教育熱心はどこまで?
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不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
2021.06.29
読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。今回は丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が、夫婦関係や体に関するお悩みに答えます。
まず、30歳という年齢は産婦人科医的にもまだまだ若いので、焦る必要はないですし、「時間を無駄にした」とか「子どもが生めなくなる」と思わなくても大丈夫です。安心してくださいね。
もちろん、周りが妊娠したり赤ちゃんを産んでいるのを見たりして後悔する気持ちもよく分かりますし、相談者さんがもし大阪にお住まいなら、少し前に未熟児をたくさん診ている母子センターから未熟児が追い出され、コロナ患者を受け入れるということもありましたから、今すぐ妊活を始めることに悩むのは仕方ないかもしれませんね。
ワクチンもいつ打てるか分からない現状で、東京やほかの地域であっても、この先コロナ禍がどうなるかは誰にもはっきりとは言えません。
コロナとの因果関係ははっきりしていませんが、この一年の出生率は減少しています。コロナがそれを加速させたのか、コロナがなくても同じくらい減っていたかは分かりませんが、みなさんご存じのとおり、日本の出生率はこの先も減少するフェーズに入っています。
結局、妊活するもしないも、誰かや何かのせいにはできないんです。
もしもこの先コロナが終息するまで妊活を我慢して、あとで「あのとき妊活しておけば……」と思っても時間は戻せないし、かといってコロナがさらに広がったとしても、誰も責任はとってくれません。
コロナが完全に終息しなければ本当に妊娠は考えられないのか、たとえコロナが終息しなくても子どもを生みたいのかをパートナーと話し合ってよく考え、自分が後悔しないと思うほうに決めるしかないのです。
そもそも、コロナが流行する以前は、完全に安心安全な世の中だったといえるでしょうか。
2011年に起きた東日本大震災。その後の原発事故で当時妊娠中だった人たちは大きな不安に襲われました。地球上のどこにいても、完全に安全な場所など存在せず、震災や疫病だけでなく、つねに脅威はあります。
震災もコロナも、誰も想定していなかったことが起きているわけですから、コロナが終息したからといって、次に何かが起きない保証はありません。
むしろいつの時代も、子どもを産み、地球に生きるということはそれ自体がサバイブすることなんですよね。
私は実際に、こんな世の中でも妊娠を決め、出産した妊婦さんをたくさん見てきました。きっとたくさん悩んだ末に「それでも生もう!」と決めたのだろうなと思います。
もちろん、適切な危機管理意識は必要ですが、リスクのことばかり考えていては、どの時代であっても妊娠に踏み切ることはできません。
現状は母子感染のリスク報告も少なく、妊婦が重症化しやすいというデータもないため、後悔するくらいなら、少しずつ妊活を再開してみてはいかがでしょうか。
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2021.06.29
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いつ妊活を再開すればよいのか、アドバイスいただけたら嬉しいです。