【産婦人科医監修】妊娠中のアイスがやめられないときの注意点と対処法

アイスは食べてもよいの?食べる時の選び方

【産婦人科医監修】妊娠中のアイスがやめられないときの注意点と対処法

妊娠中につわりがひどいときや食欲のないときでも食べやすいアイス。アイスがやめられない、1日2個以上食べてしまうという妊婦さんもいるのではないでしょうか。妊娠への影響も心配だけれどアイスが食べたい妊婦さん向けに、アイスの種類別の特徴や食べるときの注意点について解説します。

妊娠中にアイスばかり食べても大丈夫?

妊娠初期はつわりがひどく、食欲がなくなる妊婦さんもいるでしょう。つわりがつらいときでも冷たくてのどごしがよく口がさっぱりするアイスなら食べられるという妊婦さんもいるようです。

アイスばかり食べていると、栄養が偏ったり身体が冷えてお腹のなかの赤ちゃんに影響がないか心配になる人もいるかもしれません。

アイスを食べるときには種類別の特徴やカロリーなどを考えて選ぶこと、また体調の変化に気をつけながら食べることが大切です。

アイスの種類

アイスに使われる牛乳のほとんどは水分でできており、水分を除いた成分は乳固形分と乳脂肪分に分けられます。

乳固形分にはたんぱく質や炭水化物、ミネラルやビタミンなどの栄養が含まれており、乳脂肪分の多さはミルクの味わいに影響するといわれています。

この乳固形分と乳脂肪分を含む量によってアイスの種類は分けられます。


アイスクリーム

カラフルなアイスクリーム
iStock.com/udra

アイスの種類のなかで乳固形分と乳脂肪分が最も多く含まれており、ミルクの味が濃厚なのがアイスクリームです。

乳固形分が多く栄養が含まれているのと同時に、乳脂肪分の多さによりカロリーも高くなる傾向にあるので注意が必要です。


アイスミルク

アイスミルクはアイスクリームと比べると乳固形分と乳脂肪分が含まれる割合が少ないですが、植物性油分が含まれる場合があります。

植物性油分は加熱すると化学物質を発生するものもあります。


ラクトアイス

アイスミルクより乳固形分と乳脂肪分が少ないものがラクトアイスです。乳脂肪分の代わりに植物性脂肪を使っている場合や、合成甘味料などの添加物が多く含まれている場合があります。

商品によってはアイスクリームよりカロリーが高いこともあるので、選ぶときにはカロリーを確認しましょう。


氷菓

果汁などを凍らせたアイスキャンディーやかき氷を氷菓といいます。乳固形分と乳脂肪分はほとんどないためその他のアイスよりカロリーが低い場合がほとんどです。

氷の程よい固さで食べ応えがあり果汁などの爽やかな味のものが多いので、1日に2個以上アイスを食べたくなったときには氷菓を選ぶのも一つの方法です。

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妊娠中にアイスを食べるときの注意点

妊娠への影響を気にしながらもアイスがやめられない妊婦さんもいるでしょう。アイスが食べたいと思ったときに注意すべき点と対処法を併せてご紹介します。


食べすぎない

体重を測る女性
iStock.com/ShotShare

添加物や多くの脂肪分が含まれているものもあるため、アイスばかり食べていると体重が一気に増加する場合があります。急激な体重増加は妊娠糖尿病を引き起こしたり難産につながる可能性があるため、食べすぎないように注意しましょう。

アイスの食べすぎは腹痛や下痢を引き起こす場合もあるので、お腹の調子がよくないときは食べるのを控えましょう。

カップアイスなどはそのままで食べずに半分の量を皿に盛りつけたり、小分けにして食べられるものを用意するなど工夫することが大切です。


身体の冷えに注意する

妊娠中はお腹が大きくなり、運動不足やストレスなどから血行が悪くなり、身体が冷えやすくなります。冷たいアイスばかりを食べていると身体の冷えが悪化する場合があるため注意が必要です。

妊娠中にアイスを食べることでお腹のなかの赤ちゃんに影響はありませんが、1日に2個も3個も食べると身体を冷やす原因になります。

冷たいアイスだけでなく前後に温かいものを摂ったり、体を冷やしすぎないよう服装や室温に配慮しましょう。


アイスのカロリーを確認する

アイスの種類や使用している添加物によって、それぞれの商品のカロリーは異なります。なかにはアイス1個で400キロカロリー近いものもあります。

商品によっては1個当たりのカロリーではなく100mlあたりで表示されている場合もあります。アイスを選ぶ際はパッケージの栄養成分表示でカロリーを確認するとよいでしょう。


アイスの原材料名を確認する

アイスはさまざまな味、原材料のものがあります。

ラムレーズンアイスにはアルコールが含まれています。ラムレーズンアイスを1つ食べた程度ではお腹のなかの赤ちゃんに影響はしませんが、妊娠中はアルコール入りのアイスは控えた方がよいでしょう。

チョコミントアイスはミントエキスなどの清涼感を感じさせる成分が子宮収縮を引き起こす可能性があります。また抹茶アイスの抹茶もカフェインを含んでいるので注意が必要です。

妊娠中のアイスは体調を考えながら食べよう

妊婦と夫
iStock.com/Yue_

妊娠中にアイスを食べるときは体調や食べるタイミング、アイスの種類などを考えて、急激な体重増加や身体を冷やさないように気をつけることが大事です。食べすぎや添加物に注意をすれば、アイスの甘さや冷たさは妊娠中の気分転換になるでしょう。

成分やカロリーを気にせず楽しみたい場合やは、アイスが食べたいと思ったときのために果物や果汁を凍らせておいたりアイスを手作りするのも一つの方法です。

妊娠中のアイスは、食べ方を工夫しましょう。

監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

Profile

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。 患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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