話題の男性保育士、てぃ先生にきく。子どもに自主性をもたせ、周りに目を向かせる方法

話題の男性保育士、てぃ先生にきく。子どもに自主性をもたせ、周りに目を向かせる方法

カリスマ保育士「てぃ先生」の人気連載コラム。今回は、多くのパパとママが気になる「子どもに自主性をもたせることと周りに目を向かせるために必要なことについて教えてくれました。

こんにちは!てぃ先生です。

前回の「保育士さんが子どもに話をきいてほしいときに使う方法は?」、いかがだったでしょうか?

話題の男性保育士、てぃ先生にきく。保育士さんが子どもに話を聞いてほしいときに使う方法

話題の男性保育士、てぃ先生にきく。保育士さんが子どもに話を聞いてほしいときに使う方法

お話を聞ける子どもになってほしいと思うのであれば、まずは楽しいお話から始めてみましょう!

今回は、多くのパパママが気にしていること。「子どもに自主性をもたせたい、周りに目を向かせたい」についてお話したいと思います。

子どもにとってパパとママは「基地」

ママと子ども

よく「うちの子は自主性がない」「周りに目が向かない」と心配なさっている方がいますが、それは急ぎすぎ、または子どもに準備をさせていないことが原因かもしれません。

具体的にどういうことか。専門的な用語を使うと伝わりにくくなってしまうと思うので、噛み砕いてわかりやすく説明します。

子どもにとってパパママは「基地」です。

皆さんご存知の通り、基地は活動の拠点となる場所のことです。

子どもは、身体的にも精神的にも成長してくると、基地から出発していろいろなものに関わろうとします。人との関わりもそう、物に触れてみるのもそうです。

基地から出発しようとしない場合は、性格的なこともありますが、まだその段階にきていないからです。なので、無理やり出発させず、子どもの準備が整うのを待ってあげてください。

ここでいう準備とは、基地が絶対に安心できる場所かどうかの確認、冒険する先がどのようなところなのかを基地から覗いてみることです。

基地が絶対に安心できる場所だと確信がもてない限り、子どもは出発しません。冒険先で何かあったとき、安心して戻ってこられる場所でないとならないからです。


「パパママは絶対に自分の味方だ」「絶対に守ってくれる」

この気持ちをもつには、愛情をもらう以外にありません。
だからこそ、


幼い頃からの目一杯の愛情、スキンシップやコミュニケーションが大切なのです。


その確認ができると、今度は冒険先の下見をします。

基地の近くから「どんな感じなんだ?」と覗いてみるのです。基地の近くは安全ですから、何かあったときはすぐに戻ってきます。そこで無理に「いってきなさい」と押し出されてしまったら安心することができません。

「戻りたい戻りたい戻りたい」

この気持ちでいっぱいになってしまいますから、「いつでも戻っておいで」と戻りやすい環境を整えて待っていてあげましょう。

いよいよ冒険へ出発

冒険する子ども

基地からの下見が終わるといよいよ出発し、今度は基地から離れて冒険をします。それが上手くいくこともありますが、当然、数多くの失敗もあります。

冒険が上手くいってもそうでなくても、どちらにせよ、子どもは基地に戻ろうとします。結果を基地に報告したいからです。


「上手にできたよ!」「できなかった…」

それを聞いてほしい、共感してほしい、そう思ってのことです。

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親子
© Monet – Fotolia

戻ってきたら、褒めるなり、慰めるなり、とにかく子どもの冒険を認め、気持ちに共感してください。

「なんでもっと上手にできなかったんだ」
「だからダメだって言ったじゃない」

などと言ってしまうと冒険が嫌になってしまいます。


失敗したっていいんです。むしろ失敗こそが、冒険の大きな収穫です。


準備→出発→冒険→基地→準備→出発→冒険→基地

これを何度も何度も繰り返し行うことで、自然と子どもは自信を持ち、さらに大きなフィールドへ冒険に行きたい!という気持ちになるのです。

子どもに冒険をさせるには、まずは基地の整備から。

周りの子と比べる必要なんてありません。
焦らず、子どもの成長に合わせて進めてみてください。

ご参考までに。

執筆:てぃ先生

Profile

てぃ先生

てぃ先生

関東の保育園に勤める男性保育士。 ちょっと笑えて、可愛らしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は46万人を超える。 Twitter原作のマンガ『てぃ先生』(KADOKAWA/メディアファクトリー)は20万部を突破、著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)は15万部を超える大人気作に。他にも『ハンバーガグー!』『園児がくれた魔法の言葉』などを出版。 保育士として勤務する傍ら、その専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演活動も年間50本以上。 他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。 ちなみに、名前の読み方は「T」先生。

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