁
出典:【申告書用紙】/国税庁

確定申告をするときに意識すること

出産費用などの支払いで医療費控除を受けるための確定申告をする場合、どのようなことに気をつけるとよいのでしょう。ママたちに意識したことを聞いてみました。


いつまでに行うかを確認する

30代ママ
30代ママ

出産をして医療費控除を受けるために、いつまでに確定申告をするとよいのかを確認しました。確定申告の期間は新しい年になると確定申告特集に記載されるようなので、期日を確かめて早めに申告をするようにしています。

出産費用などを支払ったことで確定申告をする場合、支払いをした翌年の確定申告に間にあうように申告期間がいつまでかを確認しておくとよいかもしれません。申告期間が3月中旬までだったので、2月中に申告をすませるようにしたというママの声もありました。


領収書などの整理をする

40代ママ
40代ママ

出産費用として支払った医療費の領収書は5年間保管しておくことになっているそうなので、専用のファイルを用意してわかりやすく整理をしています。確定申告がすんだ医療費については、1年毎にまとめておきました。

確定申告をして還付を受けた医療費の領収書を、わかりやすくまとめて整理をしているというママがいました。通院に利用した電車やバスなどの交通費で領収書をもらうことが難しい場合は、家計簿にしっかり記載しておくとよいようです。

出典:医療費控除の対象となる出産費用の具体例/国税庁

出産費用の確定申告は計画的に進めよう

資料を書く女性
RomanR/Shutterstock.com

出産費用などが一定の金額を超えた場合は、医療費控除を受けるために確定申告をするとよいようです。確定申告をいつまでに行うのかを確認して、早めに申告をしているママがいました。

1月1日からの1年間に支払った金額を計算したり、領収書をもとに明細書を作成するなどして、確定申告の準備を計画的に進められるとよいですね。

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