話題の男性保育士、てぃ先生が教える。朝、登園前の5分でできる子どもとのスキンシップ方法

話題の男性保育士、てぃ先生が教える。朝、登園前の5分でできる子どもとのスキンシップ方法

朝、子どもを園に預ける時は、できれば笑顔で気持ちよくお別れしたいですよね。そこで今回の記事では、子どもがうまく気持ちを切り替えられるスキンシップや言葉がけについて、てぃ先生に考えていただきました。

こんにちは!てぃ先生です。

前回のテーマ「保育園で子どもは家のことをどう話している?」について、「そんなことまで話してるんだ…」「気をつけよう」「子どもの素直な気持ちを知ることができて良かった」など、ご感想をいただいています。ぜひ覗いてみてください!

話題の男性保育士、てぃ先生にきく。保育園で子どもはママやパパ、お家のことをどう話しているのか

保育園で子どもはママやパパ、お家のことをどう話しているのか

今回は「朝、園に預ける前の5分でできる子どもとのスキンシップ方法」がテーマです。

これについては、様々なサイトや雑誌でいろいろな方法が載っていると思います。ですので、一線を画すために、僕が保育園に勤めてきたなかで保護者の方と実際に試してみて上手くいった方法を1つ、お話したいと思います。

ごはんの前のお片付け

『子どもに先の見通しを持たせよう』という話はよく聞きますよね。

例えばご飯を食べるために片付けをしてほしい場合。

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いきなり「はい、ご飯だから片付けて」と言うのではなく、その10分前くらいから「もうすぐご飯できるよ」と一言入れておくだけで、子どもの頭のなかに


『もうすぐご飯だ』


という意識が生まれます。

そうしてから、いざ本当に片付けてほしいタイミングで「ご飯だからお片付けしてね」と言うと、


『もうすぐご飯だ』→『ご飯ができたから片付けよう』


と結びつきやすくなり、子どもの『まだ遊んでいたいのに』『急に片付けろと言われた』というありがちな不満に先回りの配慮をすることができるといったものです。

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朝、登園する時

これを朝の登園で活かそうとすると、だいたいこんな具合ではないでしょうか?


「もうすぐ保育園だね」

「お友達待ってるよ」

「今日は泣かないでバイバイできるかな」


こういった言葉がけで上手くいく場合もあると思いますし、実際にそういう例も見てきました。しかし、それでも上手くいかなくて「どうすれば…」と悩むパパママもいました。


そんななかで1つ、突拍子もないことを思いつきました。

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パパやママたちは、『子どもの行動』について先の見通しを持てるような言葉がけをしています。しかし、もしかしたら、


子どもは『大人の行動』についても、先の見通しを持ちたいのではないかと。


そして、実際に保護者の方へこれをお話して、やってみてもらいました。具体的にはこうです。


・「ママは、○○ちゃんと保育園に行ったあと、そのまま電車で会社に行くよ!」

・「会社に行ったらお仕事して、○○ちゃんがお昼ご飯食べる頃に、ママもお昼ご飯食べるかな!」

・「お昼ご飯を食べたらまたお仕事頑張って、お外が暗くなる頃に保育園にお迎え来るからね!」


パパママの行動と、それに照らし合わせるように子どもの行動も付け加えてお話してもらいました。

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結果は、思ったよりもかなり上手くいきました。これですぐに問題が解決できたご家庭もありましたし、最初は上手くいかなかったものの、何度か繰り返しているうちに、


「バイバイしたら、ママは会社行くんだよね!」

「○○ちゃんはカレーだけど、パパは何食べるのかな?」


といったように、パパママの行動を徐々に理解することで安心できるようになった子どももいました。


子どものためを想うと、子どものことが心配になると、つい『子ども子ども子ども子ども子ども』と考えがちですが、


一旦立ち止まって、パパママのお話も聞かせてみてあげてください。


案外、それでパッと解決することがあるかもしれません。
ご参考までに。

執筆:てぃ先生

Profile

てぃ先生

てぃ先生

関東の保育園に勤める男性保育士。 ちょっと笑えて、可愛らしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は46万人を超える。 Twitter原作のマンガ『てぃ先生』(KADOKAWA/メディアファクトリー)は20万部を突破、著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)は15万部を超える大人気作に。他にも『ハンバーガグー!』『園児がくれた魔法の言葉』などを出版。 保育士として勤務する傍ら、その専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演活動も年間50本以上。 他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。 ちなみに、名前の読み方は「T」先生。

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