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上司が部下の家庭で子育て体験。企業のユニークな取り組み「育ボスブートキャンプ」とは

上司が部下の家庭で子育て体験。企業のユニークな取り組み「育ボスブートキャンプ」とは

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

2017年11月09日

働くママにとって、子育てをしながらどう働くかはとても大切なことですよね。近年、働き方改革やダイバーシティなど働く環境を整備している会社が増えてきているようです。そこで今回は、そんな企業のひとつをKIDSNA編集部が取材レポートします。

「育ボスブートキャンプ」とは

管理職の希望者が2人1組で子どもがいる社員の家庭にて育児体験をする、計40時間のプログラムです。

①講座(専門講師による講座)

②体験(実際の家庭で4日間の育児体験インターン・多様な環境にある社員へのヒアリング)

③発信(多様性への気づき・アクションプランを発信)

以上の3つの流れで実施されています。

まずは、この取り組みの発案者である、リクルートマーケティングパートナーズ人事企画グループの山田和秀さん(以下、山田さん)にお話をうかがいました。

キーワードは「多様性」

――まずは、「育ボスブートキャンプ」を思いついたきっかけを教えてください。

山田さん:23年間人事をやってきて「すべての人が活躍できる会社にしたい」と感じていました。子育てもそうですが、介護や看護などさまざまな制約のなかで働いている人がいます。実は、私自身も妻の看護をしながら働いた時期があります。

また、20年以上前のことですが、子どもができて妻が仕事を辞めたとき「本当にこれでいいのかな」と思ったのも、今振り返ると、このプログラムの起点になっているのかもしれません。

――会社の上司に「さまざまな制約」をどこまで話してよいのか、迷うことがあります。

山田さん:そうですよね。でも、リーダーや上司も、それぞれのメンバーの背景を把握し、理解することで、仕事でそれぞれの個性を活かすことができます。

そして、会社が社員の多様性を戦略的に位置づけることによって、それが新規事業につながる可能性もあります。そのためには管理職やリーダーから変わっていく強力な取り組みが必要だと考え「育ボスブートキャンプ」を実施しています。

会社ではみんな同じ顔

――子育てもダイバーシティ(多様性)のひとつだという視点なんですね。

山田さん:そうですね。子育て、介護、看護、ハンディキャップ、不妊治療など、働きながらいろんな制約・事情を抱えている人も多いんじゃないでしょうか。会社ではみんな同じ顔をしているけれど、氷山の下はぜんぶちがう顔ですよね。

でも、その「個性」が人と人とをつなぐ大切な部分。みんなの多様性を認め合いながら、それぞれの個性や持ち味を生かして仕事ができたらいいなと思います。

経験によって、お互いに歩み寄る

――「育ボスブートキャンプ」の名付け親は誰だったのですか?

山田さん:〇〇研修、△△プログラム、だとやっぱりお堅いイメージになってしまうので、私が「育ボスブートキャンプ」とネーミングしました。まずは興味を持ってもらいたいという思いからです。

――実際に、管理職の方で参加希望者はどれくらいいらっしゃったのでしょうか?

山田さん:募集人数の2倍もの希望者がいました。

管理職といっても当社のマネージャーは30代が多く、まだまだ自分の生活の軸が仕事だけの世代。頭では、ワーママが大変なのはわかっていても、実際のママ社員の大変さは、やってみないとわからないかもしれませんよね。

――これまで何名の方が「育ボスブートキャンプ」に参加されたのですか?

山田さん:今回で5回目なのですが、合計27名の社員が参加しました。

参加者たちからは「育児経験をしてワーキングマザーの大変さを痛感した」「家庭のことや自身の葛藤・悩みをオープンに話せるようになった」などさまざまな声があがりました。

子どもが「ママの仕事」に興味を持つように

それでは、実際に、この取り組みで会社でいっしょに働くマネージャーをご家庭に受け入れたママにお話をきいてみました。

――期間中、大変だったことはありますか?

「まず安全管理含め、子育ての知識を共有することから大変でした。子どもがいっしょなので、ゆっくり説明をすることもできなかったからです。

さらに慣れてくると子どもが興奮して、いつもに増して収拾がつかなくなることもありました」

――ご自身や周囲にどのような変化がありましたか

「いっしょに子育てを経験してもらえたことにより、会社に家族ができたみたいな感覚を持つようになりました。また、少しでも私の状況を理解してくれる人がいると思うだけで、心が楽になりました。

体験者が子どもに職場の話をしてくれたおかげで、子どもも会社に行ってみたい!というようになりました。家でも、会社の話や"くるみーと?かめちゃんと?"と体験者の話をするようになって、子どもなりに私の仕事を理解しようとしてくれているように感じます」

ママにとっては、1分1秒がすごく大切

次に、職場のメンバーの家で育児体験をした会社の管理職の女性に話をうかがいました。

――子育てを経験して、驚いたことや大変だったことはありますか?

「仕事を終えてからのお子さんのお迎えやごはんの準備、お風呂や寝かしつけなど、実際に体験してみると、決して思いどおりには動いてくれない子どもとのコミュニケーションを通じて、時間をコントロールすることのむずかしさを痛感しました」

――参加後、変化はありましたか?

「ワーママの働き方をリアリティをもって想像できるようになり、マネージャーとしての視野は大きく広がりました。職場のメンバーの仕事の側面だけでなく、その先にある生活や生き方まで思いをめぐらせるようになり、かける言葉も変わってきたように思います」

家庭と仕事の境界を超える

「育ボスブートキャンプ」によって、コミュニケーションの質が変わり、それぞれによい影響があったようです。

今回のお話で印象的だったのは、発案者の山田さんがおっしゃっていた「家庭と仕事の境界を超える体験」というお話。

「ライフワークバランスという言葉があるけれど、ライフ(生活)のなかに仕事や子育てなどいろいろな要素が含まれていて、それぞれの境界を超えることが、新しい価値の創造につながるのでは」とのことでした。

子育てと仕事の両立や、これからの女性の生き方について考えるよいきっかけになった取材でした。

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

「cheers! your life.人生に、拍手があふれる世界を。」をビジョンとし、ひとりひとりのライフイベントの積み重ねに寄り添い、人生の「しあわせの総量」が増えている世界を目指しております。

主に、ブライダル情報サービス、自動車関連情報サービス、高校生の進学情報サービスオンライン学習サービス、IT製品情報サイト、WEB集客支援サービスなどを展開しております。

会社名

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

資本金

1億5百万円

代表者

山口 文洋

従業員数

1352人

事業内容

婚活・結婚・出産育児情報、自動車関連情報、まなびコンテンツ、高校生の進学情報サービスなどを展開

所在地

東京都品川区上大崎2丁目13-30oak meguro