喪中時のお歳暮のマナーとは。贈るときや受け取った際の注意点など

喪中時のお歳暮のマナーとは。贈るときや受け取った際の注意点など

喪中のときにお歳暮を贈ったり、受け取った際のマナーにはどのような点に気をつけるとよいのでしょうか。今回の記事では、お歳暮のマナーについて、相手が喪中のとき、自分が喪中のときに気をつけることや喪中のときの送り状やお礼状の書き方と例文、お歳暮の品、のし、水引のマナーについて紹介します。

喪中のときのお歳暮マナー

お歳暮は1年の締めくくりに12月上旬から下旬にかけて、日頃からお世話になっている方や友人、両親などに対して感謝の気持ちとして贈るものです。ママやパパはお歳暮の時期になると、準備などで慌ただしくもなる時期でしょう。

そんなお歳暮ですが、相手や自分が喪中のときに、お歳暮を贈ったり受け取ったりしてもよいのか迷うママやパパもいるかもしれません。

喪中は家族や親族が亡くなったときに、一定の期間、死をいたみ身を慎む儀礼です。喪中の期間は大体、1年間でその間は慶事(祝い事)などを控えます。

お歳暮は祝い事ではなく、感謝の礼を伝えるものなので基本的には、喪中でもお歳暮のやり取りはしても問題ないとされているようですが、喪中のときのお歳暮のやり取りにはマナーがあるようです。相手が喪中のとき、自分が喪中のときには、それぞれどのようなマナーがあるのでしょうか。

相手が喪中の場合

菊の花と数珠
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相手方が喪中のときは、お歳暮を贈る時期や品物などを配慮する必要があるようです。


お歳暮を贈る時期に注意

贈る相手方が忌中の場合は、一般的にお歳暮を贈ることは避けたほうがよいでしょう。四十九日内は身内の不幸があってから、慌ただしかったり、落ち着きたい期間でもあるかもしれません。また、お歳暮というよりも香典としての意味合いが強くなってしまうようです。

配達の都合や忌明けの日によってはお歳暮の時期を逃してしまうこともあるでしょう。お歳暮の時期を過ぎてしまい、正月以降に贈ることになってしまう場合は、表書きを「寒中見舞い」に変更し贈るとよいでしょう。

また、お歳暮が新年の松飾りを飾る「松の内」の期間に届いてしまうと、お年賀の扱いになりかねないので注意が必要です。


お歳暮の品物について

お歳暮の品物を選ぶときも、気をつける必要があります。

喪中の場合、お祝いの意味合いが強い品を選ぶのはあまりよくないようです。最低限、感謝の品ということを心に留め品物を選びましょう。

慎みを持って、華やかすぎない日用品などもよいかもしれませんね。


のし、水引について

のし(熨斗)や水引などの飾りにも気をつけましょう。のしは基本的に祝儀などにつける飾りですので、喪中のときは外したほうがよさそうです。

また、水引に関しても喪中のときに、慶事に使う紅白の帯はふさわしくないようなので外しましょう。白無地のシンプルなのし紙に「お歳暮」、または「寒中見舞い」と書き、品物に添えるとよいようです。


故人宛へのお歳暮

もしも、自分がお世話になった人が亡くなってしまった場合、せめてもの感謝を伝えたいと思う人もいるかもしれません。

生前親しかった人に対しては、毎年のようにお歳暮を贈る人もいるようです。相手方の家族が、毎年感謝の品を贈ってもらうことが嬉しいという場合、お歳暮を贈り続けるのもよいかもしれません。

ただし、相手方の家族によっては一定の期間を目安に今後はもうお歳暮を贈らないでほしいということもあるようです。

どうしても感謝だけでもと思う人は、時期をずらし「寒中見舞い」として贈り、送付状に相手方を気遣う文と感謝の意、そして今後はお歳暮を控えるという旨を書いておくとよいようです。

お歳暮を故人宛に贈り続けるか、今後は控えるかは、相手方が故人宛へのお歳暮をどのように捉えているかによるでしょう。今後のお歳暮をどうするのかについて、一度相手方と話をしてもよいかもしれませんね。

自分が喪中の場合

自分が喪中のときは、お歳暮を贈る、受け取ることに関して問題ないようです。

ただし、四十九日内の忌中の場合は、忌中の人から贈り物が届くことを忌み嫌う人もいるかもしれないので、忌中はお歳暮のやり取りには注意が必要でしょう。

のし、水引については、自分が喪中のときも、慶事で使用するのし飾りや紅白の水引などは使用せず、白無地のシンプルなのし紙に「お歳暮」、または「寒中見舞い」と書き、品物に添えましょう。

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喪中にお歳暮を受け取ったら?

喪中の知らせが届いていなかった場合などで、喪中のときにお歳暮を受け取ることがあるかもしれません。

故人宛にお歳暮が届いたのであれば、お歳暮の品はありがたく頂戴して問題ないようです。受け取り後は、同等の品にお礼状を添えてお返しするとよいでしょう。

故人ではなく親族の自分にお歳暮の品が届いたときも、受け取っても問題ないようですが、お返しする際は喪中であることを忘れずに、のしや水引などの飾りを外し、白無地のシンプルなもので品を包みましょう。

喪中のときの送り状やお礼状について

手紙を書く
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喪中のときのお歳暮のやり取りがある場合、送り状やお礼状はどのような点に気をつけるとよいのでしょうか。


相手が喪中の場合

相手が喪中の場合の送り状やお礼状には、相手への慰みの言葉を長くなりすぎないよう簡潔に添えるとよいでしょう。

喪中の相手からお歳暮をいただいた場合は、
「◯◯様のご服喪期間中にもかかわらず、ご家族の皆様にはお寂しいなか変わらずのお心配りをいただき大変恐縮しております。」

喪中の相手にお歳暮を贈る場合は、
「お葉書で◯◯様のご逝去を知り、お悔やみのご挨拶も遅れてしまい誠に恐縮している次第でございます。ご生前には〇〇様には大変お世話になりました。」

相手が喪中のときは「皆様におかれましては、ご健勝のこととお慶び申し上げます」などの文はふさわしくないようなので、使用を控えましょう。


自分が喪中の場合

自分が喪中の場合、お歳暮の送付状で喪中であることを知らせる文は必要ありませんが、相手から気遣いの文が添えられた送付状が届いたときは、返事を書くとよいでしょう。

故人宛に届いた場合は、
「生前と変わらぬご厚情に感謝申し上げます。頂戴した品はさっそく仏前に供えさせていただきました。〇〇もさぞかし感謝していることと存じます。」

喪中の自分に届いた場合は、
「この度はお心のこもったお品を頂戴いたしまして誠にありがとうございました。〇〇の葬儀の際には大変お世話になりました。私ども親族一同、ようやく落ち着きを取り戻して参りました。重ねて御礼申し上げます。」

喪中の自分にお歳暮が届いた時、お礼状で自分や家族の近況を伝える文を添えると、相手も安心するかもしれません。

また、故人宛のお歳暮を今後は受け取らないということであれば、「今後はお気遣いなさいませんよう、お願い申し上げます。」などの一言を添えるとよいでしょう。

喪中のときのお歳暮はマナーと心遣いが大切

風呂敷に包まれたお歳暮
hungryworks/Shutterstock.com

喪中のときにお歳暮を贈ること、受け取ることをためらう人もいるかもしれません。

ですが、喪中であってもお世話になった人への感謝をすること、感謝を受け取ることは忌むべきことではないようですので、お歳暮のやり取りは問題ないようです。送付状やお礼状の文、お歳暮の品物、のしや水引などの飾りは喪中のマナーに沿い、相手への心遣いも忘れないことが大切です。

2018.08.22

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