てぃ先生が答える!ママたちが抱える保育園のモヤモヤ解決法

てぃ先生が答える!ママたちが抱える保育園のモヤモヤ解決法

子育てに関するママパパのさまざまなお悩みに、現役保育士のてぃ先生とKIDSNA編集長・加藤が赤裸々にトークするKIDSNA TALK。今回は「家庭と子育て方針が合わない」「子ども同士がケンカしたときの対応にモヤモヤ」など、保育園にまつわるお悩みに、てぃ先生とトークします。

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KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

まず大きなテーマとして「家庭の子育て方針と子どもの通う園の子育て方針に乖離があった場合、どうしたらいいですか?」という質問。てぃ先生が働く保育園とほかの保育園とではまったく同じではないと思うのですが、一般論としてどうするべきでしょうか?

てぃ先生
てぃ先生

これ本当悩ましい問題で、実はそれってご家庭の問題や価値観だけの話ではなくて、国全体の問題だと僕は思ってるんですよ。

特に首都圏はいまだに待機児童問題が解決していないままになっていて、そうすると、入る前からどう考えても「ここは合わなそうだな……」という園でも希望欄に書かなければいけないじゃないですか。

だからこの問題は、お母さんたちが考え方を変えるのではなく、「保育園を選べない」というそもそものシステムの根本を変えなければどうしようもないと思います。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

とにかく入れそうなところは全て書くという状況は問題ですよね。

てぃ先生
てぃ先生

都内のある区ではいまだに第10何希望まで書かないと入れないと言いますし……。

たとえば、入園前に「うちの園はものすごく泥だらけになります」と説明されて、「それは困る」と思っても、近くに園がないからしょうがなく第8希望くらいに書いて、見事その園に通うことになる人もいるわけです。

それでいざ入って「何で毎日泥だらけで帰ってくるんですか?」と苦情を言われても、保育園側も困っちゃいますよね。

だから、これは保育園側が悪いわけでも、お父さんお母さん達が悪いわけでもなくて、国の仕組みとしての問題が大きいと思いますね。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

やっぱり入園前にある程度大きな園の方針は理解して、納得している園に申し込みできるような状況が必要ですね。

とはいえ、日々通わせている中で考え方の違いは何かしら出てくると思うので、細かい事例の対応について、てぃ先生にお聞きしていきます。

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KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

これはとてもよくあるケースだと思いますが、「子どもがお友達と喧嘩した時にどうコミュニケーションとるべきか」という問題。「園では喧嘩をしたら理由はどうあれ、とりあえずお互いが謝るという方針ですが、どっちも謝るなんておかしい。まずは話を聞いたうえで対応してほしい」というご意見。

てぃ先生
てぃ先生

「ごめんね」って言われたら、「いいよ」と言って許さなければいけないあの風潮は僕もよくないと思いますね。どっちも謝って、許してるから解決した風ですが、大人がそうさせてるだけなので本当に無意味だと思います。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

私も実際の経験としても結構ありますし、子どもに説明するのも難しかったです。納得していなくても、園という社会の中にいる以上、「しょうがないね」と言わなきゃいけないときもあって。それが子どもに対して矛盾してないかな?と気になります。

てぃ先生
てぃ先生

強いて言うなら、子どもが帰宅後もそのことを覚えているようであれば、おうちの中でその話をする時間を設けましょう。「本当は謝らなくていいんだよ」ではなく、「本当は〇〇君はこうしたかったんだよね」「こう思ってたんだよね」と代弁してあげるだけでいいと思います。謝ることが必要かどうかの判断は子ども自身がすればいいことなので。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

その行為自体がどうこうより、起こった事に対してのフォローですね。

てぃ先生
てぃ先生

あとはたとえば、「うちではこうだけど保育園ではこう」という教え方も全然悪くないと思います。3歳以上になると「何故ここではよくてここではダメなのか」まで理解できますよ。

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KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

次は、室内ライブカメラで随時子どもたちの様子が確認ができる園に通っている方からです。「子どもが意地悪されているようなシーンを目撃してしまい気になるものの、子どもが成長する過程で必ずあることと捉えて口出しせず見守るべき?」というご質問。

てぃ先生
てぃ先生

程度と連続性があるかどうかで判断ですね。たとえば、見るたびに特定の子に叩かれてるのであれば、すぐに言った方がいいじゃないですか。でも、たまたまその時だけポンってなっちゃったのであれば、そこまで目くじらを立てて言う必要もないし。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

やはり子どものことは守らなきゃいけないから、継続して見て判断するのがよいでしょうか。

てぃ先生
てぃ先生

ただ毎回同じ時間にそれが起こる訳じゃないし、カメラのない別のとこで叩かれてる可能性もゼロではないですから。気になるんだったら(先生に)1回聞いてみるのはいいと思いますよ。

そんなに気にしてる感じではない風をよそおって、「この間カメラを見てたら、たまたまそういう場面を見てしまって、相手の子と何かあったんですかね」と言ってジャブを打ってみるのがいいと思いますね。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

なるほど!一応「見てますよ」と牽制にもなるし、先生も気にかけて見てくれるかもしれないですね。

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KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

次は、「コロナ禍で保育園の教室に保護者は入ることができなくなり、以前なら先生と密にとれていたコミュニケーションがとれなくなった」という意見。

「本当は伝えたいことがあるけど、先生は消毒や健康チェックなどタスクが増えて忙しそうで、以前なら相談していたことでも話しかけることを躊躇してしまう」そうです。

てぃ先生
てぃ先生

お父さんお母さん達としっかりお話をするっていうのも僕らの業務のうちです。こんなこと言ったら同業者から怒られるかもしれないけど、「自分が忙しいから話せません」っていう保育士がいたら、その対応はよくないと思いますね。

保育園は子どもを単に保育するだけではなくて、お父さんお母さんや、近隣の方々など地域含めた連携が重要なので。それは保育指針に明記されてることですから。絶対言った方がいいと思う。どんなに忙しそうでも、一旦声をかけるくらいは絶対必要だと思いますね。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

その時が無理なら、連絡帳に書くとか伝えるべきことはきちんと伝えたほうがいいんですね。

てぃ先生
てぃ先生

やっていいと思います。たとえば、明らかにバタバタしていて「今日は話せなさそうだな」ってこともあるじゃないですか。それでも伝えたいことがあるときは、主任の先生や園長先生が、事務室にいらっしゃるはずなので、ほかの先生に代わりに話しかけても受け入れてくれるはずです。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

気を遣ってもやもやするのって1番よくないですよね。

てぃ先生
てぃ先生

そうそう。そこで言いたいことを溜めて、最終的にクレームみたいになってしまうくらいなら、こまめに言ってくれた方がいいと思います。

パートナーに対する愚痴と同じじゃないですか。最初は大したことなかったのに、積もりに積もっていくと最終的に爆発する(笑)。

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KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

最後は保育園の連絡帳についてです。とくに0~2歳頃までは連絡帳に毎日の生活時間や食べたものを記入しますが、変なものを食べたとか、こんな時間まで起きてたとか「保育園からどう思われるか不安で本当のことが書けない」という意見が多く寄せられました。

てぃ先生
てぃ先生

連絡帳に嘘を書いてくる人もやっぱいますね。たとえば、実際は毎日朝ごはんはバナナしか食べてないんだけど、「お味噌汁と焼き魚」と書いたとします。

そこで僕らが園児に「朝ごはんは何のお魚食べたの?」と聞くと、「お魚、食べてない」となり、「じゃあ何食べたの?」と聞くと「バナナ!」みたいな感じで判明します(笑)。毎日バナナでも全然いいんですけど保護者の方は勝手に気を遣ってしまうんですよね。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

私もかなり気にしてしましたね。「またパンと牛乳とバナナしか与えてない」みたいに思われないために、ちょっとプラスするんですよね。昨日の味噌汁をちょっとアレンジして「野菜も食べてるんですよ」みたいな(笑)。

見られてる意識から、ちゃんとやらなきゃいけないというプレッシャーと、食事をバランスよく与えていない=手抜き、ちょっと危ない親と思われるんじゃないかと……。本当に気にしなくていいんですか?

てぃ先生
てぃ先生

絶対気にしなくていいですよ!もしかしたら、「だめよママパパ!」と言ってくる園もあるかもしれませんが、それも気にしなくていいと思います。昔は栄養失調とかもあったけど、今はそれもよっぽどでなければないですしね。

よっぽど「この家庭は毎日そうめんしか食べさせてない」とかならどこかのタイミングで「最近忙しいですか?」という風に話をするかもしれませんけど。

KIDSNA編集長加藤
KIDSNA編集長加藤

なるほど、でもそれが分かるだけでも気が楽になりますね。

てぃ先生
てぃ先生

結局、連絡帳に真実が書いてないと保育園で活かせないんです。食べ物以外でも「昨日はパパと公園で〇〇をして遊びました」と書いてあるから、「パパと〇〇したの?」と聞いたら、「パパと遊んでないよ」みたいなこともあるんですよ。だから、本当に事実を書いてくれた方が嬉しいです。

もちろん僕たちも、お父さんお母さんが、「嘘書いてるよ」とは言わないですし、「そうなんだ」で流しますけど、年長さんぐらいだと「あれ?」ってなっちゃいますよね。

僕自身は家で一切自炊もしてないし、もちろん手作りの方がおいしい場合もあると思いますけど、あまり考えすぎず、冷凍食品とか便利なものをどんどん使えばいいのになと思います。

第2回「子どもが意地悪したとき・されたときの対応」はこちら

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