日本と海外の子どものしつけ。アメリカやカナダなど外国のしつけ事情を調査

日本と海外の子どものしつけ。アメリカやカナダなど外国のしつけ事情を調査

子どものしつけについて、日本と海外ではどう違うのか気になっているママもいるのではないでしょうか。アメリカやカナダ、フィリピンやヨーロッパ圏などの外国の子どものしつけについて調査。世界の育児事情についてご紹介します。

日本と海外、子どものしつけ事情

「日本と外国ではしつけも違う」わかっていても、具体的にはどう違うのかを知ることは難しかったりしますよね。

ベトナム・中国・韓国を含むアジア、アメリカ・カナダを含む北米、イギリス・ドイツなどを含むヨーロッパ(欧州)、のしつけの違いについて、その国出身の方やその国で子育てしている方に話を聞きました。

すべての家庭で共通というわけではないかもしれませんが、世界のしつけ事情を知るきっかけになれば幸いです。

食事に関するしつけ

食事のしつけ
MIA Studio/Shutterstock.com

日本では食事の前後で「いただきます」「ごちそうさま」と言う家庭が多いかと思います。離乳食を始めると同時に子どもにしつけとして伝えているママもいるのではないでしょうか。海外ではどんなしつけをしているのでしょう。


アジア

「地域によって違いますが、招いた人や年長者が『どうぞ』と言ったり、目上の人に『先に召し上がってください』と言ってから食事をします。目上の人が食べ始めたら子どもも食事をします」(ベトナム)

ベトナムでは「いただきます」の変わりに、目上の人(父母など)に対して挨拶を交わす地域があるそうです。韓国でも同様で、目上の人が食べてから子どもが食べるのが一般的だそうです。

同じアジアでも中国では事情が異なり、子どもの自由を尊重する考えが浸透しているため、遊びながら食べさせたり、食べ残しをしても叱ることはないそうです。

英語が広く浸透しているフィリピンではキリスト教の家庭も多く「祈りの挨拶を捧げてから食事をする」という声もありました。


北米

アメリカやカナダでは「音を立てて食事をする」ことが最もタブーとされているようです。日本でも注意をしますが、さらに厳しくしつけている場合が多いそうです。

アメリカ出身の方からは「子どもが座る位置も必ず決まっている」という声がありました。日本よりも「個人」に重きを置いているからなのかもしれません。


ヨーロッパ(欧州)

イギリスやドイツなどのヨーロッパでは、食事のマナーは小さな頃から徹底して教えているようです。「外食先で騒いでいる子どもを見かけない」と答えるママもいました。

イギリス在住のママからは「食べ終えてもママやパパから許可をもらうまで席は立たない」「食事中何か取ってほしいときは手をのばさず『Please』を必ずつける」という話を聞きました。食事を残すと失礼にあたるという概念があり、食べ残しをしないよう日本と変わらず子どもをしつけているそうです。

こちらの記事も読まれています

トイレに関するしつけ

しつけ
plantic/Shutterstock.com

日本では1歳後半から3歳前後でトイレトレーニングはじめる場合が多いですよね。外国ではどうなのでしょう。トイトレ事情を聞いてみました。


アジア

中国では1歳前でトイトレを開始し、1歳頃にはオムツが外れているのが一般的のようです。子どもがトイレをしたくなったら外であろうと木陰で用を足す場合もあるようで、カイタンクーという股われズボンを子どもに履かせているママもいるそうです。外で用を足しても受け入れられやすいのはフィリピンも共通のようで「子どもだからしょうがない」という感覚が日本よりも寛容なのだそうです。

ベトナムでも1歳前頃からおまるの練習を始めるようなので、日本よりもオムツ外れが早いのかもしれません。

トイレトレーニングっていつから始めるのがベストか。そのやり方やコツは

北米

アメリカやカナダでは「急いでトイトレする必要はない」という概念があり、日本よりもオムツ外れが遅い場合もあるようです。幼稚園の入園条件に「トイトレを完了させておくこと」が日本と同様にあるようで、2歳、3歳頃からトイレの練習をし、入園する4歳までにオムツを卒業させるママもいるそうです。


ヨーロッパ

「オムツのままでも幼稚園に入園できるので、ゆっくりトイレの練習をする家庭が多いです。3歳後半には取れている子が一般的ですね」(イギリス)

オムツをしたままの入園が認められているというのは、イギリスと日本で大きく違う点かと思います。同じヨーロッパでもフランスでは事情が異なるようで、幼稚園入園の3歳までにほとんどの子がトイトレを完了させているようです。入園条件だからという理由もありますが、幼稚園費用を国が負担しているのでほとんどの子が幼稚園へ通っている、という背景も影響しているそうです。

寝かしつけに関するしつけ

日本では早寝早起きが推奨され、母子同室で子どもを寝かしつけますよね。添い乳で寝かしつけたり、夜泣きをしたらすぐに対応したり、ママが苦労する育児の一つかもしれません。世界のママはどうしているのでしょう。

新生児から赤ちゃんの夜の寝かしつけ。かかる時間や授乳以外の方法など

アジア

フィリピンや中国、韓国などのアジア圏では、日本と同様添い乳をしながら寝かしつけをする場合もあるようです。ママと子どもが同室で寝る家庭も多いようで、日本との違いはあまりないのかもしれません。


北米

「なるべく早く寝かせる習慣はありますが、寝室は小さな頃から完全別室ですね。泣いてもしばらくは一人にさせていて、添い乳はあまりよくないと言われています」(カナダ)

カナダやアメリカでは添い寝の文化はあまりないようです。「個人を尊重しているから」という声もあり、夜泣きをしても「一人で寝るトレーニングさせるのもしつけの一つ」という考えが主流のようです。


ヨーロッパ

「夫婦の時間を大切にする習慣があるので、一人で寝る練習は日本より厳しくしつけています。6カ月頃までは同室ですが、それ以降は子ども部屋で一人で寝る練習をはじめます」(イギリス)

イギリスやドイツ、フランスなどのヨーロッパでは「子どもの自立を促す」「夫婦の時間を大切にする」ことに重きをおくため、その考えが寝かしつけにも影響しているようです。

世界のしつけは多種多様

世界のしつけ
XiXinXing/Shutterstock.com

育児をしていると「こうしなきゃ」という概念にとらわれてしまう場合も多いかもしれません。子どものしつけで悩んだら、アメリカやドイツ、フィリピンなど、海外のしつけ事情などを調べてみるのもよさそうですね。外国のしつけを知りながら、ママと子どもに合ったしつけ方法を見つけてみるのもよいかもしれません。

2018.01.17

ショート動画

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る

不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
【レポート】KIDSNAアンバサダー生誕2周年記念インスタライブ

2024年3月1日に開催したKIDSNA STYLEインスタライブ。お忙しい時間帯にもかかわらず、たくさんのアンバサダーのみなさまにご参加いただき、本当にありがとうございました!参加が難しかった方も多いと思うので、インスタライブの様子を簡単にご紹介いたします。