ダブルワークの場合の源泉徴収や年末調整。提出方法や源泉徴収税の甲欄や乙欄の見方

ダブルワークの場合の源泉徴収や年末調整。提出方法や源泉徴収税の甲欄や乙欄の見方

ダブルワークでアルバイトやパート、契約社員などを掛け持ちしている場合、年末調整の手続きをどうしたらよいか気になるママもいるかもしれません。今回の記事では年末調整の仕方、源泉徴収額にかかわる提出が必要な書類、源泉徴収税額表に記載されている甲欄や乙欄について解説します。

ダブルワークの場合の年末調整

働き方が多様化するなかで、パートやアルバイトなどを掛け持ちするダブルワークをしているママもいるようです。会社から給与を受け取っている場合は1年に1度、年末調整の手続きを行いますが、ダブルワークの場合は手続きに違いはあるのでしょうか。


源泉徴収と年末調整

源泉徴収とは、パートなどで給与を得ている場合に、個人に代わって給与や報酬などの支払いを行う者が関係する税金を差し引いて納税する制度とされています。源泉徴収された所得税をもとに、1年間の給与総額に定められる納税額を調整して過不足を精算することを年末調整と言うようです。

一般的に、給与の支払いを受けている方は勤務先での年末調整により納税が完了しますが、
ダブルワークなどで2カ所以上から給与を受け取っていると、もう一方の収入について確定申告が必要になる場合もあるそうです。


年末調整に必要な書類

基本的には、ダブルワークで2カ所から収入を得ている場合も年末調整の提出の手続きを行う勤務先は1カ所となるようです。国税庁の資料によると、年末調整において給与所得者が扶養控除などを受けるには「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が必要とされています。また、保険料控除を受けるには「給与所得者の保険料控除申告書 」の提出が必要とされ、これによって源泉徴収税額が違ってくるといわれています。

年末調整を行わない方の収入に関して確定申告をする際は、源泉徴収票の提出が必要になるので忘れず保管しておきましょう。


正社員や契約社員の場合

オフィス
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厚生労働省の資料によると十分な収入の確保を目的として、副業や兼業を希望する正社員や契約社員の方は年々増加傾向にあるとされていますが、副業や兼業を認めていない企業もあるようです。年末調整の納税額によって収入がわかる場合もあるので、勤務先がダブルワークを認めているかどうか事前に確認しておくことも大切になってくるでしょう。

源泉徴収票の見方

一般的に、年末調整の計算が完了すると源泉徴収票が発行されるといわれています。勤務先で年末調整をする場合でも、確定申告を行う場合でも、知っておくとよい源泉徴収票の項目について見ていきましょう。

出典:給与所得の源泉徴収票/国税庁

支払金額

源泉徴収票に記載されている「支払金額」は、税金を引かれる前の1年間の給与総額を指すようです。国税庁の資料によると、パートなどの給与の支払金額が年間103万円以下で他に収入がない場合、所得税がかからないとされています。

ダブルワークをしている場合、メインの収入となる勤務先で年末調整を行うという方も多いようです。メイン以外の給与が20万円を超える場合に確定申告が必要になるので、しっかりと把握しておくとよいでしょう。


給与所得者控除後の金額

給与所得者控除後の金額には、年収に応じた給与所得控除を差し引いた金額が記載されています。一定額が差し引かれることでその分の税金が控除されるので、経費のようなものと捉えるとよいかもしれません。給与所得者控除額は年収に応じて変わりますが、最低額は65万円となっています。


源泉徴収税額

源泉徴収票
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源泉徴収税額は、1年間のうちに実際に源泉徴収された所得税の合計額を指します。ここに記載されているのが年間の給与収入や各種控除を集計し、税率をかけて計算した最終的な所得税額となるようです。年末調整によって精算された後の金額が記載されているので、実際の納税額を確認したいときは源泉徴収税額の欄をチェックしましょう。

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源泉徴収税額表の見方

パートやアルバイトに給与を支払う際に、源泉徴収する税額は国税庁が定める「給与所得の源泉徴収税額表」をもとに計算されるようです。源泉徴収税額表について、実際にパートやアルバイトの税額の計算にかかわる種類と項目をご紹介します。


月額、日額

源泉徴収税額表には、月額表と日額表の2種類があるようです。月毎に給与が支払われる場合は月額表、日雇いや短期間雇い入れるアルバイトなど日割り計算によって給与が支払われる場合は日額表を使うとされています。


甲欄、乙欄

源泉徴収をする所得税は、月額表または日額表に記載されている「甲欄」「乙欄」を使って求められ、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している場合には甲欄、提出していない場合には乙欄を確認するとよいようです。甲欄と乙欄のほかに、日額表にのみ記載されている丙欄という項目がありますが、こちらは日払いなどで支払われる給与が対象となります。

ダブルワークと確定申告

確定申告が必要な場合

ダブルワークなどで2カ所以上から給与の支払いを受けており、メインとなる給与以外の収入金額が20万円を超え、かつ勤務先で年末調整を行わない収入については、確定申告の手続きが必要になるようです。自分で仕事を受注するフリーランスや在宅ワークの場合は、個人事業主という形になるので忘れず確定申告を行うようにしましょう。


確定申告の仕方

確定申告には収入に関する書類として源泉徴収票や、収入金額及び必要経費がわかる書類などの提出が必要とされています。年末調整せず確定申告を行う場合は、インターネットで申告書が作成できる国税庁の「確定申告書等作成コーナー」をチェックしてみてはいかがでしょうか。わかりやすく解説されているので、初めて確定申告する方にも安心かもしれません。

年末調整の手続きを忘れずに

PCを使用するママ
iStock.com/kohei_hara

アルバイトやパート、契約社員などさまざまな働き方のなかでダブルワークを選ぶ場合は、収入の合計金額によって変わる源泉徴収額についても知っておけるとよいかもしれません。ダブルワークをしていても、年末調整の手続きは1カ所の勤務先で行うことが基本とされていますが、副業の収入によっては書類などを提出して確定申告をする必要があるそうです。

実際に支払う所得税は、源泉徴収税額表の甲欄や乙欄をもとに求められるので、気になる場合はそちらもチェックしてみましょう。源泉徴収票に記載された項目を確認し、正しく手続きを行えるとよいですね。


※記事内で使用している参照内容は、2018年9月5日時点で作成した記事になります。

2018.08.06

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