ダブルワークの社会保険加入条件。健康保険や厚生年金保険について

健康保険証や保険料など加入する上でのポイント

ダブルワークの社会保険加入条件。健康保険や厚生年金保険について

ダブルワークでパートを掛け持ちしている場合、健康保険加入や厚生年金加入など、社会保険加入条件は1箇所で働いてる場合と違うのかが気になる主婦の方もいるもしれません。今回は社会保険加入者になるための条件と、健康保険証や保証内容など申請によって変わることについて体験談を交えてご紹介します。

ダブルワークで社会保険加入を考えるとき

メインの仕事をしながらもうひとつパートなどを掛け持ちするダブルワークをしている主婦の方もいるのではないでしょうか。ダブルワークをする過程で、パートの収入が増えた場合に社会保険料の支払いが必要になり、社会保険加入条件について考える場面もあるもしれません。そこで今回は、社会保険加入条件や加入する際のポイントについて調べてみました。

パートの社会保険加入条件

まずは、パートなどで働いている主婦の方に関わりのある社会保険の種類と加入条件をご紹介します。


社会保険とは

社会保険には「健康保険」と「厚生年金保険」などがあるようです。厚生労働省の資料によると、健康保険は労働者やその家族が病気やけがをしたとき、出産をしたときなどに必要な医療給付や手当て金の支給をする制度とされています。

加入している健康保険から発行された健康保険証を病院に提示するなど、日常で必要になるシーンもあるかもしれません。また、厚生年金保険は労働者が高齢となった場合や、何らかの病気やケガによって働けなくなったときなどに保険給付を行う制度のようです。


社会保険加入条件

健康保険と厚生年金保険、どちらの社会保険加入条件にも大きく違いはないをされています。厚生労働省の資料によるとパートやアルバイトの場合、1日または1週間あたりの労働時間が、正社員などフルタイム労働者の4分の3以上あることが社会保険加入条件となるようです。 同じく1カ月あたりの労働日数が、フルタイム労働者の4分の3以上ある場合も加入できるそうです。


雇用保険の加入条件

雇用保険の証明書
© 崇正 魚谷 - Fotolia

パートの方も加入する場合がある雇用保険については、健康保険と厚生年金保険とは加入条件が異なるようです。雇用保険は、労働時間が週20時間以上であることや31日以上の雇用見込みがあることが加入条件とされています。自身が加入してるか気になる場合は勤務先で確認しておくと安心かもしれません。

出典:人を雇うときのルール / 厚生労働省
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健康保険証

一般的に国民健康保険から社会保険に入れ替わるとき、交付される健康保険証も変わるとされています。また、夫の扶養となり夫の会社の保険に入っていた主婦の方も、自身で社会保険に加入することで保険証が変わるようです。

反対に社会保険に加入していた会社を退職する場合、任意継続や国民健康保険への加入といった手続きが必要になるそうです。任意継続の手続きをして健康保険証が送付されるまでの期間についても、保険給付の対象とされています。

保険証が送付されるまでの間に医療機関で診療を受けて、医療費を全額ご負担された場合には、保険証がお手元に届きましたら、「療養費支給申請書」を協会けんぽ支部にご提出ください。保険負担分をお支払いいたします。

出典: 任意継続の加入手続について / 全国健康保険協会

健康保険証の発行については、勤務先や加入する健康保険組合で内容などを確認しておくとよいかもしれません。


保証内容

加入する保険機関が変わることで、 受けられる保証や制度なども違ってくるようです。全国健康保険協会のホームページによると、被保険者のみを対象に申請によって出産手当金を受けられるとされています。

出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休み給与の支払いがなかった期間を対象としてお支払いします。

出典: 出産手当金について / 全国健康保険協会

他にも、病気やケガで会社を休んだ期間に対して傷病手当金の申請ができる場合もあるようです。いずれの場合も、申請を希望するときは対象となる期間や支給額の計算方法について確認しておけるとよいかもしれません。


保険料

病院
© ismagilov - Fotolia

社会保険の健康保険料と国民健康保険との違いとして、保険料の算出方法が挙げられるようです。社会保険の健康保険料については以下のように紹介されています。

保険料の額は、被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額に保険料率(一般保険料率+介護保険料率)をかけた額となります。

出典: 費用の負担 / 全国健康保険協会

都道府県によっても違いがあるようですが、基本的には標準報酬月額×保険料率で算出するようです。また厚生労働省の資料には、保険料は事業主と労働者である社会保険加入者が折半で負担するとも記載されています。

また、全国健康保険協会のホームページによると、確定申告をする場合の社会保険料控除について以下のように記載されています。

納付いただいた保険料は全額が社会保険料控除の対象となります。領収書は大切に保管ください。なお、口座振替により毎月保険料を納付された場合には、毎月の領収書は発行されません。「保険料納付証明書」を12月中旬にお送りします。

出典: 保険料について / 全国健康保険協会

領収書を紛失してしまったときに、領収書に代わる「保険料納付証明書」を発行される場合もあるようなので、確定申告の準備をする際には確認しておくと安心かもしれません。

出典:人を雇うときのルール / 厚生労働省

ダブルワークの社会保険加入者が意識したこと

ダブルワークの社会保険加入者の方に、加入する上で意識したポイントについていていました。


どの勤務先で加入するか

「もうひとつ仕事を増やしてダブルワークすることを考えたのですが、2箇所の勤務先どちらで社会保険への加入の申請をすればよいか迷いました。同じくダブルワークをしていた知人に相談し、収入が多い方の勤務先で手続きを行いました」(30代ママ)

勤務先が2箇所ある場合、メインの収入を受け取っている会社で社会保険の申請を行ったという声がありました。迷った際には、勤務先に相談したり雇用条件で選んだりして決められるとよいかもしれません。


労働時間

「社会保険の加入条件や保険料を考え、パートのシフトを増やすことにしました。労働時間が増えるので、無理のないペースで働けるようスケジュール管理を心がけました」(20代ママ)

パートで社会保険加入者となったとき、以前より労働時間を増やした主婦の方もいるようです。ダブルワークとなる場合は、2箇所で勤務することを考えスケジュールのバランスなどを考えることも大切になってくるかもしれません。

社会保険について確認しておこう

家族
iStock.com/Yuji_Karaki

社会保険のなかの健康保険加入や厚生年金保険の加入について、パートの場合はフルタイム勤務の4分の3以上の労働時間または日数であることが条件とされているようです。社会保険加入者となった主婦の方からは、健康保険証の発行のタイミングや必要な申請について事前に確認しておいたという声も聞かれました。

ダブルワークをするときには、自身の社会保険加入条件や保証内容、保険料について知っておけると安心かもしれませんね。


※記事内で使用している参照内容は、2018年1月8日時点で作成した記事になります。

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