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【産婦人科医監修】妊娠中のカップラーメンは食べてもよい?胎児への影響について
食べるときの注意点や選ぶときのポイント
2019.11.23
妊娠中は味覚が変化して、カップラーメンばかり食べたくなる妊婦さんもいるようです。妊娠中の妊婦さんがカップラーメンを食べてよいのか、週1回までなど頻度の目安や胎児への影響を知りたい場合もあるかもしれません。今回は産婦人科医監修のもと、妊娠中にカップラーメンを食べるときの注意点について解説します。
妊娠中にカップラーメンを食べてもよい?
妊娠すると味覚が変化して、今までそれほど食べたいと思わなかったものを食べたくなる場合があります。なかにはカップラーメンを無性に食べたくなるという妊婦さんもいるでしょう。
カップラーメンには塩分や化学調味料、脂質などが多く含まれているため、カップラーメンばかり食べるとお腹のなかの赤ちゃんに影響するのではないかと気になる妊婦さんもいるかもしれません。
妊娠中にカップラーメンを食べてもお腹のなかの赤ちゃんに影響はしませんが、食べ方には注意が必要です。どのような点に気をつけるとよいのか解説します。
妊娠中にカップラーメンを食べるときの注意点
妊娠中にカップラーメンを食べたいと感じたら、次のことを意識して食べるようにしましょう。
野菜や卵などを加える
カップラーメンはお湯を入れて数分待つだけでできるので、つわりなどで体調がつらく食事を用意するのが大変なときにも便利な食品かもしれません。しかし、カップラーメンだけを食べていると栄養が偏ってしまいます。
ほうれん草や小松菜などの野菜を加えると、ビタミンや鉄分が摂れます。卵やわかめなどの海藻類でも、タンパク質やミネラルが摂れて栄養のバランスがよくなります。
お店でカップラーメンを買うときは、手軽に加えられる食材を考えていっしょに購入するとよいでしょう。
専門家も以下のように言っています。
“
少しくらいなら問題はないでしょうが、できれば栄養をバランス良く採られた方が良いでしょう。
出典: AskDoctors
スープは残す
カップラーメンのスープには塩分が多く含まれています。スープをすべて飲み干してしまうと塩分を摂りすぎてしまうので、半分にしたり残すように意識することで塩分の摂取量を抑えることができます。
塩分の摂りすぎは血圧の上昇やむくみの原因になり、妊娠高血圧症候群を引き起こす可能性があります。カップラーメンを食べるときは十分に注意しましょう。
食べすぎない
カップラーメンはカロリーが高く、化学調味料などの添加物が多く含まれています。カロリーや添加物の摂りすぎは、体重増加や妊娠糖尿病につながる場合があります。
カップラーメンばかりを食べるのではなく、1日の食事で摂る栄養のバランスやいっしょに食べる食材を考えながら、量や頻度を決めて食べることが大切です。
妊娠中にカップラーメンを食べる頻度の目安
頻繁にカップラーメンを食べたくなる妊婦さんは、どれくらいの頻度でなら食べてよいか目安が気になることもあるでしょう。
問題になるのは、塩分です。
汁を飲まないようにしたり、塩分をうまくコントロールできていれば制限はありません。
カップラーメンばかりだと栄養がかたよるので、計算してバランスよく摂取する分には問題ないと考えます。
妊娠中に食べるカップラーメンを選ぶときのポイント
注意点や頻度の目安を理解したうえで、それでもカップラーメンを食べたいという場合もあるかもしれません。カップラーメンを選ぶときは、健康を配慮して次のようなことを意識しましょう。
ノンフライ麺を選ぶ
カップラーメンに使われている麺には、水分を飛ばすために油で揚げているフライ麺と、熱風によって乾燥させているノンフライ麺の2種類があります。
フライ麺は油によってカロリーが増し、製造日から時間が経つとともに油が酸化するので、たくさんの量を摂ると腹痛や下痢の原因になる場合があります。
ノンフライ麺のカップラーメンはフライ麺の商品に比べてカロリーが低いことが多く、なかには1個で200キロカロリー以下のものもあります。
ノンフライ麺であることをパッケージに表記している商品もあるので、購入するときに確認するとよいでしょう。
カロリーや塩分の量を確認する
カップラーメンのパッケージには栄養成分が表示されています。カロリー量はエネルギーの表示、塩分量はナトリウムの表示を見ると確認できますので、少しでもカロリーや塩分の少ない商品を選びましょう。
ナトリウム量から食塩相当量を導き出す計算式は「ナトリウム量×2.54=食塩相当量」です。ナトリウム量が2.0gの商品の場合「2.0g×2.54=5.08g」となり、約5.1gの食塩相当量を含んでいるということになります。
厚生労働省の資料によると成人女性の食塩相当量の摂取目安は、1日あたり7.0g未満が目標量とされています。麺やかやくとスープの食塩相当量を分けて表示している商品もあるので1日の目標量を超えないように選んで、スープを残すなど食べ方にも注意しましょう。
添加物の種類を確認する
カップラーメンによく使われている添加物のなかには、一部発がん性があるカラメル色素や、摂りすぎるとカルシウム不足につながる恐れのあるリン酸塩などがあります。
カップラーメンのパッケージには原材料名が表示されており、確認すると添加物の種類が多いことがわかります。それぞれの添加物の量については記載されていないため、種類が少なければよいというものではありませんが、注意してみるとよいでしょう。
体への影響を考えて原材料を確認し、添加物について事前に知ることや知識を持っておくことも大切です。
妊娠中のカップラーメンは選び方や頻度に気をつけながら食べよう
妊娠中の味覚やつわりの状況などによって、無性にカップラーメンばかり食べたくなる場合もあるでしょう。無理に我慢するよりは上手な食べ方を意識しながら食べるほうが妊婦さんのストレスも少ないかもしれません。
週1回までなどと自分でルールを決めて、いっしょに食べる食材やその日の食事で摂る栄養のバランスを工夫しながら、カップラーメンを食べられるとよいですね。
監修:杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
Profile
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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