【小児科医監修】あせもは冬でもなる?赤ちゃんの冬場のあせもと治し方

あせもの原因と予防法について

【小児科医監修】あせもは冬でもなる?赤ちゃんの冬場のあせもと治し方

あせもは夏になる病気だと思っている人が多いかもしれません。冬なのに赤ちゃんにあせものような症状が出ているけれど、冬でもあせもになるのでしょうか。冬場のあせもになる原因や治し方、予防法について解説します。

冬でもあせもになる?

汗をたくさんかいてそまま放っておくと、汗の通る管に汗がたまってあせもができます。あせもは、汗をかく夏になるものというイメージが強いかもしれませんが、新陳代謝のよい赤ちゃんや子どもは冬でもあせもになりやすいので注意が必要です。

冬にあせもになる原因

冬場はエアコンで室内を温めたり、赤ちゃんに寒い思いをさせないように厚着をさせるママが多いかもしれませんが、赤ちゃんは、大人よりも汗っかきなので厚着をしている上に室内温度が高めだとママやパパが気づかないうちに汗だくになっていてあせもができることがあります。

あせもができやすい部位

あせものできやすいお尻
iStock.com/Konstantin Aksenov
  • お尻
  • くび
  • 背中
  • 脇の下
  • ひじの内側
  • ひざの裏

オムツをしているお尻や腰回り、足の付け根は蒸れやすく、あせもになりやすいです。また赤ちゃんは寝ている時間が長いので、背中に汗がたまりやすくあせもができやすいです。座ったり、ハイハイができるようになると手足を曲げることが多くなるので、肘の内側や膝の裏などの部位も汗が溜まりやすく、あせもになりやすいです。

赤ちゃんは肉付がよく、首などしわの多いところや関節部分は汗が溜まり、あせもになりやすいので、注意が必要です。

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あせもの治し方

赤ちゃんによく見られる水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)であれば、汗を流して清潔に保ち、身体を清潔にすると自然と治ることがほとんどです。

お風呂のあとや、オムツ替えのときにあせもができていないか赤ちゃんの身体を隅まで確認することが重要です。あせものような症状が見られ、肌を清潔にしていてもなかなか治らずに症状が悪化するときには受診しましょう。

あせもの治し方には、塗り薬を処方される場合が多いようです。医師の指示に従って薬を使うことであせもは治すことができます。

あせもの予防法

あせもにならないために家庭ではどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。


室内温度を整える

室内温度は25℃
iStock.com/spukkato

20~25℃程度が赤ちゃんにとって快適な温度になるので室内温度の目安にし、エアコンの温度を高くし過ぎないことが大事です。赤ちゃんの顔や身体が赤くなっていたり、暑がっていないか確認しましょう。


厚着をさせ過ぎない

赤ちゃんが寒くないか心配でつい厚着をさせたくなるかもしれませんが、赤ちゃんは大人よりも体温が高く、新陳代謝がよいので必要以上に厚着をさせてしまうと汗をかいてあせもになる場合があります。赤ちゃんの洋服は、大人より1枚少ない枚数を目安にして、肌着は綿やガーゼなど汗を吸収しやすい素材を選ぶようにしましょう。

暑い、寒いなどの思いをまだ言葉で伝えられないので、ママやパパが赤ちゃんの様子をしっかりみて部屋の温度に調節したり、快適に過ごせる服装にしてあげることが大切です。

ウエスト部分や靴下がきついと汗が溜まりやすく、あせもができやすくなるので、締めつけの少ないゆったりした服や、身体に合ったサイズの服を選ぶことが大切です。


汗をこまめに拭く

汗をかいていないかをこまめに確認し、赤ちゃんが汗をかいていたら蒸れタオルで汗を拭いたり、着替えさせます。

オムツは蒸れやすく、お腹のゴムの部分や足の付け根の部分は特に汗をかきやすいのであせもができていないか気をつけてチェックしましょう。


薄めの布団にする

赤ちゃんが寝ているとき寒くないようにと厚手の布団を選ぶと、赤ちゃんが寝たときには汗をたくさんかいていることがあります。

通気性のよいタオルケットの上に毛布をかけたり、薄手の毛布をかけて、赤ちゃんの様子をみてもう1枚布団を重ねる程度がよいでしょう。


保湿をしっかりする

冬は乾燥しやすい季節なので、しっかり保湿しましょう。保湿をすることで肌のバリア機能が高まり、外からの刺激やダメージを受けにくくなるので、あせもを防ぎやすくなります。

お風呂あがりやオムツ替えのあとにベビーローションなどを使って赤ちゃんの肌を保湿する習慣をつけるとよいです。

ベビーパウダーはつけすぎると、汗の通る管をふさいでしまい、反対にあせもになる原因になるので要注意です。

冬にもあせも対策をしっかりしよう

赤ちゃんの保湿
iStock.com/Favor_of_God

あせもは、夏にだけなる病気ではなく、冬にもなることがあります。

冬場は赤ちゃんが寒い思いをしないようにと部屋の温度を上げたり、暖かい格好をさせるママも多いかもしれませんが、体温が高く新陳代謝がよい赤ちゃんは、冬にもあせもができやすいので注意が必要です。

赤ちゃんの服装は大人よりも1枚少めを意識して着せすぎず、赤ちゃんが汗をかいていたらすぐに着替えたり、部屋の温度調節やなどがあせも予防になります。

あせもが出来てしまったときには、肌を清潔に保ち、それでも症状がよくならないときには受診して、適切な対処をするとよいでしょう。
赤ちゃんの様子をママやパパがきちんと治し方の確認をしてあせも対策や治し方をきちんと把握して冬場の赤ちゃんのあせもを防ぎましょう。


監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)

Profile

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。 症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。 お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。

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