産休育休中の給付金はいつからいつまで支給?計算方法や申請できる条件について

産休育休中の給付金はいつからいつまで支給?計算方法や申請できる条件について

産休や育休に関する給付金がいつまで受け取れるのか、どのような条件でいくら支給されるのか気になるママもいるかもしれません。今回の記事では、産休や育休の期間に受け取れる給付金の種類や金額の計算方法、申請に必要なものについてまとめてみました。

産休育休中にもらえる給付金

出産のために仕事を休むことになり、給与が受け取れない場合にどのような手当があるか気になるママもいるかもしれません。安心して産休や育休を取れるための制度としてさまざまな給付金が設けられており、会社を休む期間に対しては以下のような給付金が支給されるようです。

・出産手当金
・傷病手当金
・育児休業給付金

それぞれの給付金を受けるための条件や支給額の計算方法、手続きについて詳しく見ていきましょう。

出産手当金

全国健康保険協会によると出産手当金について次のように紹介されています。

被保険者や家族の生活を保障し、安心して出産前後の休養ができるようにするために設けられている制度です。

出典: 出産に関する給付/全国健康保険協会ホームページ

出産手当金は産休手当とも呼ばれており、健康保険に加入している方が出産のために会社を休んでいる期間に対して支給されるようです。


給付金をもらうための条件

出産手当金の給付は、妊娠4カ月(85日)以上での出産が対象となるとされています。

妊婦さん
© siro46 - Fotolia

被保険者が出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられないときは、出産手当金が支給されます。

出典: 出産に関する給付/全国健康保険協会ホームページ

産休にあたる期間に給与が支払われていないことが前提とされており、給与が支払わている場合は給付の対象に含まれないようです。また、出産を機に会社を辞める場合に手当を受ける条件は以下のように記載されています。

資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者の資格喪失の日の前日に、現に出産手当金の支給を受けているか、受けられる状態(出産日以前42日目が加入期間であること、かつ、退職日は出勤していないこと)

出典: 出産で会社を休んだとき(出産手当金)/ 全国健康保険協会ホームページ

いつまで雇用保険に加入していたか、退職日がいつなのかといったことも条件にかかわるようなので、疑問点については勤務先に確認しておくとよさそうですね。


いつまでいくら支給される?

全国健康保険協会の資料では、いつからいつまでの期間が支給の対象になるかについて、以下のように紹介されています。

出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産の予定日)以前42日目(多胎妊娠の場合は98日目)から、出産の日の翌日以後56日目までの範囲内で会社を休んだ期間

出典: 出産で会社を休んだとき(出産手当金)/ 全国健康保険協会ホームページ

出産日の当日は産前期間に含まれるとされており、予定日よりも遅れて出産した場合には、遅くなった日数も加えて給付金が受け取れるそうです。また、1日あたりの支給金額については次のように計算するとよいようです。

1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)

出典: 出産手当金について / 全国健康保険協会ホームページ

(※)支給開始日の以前の期間が12ヵ月未満の場合は、支給が始まる月より前の継続した各月の標準報酬月額の平均額か、28万円のどちらか少ない方の額をもとに計算します。

上の計算式を使って、いくら支給されるかの目安を把握しておくと産後のスケジュールが立てやすいかもしれません。


申請に必要なもの

病院の待合室
iStock.com/ismagilov

手続きについては「健康保険出産手当金支給申請書」に、医師または助産師の意見書などを添えて提出する必要があるそうです。また、申請は産前と産後で分けて手続きを行うこともできるようです。

医師または助産師の証明欄は1回目の申請が出産後であり、証明によって出産日等が確認できたときは、2回目以降の申請書への証明は省略可能

出典: 出産手当金について / 全国健康保険協会ホームページ

2回に分けて申請をする場合は、医師または助産師の証明は、条件を満たせば省略可能のようですが、事業主の証明欄については毎回記入してもらう必要があるようです。

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傷病手当金

傷病手当金は、病気やケガなどの理由で働けない期間に対して、健康保険から給与の一部が給付金として支給される制度のようです。妊娠や出産における療養が対象となる場合もあるようです。


給付金を受ける条件

全国健康保険協会の資料によると、以下の条件を満たした場合に傷病手当金の支給を受けられるようです。

・業務外の病気やケガで療養中であること。
・療養のための労務不能であること。
・4日以上仕事を休んでいること。
・給与の支払いがないこと。

傷病手当金は、療養などで会社を休んでいる期間の家族の生活を保障するために設けられているようです。ただし、すでに会社を辞めており、健康保険の任意継続となっている場合は対象に含まれないとされています。


いつからいくら支給される?

お金
iStock.com/StockGood

傷病手当金がいつからいつまで受け取れるかについては、以下のように定められています。

病気やけがで休んだ期間のうち、最初の3日を除き(これを「待期」といいます。)4日目から支給されます。 その支給期間は、支給を開始した日から数えて1年6ヵ月です。

出典: 傷病手当金 / 全国健康保険協会ホームページ

支給には、療養のために続けて休む日数がかかわってくるようです。1日あたりの支給金額は、以下のように計算します。

支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)

出典: 傷病手当金について / 全国健康保険協会ホームページ

(※)支給開始日の以前の期間が12ヵ月未満の場合は、支給が始まる月より前の継続した各月の標準報酬月額の平均額か、28万円のどちらか少ない方の額をもとに計算します。

傷病手当金を申請する時期に出産手当金が支給されている場合は、出産手当金のみの支給となるようです。傷病手当金の金額が出産手当金よりも多い場合は、その差額を受け取ることができるようです。


申請について

傷病手当金の申請には、「健康保険傷病手当金支給申請書」の提出が必要になるそうです。申請については以下のように記載されています。

給与の支払い有無について事業主の証明が必要になりますので、1ヵ月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします。

出典: 傷病手当金について / 全国健康保険協会ホームページ

申請するタイミングについては、勤務先に確認するようにするとよいかもしれませんね。申請の書類には事業主の証明のほかにも、医療機関などで担当者の意見書をもらって添付する必要があるそうです。

育児休業給付金

育児休業給付金は、育児のために仕事を休む期間に雇用保険から給付金を受け取れる制度のようです。


給付金を受ける条件

育児休業給付金は、育休が終わったあとに職場復帰をすること前提として支給されるようです。育休が始まった日より前の2年間のうちに雇用保険の加入期間が12カ月以上あることが条件となるそうです。

派遣社員やパート勤務など、有期雇用労働者の方も育児休業給付金を申請できる場合があるようです。正社員と受給の条件が異なるようなので、勤務先などで確認しておくとよいかもしれません。


いつまでいくら支給される?

育休の開始は、産休から続けて取得する場合は出産した日から数えて58日目からの支給となり、男性が申請する場合は配偶者の出産日当日から対象となるそうです。

一般的には、子どもが1歳の誕生日を迎えるまでの期間について支給されるようですが、条件によっては1歳6カ月または2歳に達する日まで支給期間の延長ができる場合もあるようです。

いくら支給されるかについては、育休が始まる前の6カ月間の給与総額を180で割った金額(休業開始時賃金日額)をもとに計算し

休業開始時賃金日額 × 支給日数の 67%(育児休業開始から6カ月経過後は、50%)

が1日あたりの支給額となるようです。


申請について

原則として、申請の手続きは事業主を通して行う必要があるようなので、給付を受ける前に勤務先の担当者に確認しておくとよいかもしれません。

厚生労働省によると、初回の申請には次の書類が必要になるそうです。
1. 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
2.育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書 
3.賃金台帳、労働者名簿、出勤簿又はタイムカードなど
4.母子手帳など育児を行っている事実を確認できる書類 

初回の手続き後は、2カ月に1回決められた日にハローワークで申請の手続きを行うようです。

出典:Q&A~育児休業給付~ / 厚生労働省

産休中の給付金を上手に活用しよう

画像
iStock.com/Yagi-Studio

産休や育休の期間に受け取れるお金には、どのような種類があるのか、条件や必要な書類はいつまでに申請したらよいかなど、事前に確認しておくとよさそうです。給付金がいくらぐらい支給されるか計算し、産後の生活設計に役立ててみてはいかがでしょうか。


※出産手当金、傷病手当金に関しては、加入している各健康保険組合によって違いがあります。

※記事内で使用している参照内容は、2018年8月13日時点で作成した記事になります。

2018.08.15

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